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すずろ記  作者: 真波馨
4/10

3_海


 突然ですが、真波は「海派? 山派?」と質問されたら「海」と答えます。

 

 昔は即答でしたが、大人になってから山の魅力にも気付きつつあるので、現在は「どっちもいいけど、やっぱり海かなあ」といった具合です。


 真波の地元は海に面しているので、比較的海が身近な環境にあります。

 ドライブで海に行くことも多いし、何なら「初日の出」「太陽の光を受けてキラキラ輝く海」「夕焼けと海」「月の階段が映っている夜の海」「夜明け前の海」と、いろんな時間帯の海を網羅しています。

 しかしながら、真波は海に行っても泳ぐことはしません。せいぜい砂浜で貝殻を探したり波と戯れたりするくらいです。というのも、幼少期に海にまつわるちょっとした恐怖体験をしたからでして。

 でも、海そのものは好きです。波の音を聴いたり、海岸沿いを永遠に歩いたりと、数時間でも平気で過ごせると思います。



 ところで、海が出てくる物語って意外と多いですよね。


 ぱっと思いつく限りでも、文学作品なら『十五少年漂流記』『ロビンソン・クルーソー』『老人と海』『潮騒』、映画なら『パイレーツ・オブ・カリビアン』などなど。

 漂流ものはだいたい海が舞台の一部になるので、そう考えるともっと作品数がありそうです。


 真波は特に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズがすごく好きでした。中学生時代に吹奏楽部で演奏したことがきっかけでしたが、今でも時々メインテーマは検索して聴きます。最近は、Prague Cello Quartetという海外のチェロ四重奏団が演奏するメインテーマ曲がお気に入り。あのフレーズを耳にすると、ふつふつと高揚感が起きて気分もノッてくるんですよね。


 前に、「どうして自分は海が好きなんだろう」とすごくどうでもいいことを考えました。そして思考を巡らせた結果、「閉塞感と解放感」の違いかなという結論に達しました。

 真波はとにかく「自由」と名の付くものに憧れる性質なので、そういった雰囲気が漂うのが海なのかな、と。山も広大で自然の偉大さを実感するのですが、視界的な解放感といいますか、「どこまでも行けそう!」と思わせてくれるのは海なんです。真の自由なんて手に入らない、と理解する代わりに、海を眺めることでひと時の自由を仮体験している。そんな感じなのかもしれません。


 海に関して、少し前に知った素敵な知識があります。

『ジョーカー・ゲーム』というアニメの次回予告で、“人生を船旅に例えた画家がいたな”というキャラクターの台詞があります。結局そこではその画家の名前は明かされなかったのですが、気になったので後日調べてみました。すると、それらしき結果がヒット。

 

 画家の名前は、トマス・コール。作品名は『人生の航路』。


『ジョーカー・ゲーム』予告の台詞が指すのがそれなのか正確にはわかりませんが、一番近しいものを選びました。というか、これしか真波の検索技術では探し出せませんでした。


『人生の航路』は、人間の誕生から死までの人生を「幼年期」「青年期」「壮年期」「老年期」の四つの期間にわけて描いた絵だそうです。ウィキペディアで画像を見ましたが、柔らかなタッチと光の描き方が個人的に好きな作品です。『人生の航路』という名前も素敵。

 波の立たない穏やかな船旅もいいですが、時には荒波にのまれそうになり、時には漣に身を揺られる……そうやって苦楽ともに経験することで、唯一無二の人生画を残すことができそうですね。


 ごちゃごちゃと作品名が出てきましたが、もし興味を持ったものがあればぜひ読んだり観たり聴いたりしてみてください。そのどれもに、人生を豊かにするエッセンスが含まれているはずです。

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