結婚式前日、置き手紙を置いて花嫁が逃亡しました。
結婚式前日の昼、ルイス・マクドネルは自身の机上に置かれた一通の便箋が目にとまる。
「親愛なるルイス・マクドネル様
私と貴方でゲームを致しましょう」
これは、そんな便箋1枚の序文から始まる、不器用な二人が幸せを掴むお話。
*ほのぼの、純愛ラブストーリー、そして作者の自己満小説です。
誤字脱字の特攻薬、お待ちしております。
今年で20歳を迎え、花嫁も18歳を迎えた今年、許嫁であるウィンストン侯爵家令嬢のマリーと結婚をすることになったマクドネル伯爵家次男、ルイス・マクドネル。
結婚式を明日に控えたこの日の正午頃、結婚式の段取りの最終チェックを行い終え、自室へと戻ったのだが……。
「……な、何だ、これは……」
ルイスは、自身の机にいつの間にか置かれていたある一通の便箋に視線が釘付けになる。
その字面は間違いなく、婚約者であるマリー・ウィンストン、そのものだった。
……そして、問題はその中身である。
それには、こう書かれていた。
『親愛なるルイス・マクドネル様
私とゲームを致しましょう。
ルールは簡単。 私を日没までに貴方との“思い出の場所”の中から探し出して下されば良いのです。
もし日没までに見つけられなければ、私は明日の結婚式には参加致しません。
愛を込めて、マリー・ウィンストン』
「……」
……結婚式に、参加しない? 一体何が、どうなっているんだ。
ルイスは頭を抱えた。
……たしかに、最近は結婚式の準備、ウィンストン家に婿として入るための準備などに追われていて、彼女との時間を過ごせなかったこともあり、自身の心の中でも罪悪感があったが……まさか、こうくるとは。
(……最近は、こういったところを彼女が見せなかったから、油断していた……)
そして何気なく、彼はその便箋を手に取り……その便箋の下側がうっすらと、薄く滲んでいるのが目に留まる。
それは、裏に何か書かれているからだった。
……その便箋の裏面の文字を見て、彼は酷く焦った表情を浮かべ……次の瞬間、彼は迷うことなく部屋の外へと飛び出した。
☆
彼が考えている、彼女の“こういったこと”とは、一度や二度の話ではない。
彼女は何より、幼い頃から悪戯が好きだった。
その悪戯の大体は、“かくれんぼ”だったり、高い木に登ったりして侍女を困らせる、そう言った類のものだ。
それは、10年前……ルイスが10歳、マリーが8歳の時に婚約した後でも続いていた。
ところがその行動は、ぱたりと最近は途絶えていた。
最近……といっても、社交界デビューをした15歳の頃から、彼女はすっかり大人しくなったのである。
それまで嫌いだと自負していた花嫁修行にも力を入れていた、と侍女から聞くほど、見違えた。
それは、ルイス自身も感じていた。
……夜会の際に着る、ルイスの瞳や髪と同色のドレスを纏う彼女は、気品を感じさせ、それだけでなく、年を重ねるにつれてごく自然な女性らしい色気も醸し出していた。
そんな彼女を遠目に見るのは、老若男女問わない。
……特に、男からの不躾な視線をルイスはいつも感じ取り、常に彼女の隣に婚約者として立っていた。
……そう、だからすっかり忘れていたのだ。
彼女は、幼い頃から悪戯心に溢れていることを。
(そしてその悪戯をする時の彼女の行動には、彼女の気持ちがよく表れている……)
ルイスは冷静沈着、優秀な男だったが、今日ばかりは違っていた。
家の中をものすごい勢いで走るルイスに、使用人達は何事かと慌てふためいた。
……無論、走っている彼は気が付かない。
そうしてようやくルイスは、この国の伯爵家の中でも広い屋敷の外へと飛び出すと、彼女を探すため、彼女のいそうな場所……“二人の思い出の場所”を巡って街中を走り回るのだった。
☆
「……チッ、ここでもないのか……!」
ルイスは焦っていた。
彼女の好きな城下町の店、彼女のお気に入りの場所である湖、初めてお忍びデートをした城下町の広場……様々な場所を探しているが、何処にも彼女の姿は見つからない。
体力的には問題ないのだが、時間が問題なのだ。
(日没までに、何としてでも彼女を、マリーを見つけ出さないと……!)
彼が何故マリーを見つけ出そうと必死なのか。
……それは、ただ単に婚約破棄されるのが嫌だからというわけではなく、手紙の裏面に書かれていた文のことも関係しているのだが……、それは後に分かることだろう。
そうして彼は、彼女が通っていた学園などまでも隈なく探したのだが、彼女の姿は何処にも見当たらなかった。
……絶対にあり得ないであろうが、一応彼女の家へと赴いてみよう、そう思ったルイスは、彼女の家……ウィンストン侯爵家を訪ねた。
広大な敷地を持つウィンストン家で出迎えてくれたのは、彼女によく似た顔を持つ、彼女の母親だった。
「あらあら、まぁ……」
と少し驚いた顔をした後、コロコロと笑う彼女の母親を見て、ルイスは確信する。
「……マリーの居場所、メリー様はご存知なんですね?」
メリー侯爵夫人とは、ルイスは旧知の人物である。
マリーと幼少期から親しくしていた彼は、メリー侯爵夫人のこともよく知っている。
……マリーと悪い面での性格が、似通っているところも。
そんな彼女は、ルイスの言葉に小首を傾げてみせる。
ルイスはそれを肯定と捉え、はぁっとため息をついた。
それを見たメリー侯爵夫人は、ふふっと妖艶に笑ってみせると、ルイスに向けて口を開いた。
「マリーの居場所、教えて差し上げましょうか?」
「!」
予期せぬ発言に、ルイスは軽く瞠目する。
ルイスは口を開きかけ……グッと拳を握って一礼した。
「……いえ、これはマリーと私の問題ですので、自分で必ずマリーを見つけ出します」
そう返答したルイスに、メリー侯爵夫人は扇子で口元を隠しながらクスクスと笑うと、「相変わらず生真面目なのね」と言った。
その言葉に、褒められているとは捉えなかったルイスは、思わずムッとしてしまうと、メリー侯爵夫人は再度コロコロと笑いながら、パチンッと扇子を閉じて言った。
「なら、ヒントだけでもお聞きなさいな。
……あの子は貴方も知っての通り、貴方のことがとても大好きなのよ」
「っ」
突然のことに、ルイスは不覚にも顔が赤くなる。 それを見たメリー侯爵夫人は少し笑ってから言葉を続ける。
「……あの子は、昔からよく私に貴方の話をしてくれていたわ。 いつも口を開けば、貴方のことばかり。
……そんなある日、彼女が凄く満面の笑みで帰ってきたことがあったの。
勿論、貴方がらみだとすぐに分かったし、彼女から話してくれたからその理由はすぐに分かったわ。
“今日は一番素敵な日だ、絶対に忘れない”ってずっと叫ぶほどにね」
「……! もしかして」
ルイスはハッと顔を上げる。
メリー侯爵夫人は、ふふっと笑って言った。
「思い当たる場所があるようね。
……行ってあげて。 マリーを、宜しくお願いするわ」
「……!」
それは、彼女の母親としての言葉だった。
ルイスはしっかりと頷いて礼をすると、その場を走り去る。
「……マリーもルイスも、本当に不器用ね」
と呟き、ルイスの遠ざかる後ろ姿を見て侯爵夫人はそっと微笑むのだった。
☆
どうして気が付かなかったんだ。
ルイスがそう不思議に思うくらい、マリーは絶対にそこにいるという確信があった。
……日が暮れるまで後少し。 これが最後の場所になる。
ルイスは、とある小高い丘の上に立つ古びた建物の前で足を止めた。
……それは、少し寂れた教会だった。
この教会の建物は老朽化が進み、もう少しで建て壊されると、ルイスは聞いている。
……そしてここは、同時にルイスにとってもとても思い出のある場所だった。
(……お願いだ、ここであってくれ)
そう願い、ルイスは寂れた教会の扉を開ける。
ギギギッと、今にも壊れそうな音で軋む扉を開けながら、ルイスは祭壇近くの椅子に座る、一人の女性の後ろ姿を見つける。
……それは、マリー・ウィンストン、本人だった。
ルイスは彼女がいたことに心から安堵しながらゆっくりと近付くと、何の身じろぎもしない彼女の前に立つ。 そして気付いた。
「……寝ている」
ルイスは脱力した。
……いや、待たせすぎたのは反省するが、ゲームを持ちかけた本人なのだから、もう少しで日が暮れるこの時間帯くらいせめて起きていて欲しかった。
それに、こんなところで一人、女性であるマリーが無防備に眠っているのもいただけない。
……本当なら、寝かせておいたまま帰路に着いた方が良いのだが、これはマリーとのゲームでもあるから譲れない。
起こそう、そう決めたルイスは、軽く彼女の肩を揺すった。
「……マリー」
そっとそう彼女の名を呼べば、彼女は「ん」と小さく声を漏らし、ゆっくりと顔を上げた。
……彼女の檸檬色の瞳に、ルイスの姿が映り込む。
それと同時に、彼女は目を丸くし……次の瞬間、ぶわっと涙がこぼれ落ちた。
「!? ま、マリー……!?」
マリーは、わんわんと子供のように泣きじゃくる。 いつまでも泣き止まない彼女を見て、ルイスは慌ててハンカチを取り出そうとしたが、まるでその手を遮るようにマリーはぎゅっと、ルイスの背に華奢な腕を回して抱きしめた。
ルイスはその行動に驚くが、やがてふっと笑ってポンポンと彼女の頭を撫でた。
「……驚いた。
まさか、マリーから久しぶりに、ゲームを持ちかけられるとは思わなかった。 こんなに心臓に悪い日は久しぶりだ」
「……ごめん、ごめんなさい……」
マリーはルイスの胸に顔を押し付けたまま、そう言葉を発した。
ルイスは困ったように笑い、「もう分かったから、好い加減泣き止め」と今度こそハンカチを差し出すと、マリーはそのハンカチを握りしめて呟いた。
「……怒って、ないの……?」
ルイスはその言葉にピタッと止まる。 そして、少しだけ顔を歪ませた。
「……勿論、怒っている」
「!! ごめんなさい……!」
マリーの目から、止まりかけていた涙がまた流れ出す。
ルイスはそれに気付き、慌ててマリーからハンカチを取って優しく拭った。
「君を責めてるわけではない。 ……いや、責めてる内に入るかもしれないが。
……ただ、捨て置くことが出来ない言葉があった」
そう言ってルイスは、小さく折りたたまれた手紙をマリーに差し出す。
……それは、ルイスの机上に置いてあったゲームを持ちかけた手紙そのものだった。
ルイスはその裏面に書かれていた内容を、マリーに見せながら呆れたように言う。
「……何なんだ、この裏面の文は。
“好きでないのなら探さないで下さい”?」
悪戯……ゲームのことは最近ではなかったが、いつものようにあったことなので慣れている。 それを許すにしても、ルイスには譲れないものがあった。 それが、ルイスが言う“裏面の文”である。
まさか婚約者に“好きでないのなら”と言われるとは、ルイスは思っても見なかったのだ。
だからこそ彼は怒ったのだが、そんな彼を見たマリーは声を上げる。
「! だ、だって……! これにはちゃんと、ワケがあるんだから!!」
急に大声を出したマリーに、ルイスは驚いて少し後ろに退く。
マリーはふるふると肩を震わせ、泣きながら怒る。
「ルイスが本当に、私を好きか信じ難かったんだもの……。
好きだと、はっきりと言ってくれたことは数えるくらいしかなかったけど、いつも会いに来てくれていたからそれで私は良いと思ってた。
……だけど最近は、ルイスはあまり会いに来てくれなくなって、顔を見る回数も減って……ルイスが忙しいことはわかってた。
だから、我儘を言わずに我慢していたけど……」
チラッと、マリーはルイスの顔色を伺い見る。 それに気付いたルイスは、黙って話を続けるよう促した。
マリーはそれを見て、そっとルイスの手を握ると俯きがちに口を開く。
「周りの……女学校のお友達とお話をしていたら、その……周りの子達は皆、いつも彼から愛情表現をたくさんして貰っている、といったような内容を聞いてしまって……。
普段は周りと比べることなんてないのだけど、ただ最近、ルイスと顔を合わせる時間が減って、だから……」
「……寂しい思いを、させていたんだな」
それまで黙って聞いていたルイスが、ポツリと呟いた。
マリーはその言葉にハッとして、何か言おうとしたが、うまい言葉が見つからず、首を小さく縦に振った。
そんなマリーを見てルイスは目線を合わせるため、マリーの手を握ったまま片膝をついた。
驚くマリーにルイスは言う。
「……何となくことの事情は分かった。
だけど、こんな無茶はしないでくれ。
……明日で漸く、君と結婚が出来ると思うと、俺は嬉しくてたまらなかったのに、急に婚約破棄と言われたら、俺は」
「え、ちょ、ちょっと待って頂戴!!
え、えと……ルイスは、その、私のことが……」
分かりやすく顔を赤くするマリーに、ルイスは笑って見せると、握っていた手を少し持ち上げて……軽くマリーの手に口付けた。
そして、パクパクと口を開閉するマリーを見て、ルイスは妖艶に微笑むとゆっくりと言葉を紡いだ。
「あぁ、愛してる」
「〜〜〜〜!?」
今度こそ、マリーは真っ赤な顔をして怒るように言った。
「ちょっ……!? そ、そんなの反則よ!!
す、好きではなく、あ、あ愛してるって……!!」
「? 事実を言ったまでだが?
……それに確かに、マリーへの気持ちを言葉にしてはいなかったかもしれないが、お前の態度は分かりやすいと、俺の友人には言われていたから、てっきり俺の気持ちは分かっているかと思っていたんだ」
すまない、そう重要なことまでもさらっと言ってのけるルイスに、マリーは勝てるわけがなく、マリーはうっと言葉に詰まらせ顔を赤くさせたまま俯いた。
その反応に、ルイスは楽しそうに笑ったかと思うと、マリーの顎に手を伸ばし、くいっと視線をルイスの方に向けさせる。
マリーはこれ以上ないほど顔を赤くさせ、その瞳は恥ずかしさからか潤んでいた。
その表情に、今度はルイスまでもが赤くなる。
マリーは少し驚いたような顔をし、クスクスと笑いだした。
「ふふ、ルイスのそう言う顔、最近見てなかったから新鮮だわ」
そうマリーが口にすれば、ルイスは拗ねたように言う。
「……俺だって、会いに行きたくなくて会いに行かなかったわけじゃない。
忙しくて会いに行けなかったんだ。
だから、寂しかったのは君だけじゃない」
「! ……ふふ、じゃあ私達一緒だったのね」
マリーの言葉に、ルイスは「あぁ」と言って二人顔を見合わせて笑う。
やがてふっとルイスは笑うのをやめ、マリーに問うた。
「マリー、君こそ俺のことをどう思ってるんだ」
「えっ……!?」
突然の返しに、マリーは驚き固まる。
それを見たルイスは、再度拗ねたような表情をして漆黒の髪をさらっと揺らした。
「……何だ、俺にだけ言わせてマリーは言ってくれないのか」
「え、いや、その……」
ルイスは、マリーだけにしか見せない、少しあどけない表情をしてみせる。
その表情に、マリーは滅法弱いことをルイスはよく知っているからだ。
案の定、マリーはあ、う、と言葉にならない言葉を暫く発していたが、やがて観念したように呟いた。
「好きよ」
そう一言、小さく呟いたのがルイスの耳には届いたはずなのだが、今度は彼に悪戯心が芽生える。
「……聞こえなかった」
「……嘘よ」
マリーはぷいっと顔を背ける。
バレた、と苦笑いをするルイスは、マリーの視線をこちらに向けようと考え……閃いた。
「……“マリー、俺はまだまだ幼くて、君をこの先沢山困らせてしまうことがあるかもしれない”」
「……!? そ、その言葉って……」
マリーは驚き、ルイスを凝視する。
ルイスはそっと瞳を閉じると、その先の言葉を紡いだ。
「“それでも、俺はこの手を離したくない。
……君は、どう思う?”」
「……!」
そこで目を開けたルイスの、エメラルド色の瞳に映ったマリーはハッと息を呑み、やがて今度はゆっくりと、マリーが目を閉じてその先を言った。
「……“そうね、私だってお転婆だし、それこそルイスを困らせるようなことを沢山してしまうと思うわ。
……こんな私じゃ、ルイスは嫌?”」
「“そんなこと、あるはずがない。
……俺は、ありのままのマリーが好きだよ。
君が好きだ、マリー。
大人になったら、俺と結婚してくれる?”」
「“こちらこそ、宜しくお願い致しますわ。
私だけの王子様”」
……そう、彼女が“大切な思い出の場所”の中でこの教会を選んだ理由。
それは、両親に婚約を説得するより前に初めて、ルイスの口からプロポーズを受けた場所なのだ。
ルイス自身も初めてのことで、その当時のことを良く覚えていた。
だからこそ、二人は当時を思い出しながら、ルイスからもう一度プロポーズしたのだ。
そうして二人は、そんな再現をして少し照れくさくなってクスクスと笑う。 そうしていると、不意にルイスがマリーの頰に手を添えた。
マリーはそれに少し驚いたが、真剣なルイスの瞳を見てそっと目を閉じる。
そして、どちらからともなく彼らはゆっくりと、唇を重ねたのだった。
……こうしてマリーが出したゲームは、ルイスの勝利で幕を閉じたのである。
☆
帰り道。
すっかり日が暮れた空には満点の星が輝いている。
「……マリー」
「ん? なーに?」
すっかりご機嫌で隣を歩くマリーをちらっと横目で見て、ルイスはふっと笑うと、マリーに向けて爆弾発言を投下する。
「今回の件について、俺は深く反省したんだ。
……君を不安にさせるほど、俺はまだ君に対する愛情表現が足りていなかったんだと」
「……え」
嫌な予感、と恐る恐るこちらを見上げたマリーに、ルイスは妖艶に微笑むと、マリーにだけ聞こえるよう、グッとマリーの腰に手を回して抱き寄せ、耳元で囁いた。
「……手始めにまずは明日の夜、マリーがそんないらないことを考えなくなるまで、たっぷりと時間をかけて、愛を囁くことにしよう」
ルイスのその言葉に、マリーは最初ぽかんと口を開けていたが、やがて彼の真意を汲み取った彼女は、みるみるうちに顔を真っ赤にして叫んだ。
「〜〜〜〜〜!? さ、さっきので十分っ……も、もう間に合ってるので結構です!!」
そう叫んだマリーの声とルイスの笑い声が、夜の空に溶けていった。
最後までお読み下さり、有難うございました…!
2019.6.5. 裏話更新致しました!
『結婚式前日、置き手紙を置いて花嫁の私は逃亡しました。』↓
https://ncode.syosetu.com/n0156fo/