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これまでを振り返ってみよう

 保健室でこれまでについて振り返ってみた。鈴木はナニをどう間違ったのか、私のことが気に入ってしまわれたらしい。半身になってくれとまで言われた。半身にってのは、魔族にとって『愛している』の最上位。身も心も、寿命すらも捧げるという意思表示。最高の愛情表現だ。


 正直、何故こうなったか考えてみた。


 とりあえず、鈴木の攻略ルートから鈴木の好みと傾向を分析してみよう。


 先ず、出会い。鈴木は色々破壊したりして、皆からビビられてしまう。気にしないヒロイン………つまり陽菜ちんになつく。

 そういや、鈴木係としてフォローしていたよ。それ、ヒロインの仕事だったよ。いや、他に適任もいなかったし担任に押し付けられ…………つまり、担任が悪いんだね!!次行こう、次!!


 そして仲良くなったヒロイン。この時点ではまだ友人。鈴木の好感度が爆上がりするお弁当イベント。不憫な弁当の鈴木に、ヒロインがおかずを分けてあげるのだ。ちなみに、選択肢がおかしかった。


・わけてあげるね

・わけない

・ほしかったらワンと言いなさい


 好感度と隠しバラメーターである魔王度が上がるのが三番目。でも鈴木の反応がとてもよかった。恥じらい、涙目でワンと言うんだよ。鈴木はゲームの時点で誰かに従いたい願望があった気がする。



 いや、そこはどうでもええわ。



 ちなみに、分けないと攻略が失敗する。鈴木、メシマズが辛かったんだな………。そこから弁当を分けてあげたり作ってあげたり…………うん。無意識に鈴木を攻略していたんじゃないかああああああああ!!


「お、落ち着くのよ、ミチル!ま、まだエンディングじゃない!!」


 ヒロインが勇者だと知っていた鈴木。魔王城にご招待するイベントはなかった。毎朝ご飯を食べて登下校するイベントもなかった。






 冷静に考えてみたら、めっっちゃ攻略していたんじゃないか?






 いやもう、攻略云々置いといて、これで付き合ってないのおかしいレベル………?登下校一緒、毎食ご飯作って………。


「ぬああああああああああああ??」


 そう考えると、鈴木は今まですごく私にアプローチしていたのでは?わざわざ私に鈴木のぶんだけご飯作ってとか…………。


「うあああああああああああああああ……」


 セクハラもふもふとか………やらかしたああああああ!!マジやらかしすぎたああああああ!!ふぎゃあああああああ!!


「………………北條さん、元気なら教室に戻りなさい」


「すいません、頭いたいので、マジ休ませてください」


 え!?マジ?いや、マジじゃなきゃ半身になってとか、流石に言わないよね!?寿命が減ってもいいから、私と生涯を共にしたいって、意味…………。

 頭がおかしくなりそう。

 いや、待て。サポート眼鏡ごときが鈴木の半身に?頭がスッと冷静になった。


 うん、無理。無理だわ。


 だって、私はヒロインじゃないもん。やだな、期待しちゃったよ。サポート眼鏡じゃ、釣り合わない。

 鈴木は勘違いしてる。たまたま私が何百回とやった鈴木ルートをなぞってしまったから好意を持っただけで、鈴木の隣は陽菜ちんみたいな子じゃないと。


「…………あれ?」


 ああ、そっか。気がつかなかったよ。私、鈴木が好きだったんだ。アイドルにキャーキャー言ってる感覚なんだと思ってた。そもそも、鈴木をどれだけ好きでも次元が違ったしね。前世を含めても、誰かを好きになったことなんてなかったし。


「…………はぁ」


 初恋は実らないとは、よく言ったものだ。隠れ攻略対象とサポート眼鏡なんて、釣り合わない。





「鈴木」


「あ、ミチルちゃん」


 くっ………そんなわんこみたいにキラキラした目で見ないでいただきたい。


「私、鈴木に相応しい可愛いお嫁さんを見つけるね!」


「……………………………うん?」


 鈴木は首をかしげた。


「鈴木はこう……勘違いしてるだけだよ!だから、鈴木の本当にお嫁さんを私が探しだす!!」


「………晃太君、どうしよう。ミチルちゃんがどうしてそんな斜め向こうの回答を導きだしたかがわからない」


「安心しろ、真生。俺もサッパリわかんねえ。だが、迷わず押せ。敵(北條)はまんざらでもない感じだ」


「うん!」


 おいこら、穂積!余計な事言うな!!


「ミチルちゃん………ううん、ミチル。俺はミチルが好きだよ。でも……ミチルも心の準備がしたいよね?だから、俺と賭けをしよう」


「か、賭け?」


 あの、耳元でイケボは卑怯ってか、呼び捨て!?うあああああああ!尊み秀吉いいいい!!ありがとうございます!ゴチになりました!!とってもおいしいです!!


「そう、賭け。ミチルが花嫁候補を連れてきて、俺が気に入らなかったらミチルが俺の花嫁になるの。ね?これならミチルも納得でしょ?」


「え?」


 納得?そうなの??


「ミチル、はいって言いなさい」


「は、はい……………」


 鈴木に耳元で言われて頷いてしまい………流されるままに契約までしてしまった。契約内容を冷静になってから読み返し、私は叫ぶしかなかった。


「鈴木いいいいいいいいい!??」

開き直った鈴木が強い件www

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