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最終章 星の下の誓い
夜は深く、焚き火の炎が小さく揺れていた。
草原の闇の中で、星々が降るように輝いている。
レオンは早々に眠りに落ち、一定の寝息を立てていた。
私は火の残り火を見つめながら、胸の奥に残っていたものと向き合った。
家族を失ったあの日から、長い長い道を歩いてきた。
叔父夫婦の支配の中で育ち、戦場で血と炎にまみれ、英雄と呼ばれ、また鎖に繋がれた。
けれど、そのすべてを断ち切り、ここにいる。
ふと夜空を仰いだ。
かつて戦場で見上げた光は、恐怖と絶望の中で射した救いのようだった。
だが今は違う。
この光は誰のものでもなく、ただ広がる自由の象徴だった。
私は小さくつぶやいた。
「――もう誰のものでもない。私は、私」
その声は夜風に溶け、星の海に吸い込まれていった。
どこかで聞いている者がいなくとも、それは確かな誓いだった。
焚き火の最後の火がはぜた。
私は外套を深くかぶり、目を閉じた。
明日がどんな道であろうと、この自由を手放すことはない。
そうして、旅は静かに続いていった。




