エピソード3
ドッカーン!
なんだ? 外から爆発音がしたが……見に行ってみよう。
ザワザワ
「東の方から爆発音がしたぞ!」
「避難したほうが良いんじゃない……?」
街の皆がざわめき立っている。何が起こったか気になるし、現場に行ってみるか。
僕は駆け足で現場に向かうことにした。そこで見たものは……
「小さいドラゴン? なぜ街にいるんだ?」
「あんちゃん! ドラゴンなんて危険だ! 逃げたほうがいい」
ふむ、ドラゴンと言えど子供なのかな。小さいし。どうするか?
おじさんの心配の声に大丈夫と返し、周囲の人に避難をうながしドラゴンの近くによる。
「ドラゴン、君は何で街に?」
動物と話すスキルでドラゴンに話しかけてみる。
「やだ! 近寄らないで!」
「大丈夫だよ、落ち着いて__わっ!」
ドラゴンが火を放つ。僕はとっさに避け、心を落ち着かせるスキルをドラゴンにかける。
「……大丈夫。君に酷いことをするやつはいない」
「本当……?」
「いないよ」
「ワタシ、何でここにいるの?」
「分からないの?」
「うん、森にお母さんといたのにいっぱい人が来て……」
「ゆっくりで良いから何があったか教えて」
「うぅ……その人達お母さんに痛いことしたの…………それでワタシ、戦ったの。でも気づいたらここにいて……」
「そっか……」
「家に自分で帰れそう?」
「おうちわかんない……それに、お母さん…………もう……」
おそらく母ドラゴンはもう死んでいる。たくさん来た人々はドラゴン狩りをしていた……だが街に子供ドラゴンをワープさせる必要なんてない。
とりあえずこの子供ドラゴンをどうするかだが、家につれてくか。ギルドには後で報告する事にした。
「じゃあ僕の家においで」
「お兄さんのおうち?」
「そうだよ君が良いなら一緒に住もう」
「うん、お兄さんと一緒にいたい!」
子供ドラゴンに擬人化のスキルをかけ、服を作るスキルをかける。これで、ただの女の子にしか見えないな。
「わっ! 人になっちゃった!」
「街にドラゴンがいると皆が怖がるからね。ところで名前を教えてほしいな」
「名前……ない」
「うーん、呼ぶ時に困るから……名前つけて良い?」
「うん! 名前ほしい!」
「……ラン、でどうかな?」
「可愛いお花の名前だ! ワタシ、ランが良い!」
……ドラゴンの『ラ』と『ン』を取っただけだから花では無いんだが、気に入ったんならいいか。
「お兄さんのお名前は?」
「カドレアだよ」
「かっこいいね!」
「ふふっ、ありがとう、帰ろうか」
「__! うん!」