女騎士団長殺し ~今更「んほぉぉぉぉ!!」なんて言えない~
村上先生ごめんなさい
雄大な敷地の中、王宮の片隅に居を構える『女騎士事務所』があった。
王宮を始め、地域の安全と平和を守る女騎士軍団。その頂点に立つのは頑固でお堅い女騎士団長【ヤベーナ・アヘラヌ・クソマジメ】である。
ヤベーナは女騎士軍団で密かに流行している『アヘ顔ダブルピース』に難色を示していた。
(清楚で堅実な女騎士軍団に、この様な不埒なポーズは似合わぬ!!)
ヤベーナは王宮に掛け合い『アヘ顔禁止令』を発令した。しかし禁止令とは裏腹に、アヘ顔はより一層流行りを見せた。
(認めるしか無いのか……!?)
思い切ってヤベーナは翌月の定例会の挨拶でアヘ顔を決めた。
「んほぉぉぉぉ!!」
………………
静まり返る一同。お堅い事で有名なヤベーナが目の前で真っ赤な顔でアヘ顔を晒しているのだ。全く持ってどうして良いのか分からない。
「んほぉぉぉぉ!!」
ヤベーナは恥を忍んでもう一度アヘ顔ダブルピースを披露した。その目には涙が浮かんでおり今にも泣きそうな顔だった。
「……ヤベーナ様」
女騎士軍団一の力量の持ち主【インラン・ラメェェン・ドスケベー】が一声上げた。
「ヤベーナ様、『んほぉぉぉぉ!!』はもう死語でございます」
ヤベーナは泣き出した。渾身のアヘ顔ダブルピースは既に流行遅れだったのだ。
「今は『ひぎぃぃぃぃ!!』でございます……」
…………ヤベーナはキレた
「何が違うんだコラァァァァ!!!!」
―――ザシュッ!!
思わず剣を抜いたヤベーナ。インランに斬り掛かるがそこは女騎士軍団一の力量の持ち主であるインラン。ヤベーナの剣閃を避けたインランは逆にヤベーナを斬ったのだ!!
「う、うぐぅぅ……」
―――バタッ
力尽き倒れたヤベーナ。血に塗れその姿は骸と化した。
「しまった! 女騎士団長を殺してしまった!!」
こうして『アヘ顔騒動』は幕を閉じた。
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