表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/57

エピソード10

 セレンの背中には大きな傷があった。研究所で演算装置を埋め込む際につけられたらしい。



 この傷を治すためには希少な薬草が必要だ。演算装置などが神経に張り巡らせられているため、一般的な薬草では治療が出来ない。





「私も一緒に行きます」



「いや、セレンは家にいて欲しい。見つかったら大変だろう?」



「分かりました……」



「じゃあワタシがいくよ!」



「ランも家にいて、セレンを守ってあげて欲しい」



「うん、任せて!」





 こうして僕は薬草を取りに行くことになった。





ーコンコ池ー



 ここはコンコ池。近くにはコンコ湯と言う温泉が湧いている、効能は抜群で癒やしを与えるらしい。



 コンコ池には治癒効果の加護がある。そのため近くに生える植物にも、治癒効果がでる。



 近くの地面に目を凝らすと、薬草がポツポツと生えている。その薬草一つ一つにはそこまでの効果はない。



 しばらく探索していると一際大きい薬草を見つける。この薬草は希少で店に並ぶ事はほとんど無い。



 僕は希少な薬草を一つ摘むと帰路へと着いた。





ー街ー



「__いいからこいよ!」



「いやです、手を離して下さい」





 ふと足を止めて路地裏を見ると、ノアと冒険者の男が揉めている様子だ。見て見ぬふりより助ける方が良いと判断しそこに割って入る。





「ノア様、そちらのお方は知り合いですか?」



「知らない……」



「手を離していただけませんか?」



「ちっ、なんなんだお前」



「ノア様の知り合いです。彼女は嫌がっています、貴方の目的はなんでしょうか」



「いや……財布すられちまってよ、路地裏に逃げ込んだ奴を追ってたらこいつがいたもんでよ。こいつが財布すったんだろ」



「私は猫ちゃんをおってここにいるの、財布なんてすってないわ」





 どうやら誤解があったようだ。彼は素直に間違いを認めノアの手を離した。





「はぁー俺の財布、どこに行っちゃったんだ……」





 財布をすられるなんておっちょこちょいだな。財布を探したら報酬が期待できそうだ。





「良かったら私が探しましょうか? もちろん依頼料としていくらか掛かりますが」



「本当か!? 俺の財布探してくれんのか! 今日中に見つけてくれたら財布の中身半分やるよ!」



「分かりました、ではコチラの契約書にサインをお願いします」





 サインをもらい一度家に帰宅した。



 調合スキルで薬草をポーションに変えて、セレンに飲んでもらった。



 傷はみるみるふさがり、もとから機械の羽根が生えていたかのようになった。





 セレンはずっと家にいるというのも不便だろう、隠密スキルをセレンに覚えてもらうことにした。





「セレン、僕の目を見て」



「うん、これでいい?」



「……よし、これでスキルが使えるようになったはず。外に出る時は必ずスキルを使うんだよ」





 後で隠密系のアクセサリーでも買ってこよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ