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SFC グランヒストリア

SFCのマイナーRPGをやってみた感想文です。

このゲームはクリアまでに結構な根気が必要なゲームです。

よく様々なところで『このゲームは世界設定が複雑で分かりにくい』と云われますが、そこに関してはそうでもないかと思います。面倒で根気がいるのは独特な戦闘システムだと思います。このゲームでの戦闘システムはフィールド上でのシンボルエンカウントで始まり、ドラクエとほぼ同じのコマンド選択の古典的な戦闘画面に切り替わるシステムなのですが、このゲームの最大の特長といいますか、シンボルエンカウントの方向によって敵が前後左右4方向にバラけて出現します。主人公たちが攻撃出来るのは正面の敵のみ。例えば右方向の敵に攻撃するには右に方向転換すると、新たなコマンド選択式の戦闘画面が表示され、普通のRPGの戦闘のようにコマンドを選択してその敵と戦う事になるのですが、これが非常に面倒くさいんです。方向転換に1ターン消費します。前と左右の3方向に敵がいた場合、正面の敵と戦っている間、左右から2発攻撃を食らいます。正面の敵を倒して方向転換する間にも2発食らう。方向転換して右側の敵を倒している間にも後ろから1発食らい続け、最後に後ろに向き直している間にも1発無駄に食らいます。敵が画面毎に分かれているため、物攻で全方位に代替えランダム攻撃というのが出来ないため、1画面(一方向)中にいる敵を全て倒してしまうと残りの未発動分の攻撃が全てスカになってしまい、別方向(別画面)に方向転換するまでに攻撃を食らってしまう事が不可避というFCのFF1よりダメダメな戦闘が続きます。しかも敵の数が非常に多く、シンボルから逃げ続ける事は不可能。かなりのエンカウント率で長い戦闘を強いられます。コレ、テストプレイの時点で何も思わなかったのでしょうか、ストレスしか感じない箇所だと思うのですが。

以下、ネタバレを含むストーリーのあらすじです。

まず、このゲームの世界設定について、ゲーム内で説明されることは最後まで無いです。プレーヤーがゲーム内に描かれている背景やモブキャラなどを見て、それぞれの人が『あぁ、多分こういう世界設定なんだろう』と、必然的に理解出来るようにはなっていますが、それも中盤くらいになって徐々に種明かしするようになっているため、序盤で投げ出してしまった人にはトンチンカンプンな『難解な世界設定』と認識されてしまっているのだと思います。

いきなりネタバレからですが、このゲームは『人類が大量殺戮兵器を使って戦争をしてほぼ滅んでしまってから数百年後、生き残った人達が再度文明を築き、やっと中世ヨーロッパくらいの文明が発達してきた頃』の話となっています。

ゲームスタート時点の世界は『ザ』と『ゲ』と言われる二大宗教が世界を二分していて、それら二つの宗教がぶつかり合って潰し合いの争いを続けています。

『ザ』という宗教は自然崇拝で、自然の恩恵を受けつつ暮らして生きたいと思っている先住民のような人達です。一方の『ゲ』という宗教は新興で、人間の知恵や科学力をもって自然を制し、より人間にとって豊かな暮らしが出来る世界を作ろうとしています。中盤になって分かるネタバレですが、この『ゲ』という宗教は、この時代の考古学者が偶然、かつて滅んだ高度な文明の遺物であるロボットや巨大兵器を発掘してしまい、それらの機械を使えば簡単に世界を制する事が出来ると思いついて、巨大兵器を神として作り上げた新興宗です。

まぁ、世界設定としては良く出来ていますが、ゲーム内に出てくる巨大ロボの造形が悉くスターウォーズに出てくるロボと造形がほぼ同じ。AT-ATなどそのまんまなロボもいますが、オマージュとしてちゃんと許可とってるんでしょうか? あんまり有名にしちゃいけないソフトだったりするのでしょうか?

そんなこんなで『主人公となる男』は『ザ』の信者で、この男が翌日に結婚式を挙げるというところからゲームが始まります。平和な村で、翌日に結婚式を控えた夜、何となく眠れなくて一人で夜の散歩に出たところで、この夜たまたまこの村を襲いに来た『ゲ』の信者たちに出くわし、村人達と花嫁を守るため『ゲ』の信者達と戦い、あっさりと刺し殺されてしまいます。するとそこへ火の玉のようなものが近付いてきてこの男の体に入り込み、死んだはずの男は立ち上がって動き出します。

この火の玉が主人公です。主人公は実体を持たない『ザ』の神の使いで、死んでいる人間にならば憑依出来る。そして、今死んでしまったこの男の息子こそが将来『ザ』の教皇となって悪しき『ゲ』を滅する者となるため、今この男に死んでもらっては困る。そこでこの男が死なないように歴史を変えるためタイムリープしてこの男が殺されるのを阻止しようとしに来たものの、実体が無い状態ではどうする事も出来ず男は死んでしまった。そこで、死んだばかりで活きの良い状態のこの男の体に憑依して『この男がこのような状況にならない』よう歴史を改変するために、さらに時間を遡るタイムリープの旅に出る。ここからストーリー本編が始まります。主人公は『ザの使い』であり、動いているのは『死んだ男』です。

まず、この夜、村を襲ったのは『ゲ』の精鋭部隊で、いくらこの男の体を鍛えても勝てないという事が分かった事で、少し時間を戻って、ゲの兵の待機所に潜入して嘘の情報を流したりして村に向かわないようにしたりします。しかし、そうすると別の部隊が村に向かって今度は男だけでなく村人達や花嫁まで惨殺されてしまい失敗。さらに時間を戻ってゲの部隊に入隊して隊長を説得しようとしても逆に怪しまれて男は暗殺されてしまったり、さらに時間を戻ってゲの教祖に近付くと教祖は村から男を拉致してきて洗脳して村を焼き払わせて自害してしまったり。そして最後には国王の誕生すらも阻害して自ら国王となってゲの活動を叩き村を徹底的に保護するも今度は村長が寝返って男を殺してしまったり。どれだけ過去を改変しても男がその時に死んでしまうという世界線に収束してしまう。

さすがにこれは何かおかしいと思ったザの使いは国王になった時点で、古城の中の地下資料庫で調べ物をすると、城の地下室には地底深くまで続く穴があり、そこを降りていくと人の運命を司る『マ』の神というのがいて、全ての人間の運命、地球の運命さえもそのマの神が決めていて、それに抗う事は出来ないと言われます。そしてもし、神に逆らうならその命と引き換えに村人どころか大陸ごと海に沈めて国民全員が死んでしまうよう運命を変えてやると言って、この大陸の運命を変えてしまいました。

ラスボスはこの『マの神』で、マの神を倒すと主人公は消え、主人公だった男は新たな世界線での元の時間軸に戻っていて、過去で戦った記憶も無いまま結婚式を挙げてエンディングです。

これがエンディングの一つで、エンディングは3パターンのマルチエンディングで、もう一つは主人公が途中からゲの軍隊と共闘してラスボスを倒すパターン。これだとラスボス撃破後に世界はゲの支配下になりますが、人々は「まあ、○○(主人公)が決めた事だからいいでしょう。」みたいな事を言って、一応ハッピーエンド風ですが、元の時間に戻っても花嫁は元からいなかった事になっています。もう一つのエンディングは条件が分からず私はまだ観ていないのですが、主人公ではないゲの男がラスボスと戦っていて、ラスボス撃破後に元の世界で居なくなった花嫁を「必ず捜し出すから安心しろ」みたいな事をその男が言って終わるパターンがあるようです。

ストーリーは面白いです。でも、この戦闘のダルさに耐えるのは本当に苦痛で、何度もやろうとは思えないゲームです。

戦闘システムさえ変えたら名作といえるストーリーだと思いました。

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