エピソード13
「兄ちゃん、クエストクリアしてきたぞ」
「早かったですね、お帰りなさい」
「はい、これ報酬2割です」
リトが報酬の2割が入った袋を差し出してきた。
「今回は初回無料サービス、報酬は次回からでいいよ。それより何が欲しいスキルはあるかな?」
「俺、槍を使うスキルが欲しい」
「ボクは魔法を使いたいです」
「じゃあ槍使いのスキルをナルに、魔法を使うスキルをコピーする、僕の目を見て……これでよし、ナルは槍が使えるようになってるはずだし、リトは魔法が使える」
「本当にこれだけで槍が使えるのか?」
「魔法が使える実感がないです……」
「大丈夫、ギルドの訓練場でスキルをドンドン使ってスキルレベルを上げていこう。そうすれば自信もついてくる、またスキルが必要になったら店においで」
「ありがとうございます!」
「ありがと、兄ちゃん」
ー数刻後ー
店番をしてもらっているセレンとランが部屋にやってきた。もちろんセレンは隠密スキルをずっと発動させている。スキルレベルはもう3だ。
「お兄ちゃんお腹すきました」
「カドレア! ご飯にしよ!」
「分かった、ご飯にしよう店を閉めてくるよ」
僕は店の看板をクローズにして、料理をするスキルでシチューを作り上げた。上々の出来栄えだ。
「うーん! 美味しい! おかわり良い?」
「うん、良いよ。ドンドンお食べ」
「お母さんが作ってくれたシチューと同じぐらい美味しい……! ありがとう!」
セレンもランもシチューを気に入ってくれて良かった。僕はセレンにネックレスを渡してこう言った。
「セレンこれ、つけておいて」
「私に……? いいの?」
「うん、隠密スキルの補助として買ってきた」
「えー! いいなー! 私も欲しい!」
「ランにも買ってきたよ、こっちは擬人化スキルの補助」
「やったー! ありがとう、カドレア!」
「ありがとう……! お兄ちゃん!」
実はナルとリトを見送った帰りの道で、ネックレスを買ったのだ。
スキルスロットが付いていればいるほど、スキルが付与できる数が多くなる。スロットを付けるには高度なスキルが必要だ。なのでかなり高額になる。
なので自分でスキルスロットを一つつけた。
あまりつけすぎると盗人に狙われるからな。