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31話 会合

壇上に立つファスカを全員が見つめる。あるものは尊敬、あるものは畏怖、またあるものは敵意を


そんな視線を気にすることもなく、ファスカは話し始めた。


「まず新入生の皆さんおめでとう」


ファスカの声が講堂に響く。堂々とした立ち振る舞いに、新入生たちは背筋を伸ばした。


「皆さんは今日からノジオン学園の一員となります。この学園は魔物と戦う戦士を育成する場所。甘い気持ちで来た人がいるなら、今すぐその考えを改めてください」


ファスカの視線が会場を見回す。一年生の中に震え上がる者もいれば、挑戦的な眼差しを向ける者もいた。


「魔物は容赦しません。一瞬の油断が命取りになる。だからこそ、この学園での日々を無駄にしてはいけません」


彼女の胸元で紅蓮のロードストーンが静かに威厳を示す様光放つ。


「在校生の皆さんにも言います。新入生を歓迎するのは結構、しかし、甘やかしてはいけません。厳しさの中にこそ、真の成長があります」


ファスカは一度言葉を切り、深呼吸をした。


「私は生徒会長として、皆さんが一人前の戦士になれるよう全力で支援します。しかし、それは甘やかすという意味ではありません。時には厳しい言葉をかけることもあるでしょう。それは皆さんの成長を願ってのことです」


会場の空気が緊張感に満ちていく。


「最後に、この学園には一つの目標があります。それは『ロード』です。ロードとは、最強の証。誰もが目指すべき称号です」


ファスカの視線が一瞬、フィルの方を向いた、その瞬間、彼女の口元に不敵な笑みが浮かぶ。


「在校生の中にも、そして新入生の中にもロード、を目指す者がいることでしょう。大いに結構。しかし、その道は険しく、多くの試練が待っています」


ファスカは胸を張り、堂々と宣言した。


「私は既にロードの称号を持つ者として言います。ロードになりたくば私を倒しなさい。遠慮は無用、本気で私の首を取りに来なさい」


講堂内がざわめく。生徒たちは息を呑み、その大胆な発言に驚いた。


「弱い者に興味はありません。しかし、真に強い者、私を脅かすほどの実力者が現れるなら…」


ファスカの眼差しが鋭くなる。


「喜んで相手をしましょう。それこそが、この学園で最も価値のある学びになるはずです」


彼女の声に力が込められる。


「ノジオン学園は、弱者を排除する場所ではありません。しかし、強者には更なる高みを目指してもらいます。私はその頂点で、皆さんを待っています」


ファスカの声に絶対的な自信が込められる。


「努力する者は支援しますが、私に挑む者には一切の容赦はしません」


ファスカは深々と頭を下げた。


「以上です。新入生の皆さん、改めて入学おめでとうございます」


講堂内に大きな拍手が響いた。しかし、その拍手の中には畏怖の念も混じっていた。


フィルは拍手をしながら、ファスカを見つめ続けていた。


(ファスカ様…ちゃんとあーゆー喋り方出来たんだ…)


感動ものである、いっつも会えば「フィルー戦いましょー」とか「あぁイラつくわね〜しばこうかしらあいつ」とか言ってたのに。先生方も皆さんほっと肩を落としてる辺りやらかしたことはあるのだろう。


演説が終わり、ファスカが壇上から降りる。彼女の背中を見送りながら、フィルは心の中で静かに誓いを立てた。


(待っていてください、ファスカ様。必ず貴方を倒す)


校長が再び前に出てきた。


「素晴らしい演説でした、ファスカさん。では次は…」


その後も来賓の挨拶やルールの説明などが終わり…


「これで入学式を終了いたします。新入生の皆さんは各クラスの担任の先生と一緒に教室へ戻ってください」


生徒たちがざわめき始める中、隣のトニカが声をかけてくる。


「ファスカ様の演説、いつ聞いてもすごいよね…なんと言うか、そう!カリスマみたいな」


「そうだね、本当にすごい人だと思う」


フィルは素直にそう答えた。倒すべき人ではあるが、尊敬すべき相手でもある。


「でも、フィルもロードを目指すって言ってたよね。いつかファスカ様と戦うことになるのかな」


トニカの何気ない言葉に、フィルは小さく微笑んだ。


「うん、勝つよ」


講堂から出ていく生徒たちの列に加わりながら、フィルは改めて決意を固めた。この学園で、自分の力を証明してみせる。


「この後は教室で何かやって解散かな?それが終わったら付き合ってね?」


「あぁ、分かった」


(トニカとの約束もあるし寮に戻るのは後になりそうだな、というかトニカは何するつもりなんだ)


そんな事を考えていたらふと、肩に手を置かれた。


(ん?誰…?)


後ろを振り向く


「どうもフィル君、ご入学おめでとうございます」


忘れもしない、あの日俺たちの幸せを奪った男があの時と同じ様な薄ら笑いを浮かべ立っていた。

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