エピソード4
ーギルド内ー
「ナダさん、今日の爆発音についての報告に参りました」
「どうもカドレアさん! 確かに今日、爆発音がしましたね。あれは何だったんですか?」
「あの爆発音は子供のドラゴンが出した炎によるものです。ドラゴンは私が保護しておりますが、いかがしましょう?」
「うーん、ドラゴンが街に出るなんて変ですね。ドラゴンは子供……なんですね、じゃあそのままカドレアさんが保護していて下さい!」
「……承知いたしました。責任を持ってドラゴンを保護します」
「うんうん! そのほうが良いですよ!」
てっきりドラゴンを始末しろと言われると思っていたんだがな……うちの店番とかにするか。
その後、僕はスキルをギルドに来ている人々をおだててコピーさせてもらった。
「さすがです! ここまで強い冒険者はなかなかいませんよ!」
「ははは! 分かってんなお前!」
「そんな貴方にお酒でもどうです? 奢りますよ!」
「おぉ! まじか、じゃあ奢ってもらうかな!」
「代わりに貴方のスキルを見せていただけませんか? 是非僕も参考にしたいです!」
「いいぞいいぞ! そんなんで良いならどんどん見せてやるよ!」
まぁ、こんな具合だ。皆おだてると木に登ってくれて助かる。
スキルを見せてもらってコピーして、そして売る。これが僕がやっている商売。相談はスキルを購入してもらうためにやっているおまけだ。
ー家ー
「ただいま」
「おかえり、カドレア!」
とりあえずランは家に置いてあるがどうしよ……。
「カドレア?」
「いや、大丈夫だよ」
ランに擬人化スキルをコピーさせるのはいいとして、人間の常識とかは大丈夫なのか? 学校に通わせるのも手か、やっぱドラゴンが学校に行くのはまずいか。
「ラン、僕の目を見て」
「? うん」
よし、これでスキルをコピーできた。
「今、スキルをランにコピーした。これからは自分でそのスキルを使える」
「ワタシがスキルを? うん! 分かった!」
「よし、いい子だ。ところでランは家に帰りたいとは思わないの?」
「……思わないよ。お母さんは多分もう駄目なの、その場所に戻るのは危ないからここに居たい!」
「なるほど、ここには好きなだけ居ると良いさ。そのために人間の常識を覚えていこうね」
「分かった! お勉強頑張るね!」