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あの古いポスターとともに

掲載日:2025/11/12

天井を見上げると電気ブランの古いポスター、私は好いていない。このお店ごとなくなってしまえばいいのにと、思ったことは数知れない。そのわりに私は、このお店に来てしまう。


疑いを持たず、私のそういった考えなんて知る由もないこのお店のマスターは、比較的恋愛に関しての感度がいいとキモチ悪いことを自称する。


―僕ねえ、あなたのこと気になってるみたいなのよねえ


男のわりに甘ったるい口ぶりが一等賞にキモチ悪い。だからやっぱりこのお店は、なくなったほうがいい。


―ふうん、そうですかあ


つれない返事をしておいて、


―今日、私、誕生日なんですよお


つとめて甘めに言ってみる。

マスターは、していた腕時計をとり、


―よかったらどうぞお


胸やけがするほどのニヤケ顔とともに私に差し出してくる。青いベルトの、文字盤がマリリン・モンローの。マスターのわりに、いいセンス。といっても安物のスウォッチだけど。


せしめたそのスウォッチを一度も腕にすることなく、その日の帰り、川に放り投げる。今日は私の誕生日でもなんでもなくて、そんな簡単なウソにあっさりのってしまう男、興味の対象になるわけない。


あのあとマスターが、私がスウォッチをしていないのを咎めてくることは一度もなくて、それがつまらなくって腹立たしい。だからやっぱりこのお店は、あの古いポスターとともになくなってしまったほうがいい。





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