夏の恋の終わり
掲載日:2025/11/21
一つの恋に終わりを告げた。
青天の霹靂などというものがこの歳で感じるなんて思ったことはなかった。
博物館の受付をしている彼女が青年と出会うきっかけは夏のイベントで彼がアルバイトで来たことだった。
挨拶に始まり、たまに休憩時間が重なって二言三言話したくらいで時は経過して行った。ただそれだけの距離感でしかなかったはずだった。
8月下旬の仕事終わり、彼が門で立ち尽くしていた。ただ立っているだけで汗が湧き出る、うだるような夕方のことだった。それを見て運転席から声をかけると、ちょっと時間が欲しいとのこと。彼を助手席に乗せてファミレスに行くことにした。そこで飲食を済ませた後、彼から告白された。独り身とはいえ、19歳の彼とは親子ほどの年が離れている。
「ごめんなさい。そういう対象では見れないわ」
「いいんです、今日でバイトが終わるんで気持ちをはっきりさせておきたかっただけなんで」
拒否せざるを得なかった彼女にとって失恋をさせてしまったとはいえ彼が眩しく見えた。その眩しさを自分が感じられたことにも驚くしかなかった。




