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サポート眼鏡と元老院

 鈴木がやたらグイグイ来るので死にかけたが、目的を忘れるわけにはいかない。鈴木と元老院と呼ばれる人達の元へ挨拶に行くことになった。今日の私の装備(メガネ)は鈴木が作った眼鏡様だ。これで視れなかったら、ほかの眼鏡でも無理だろう。


「ミチルちゃん、どうしたの?」


「なんでもない」


 少し緊張したが、首を振って気合いを入れる。そして、貴賓席なのだろう。御簾みたいなもので仕切られた場所に、元老院のメンバーは居た。


「ふむ、そなたが真生の婚約者か」


「はい。北條ミチルと申します」


 臭い。

 あれだ。加齢臭とかじゃなく、香水臭い。鈴木もさっさと退散したいみたいだ。臭いのは辛いが、鈴木の婚約者を装ってまでこの場に来たのだ。なんの成果もなく帰るわけにはいかない。


 コッソリと眼鏡☆スキャンを発動する。鈴木すらも見通す眼鏡は、キチンと働いた。


「ヒッ!?」


 え!?く、腐ってる!ゾンビ!?


「ミチルちゃん?」


 鈴木にビビってちゃっかり抱きついてしまった。いや、アクシデント!わざとじゃない!!


「その娘は看破系スキルの持ち主か。だが、好奇心は時に身を滅ぼすぞ!!」


「め、眼鏡☆シールド!!」


 エグいよー、グロいよー、怖いよおおお!触りたくなくて、シールドを展開した。


「ミチルちゃんに何すんだ!」


 鈴木がゾンビを蹴り飛ばした。ぎにゃああああああ!?


「眼鏡☆」シェア!!」


 説明しよう!北條ミチルはお手手の眼鏡を対象者にすることで、看破系スキルをシェアすることができるのだ!つまり、鈴木にはジジイゾンビが見えている。


「うわっ、気持ち悪っ!!オウルド、除菌!!」


「はい!!」


 秘書眼鏡により、鈴木の靴が燃やされた。除菌というか燃焼……と思ったが、鈴木の靴には焦げひとつなかった。すげえ。


「うーん、面倒だから魔法で城ごとブッ飛ばしちゃおうかな?触りたくないし」


「やめてください!」

「やめようか、鈴木!」


 城が壊れたら困る人たちがいるからね!そんな会話をしながら、スキルを作動する。


「眼鏡☆封印(シール)!!」


 スキルで幻惑やヤバげなスキルを次々と封じていく。眼鏡様のおかげで、本来なら格上であるジジイゾンビにも問題なく封印ができている。


「煉獄の炎を、いまここに!…………………!??貴様、何をした!」


 なんかカッコよさげに魔法を使おうとしたら、発動しなかったらしい。ヤダー、恥ずかしーい。もうお手手の眼鏡をする必要はない。幻惑が解除され、パーティー参加者が悲鳴をあげた。


「くっ……ならば、自らの肉体で戦うのみ!」


 腐った腕で無茶すんなよ!折れる!いや、飛び散る!! 眼鏡☆スキャンで読もうにも、チョロチョロされると読みにくい。


「鈴木、足止めして!」


「うん、わかった」


 鈴木はちょいっと手を動かした。すると、全員倒れた、というか……地面にめり込んだ。


「重力をいじったよ。こないだ先生から重力について授業で教わったでしょ?だから応用してみたんだ」


「Oh…………」


 物理教師も、まさかこんな応用をするとは思わなかっただろう。やけに熱心に聞いているなぁとは思っていたが、まさかこんな使い方をするとは………鈴木すごい。地面にめり込んだジジイゾンビはまったく動けない。力というのは、姿勢に左右される。この状態では十分に力を発揮できないだろう。

 さらに鈴木の眼鏡様のおかげで強化されたのでジジイゾンビのスキルはすべて封印されており、打つ手なしだ。


 さてせっかく相手の動きが止まったのだ。遠慮なく見せていただこう。


「どれどれ……」


【剛腕のザード】

 種族:熊族アンデット

 状態:隷属の楔(アンデットとして甦る対価に、蘇生させた者に服従する。誓約を破れば、直接魂にダメージ)


「小娘……………殺せ。いや、殺してくれ。もう、目的は果たした。主のために、働いた…………頼む。もう同胞を殺したくない」


「んんん………」


 サポート眼鏡はあくまでもサポートスキル。こういった魔法を解除したりはできるが、調整したりは……できるかなぁ。陽菜ちんのスキルなら……と考えていたら、ゾンビが白骨になってしまった。


 この中に、元老院を影で操るものが居たのだろう。大した情報も得られなかった。


「鈴木……ごめんね」


 鈴木の魔王化阻止の情報……得られなかった。


「え?俺はミチルちゃんが俺のだって宣伝できたし、可愛く着飾ったミチルちゃんが見れたから大満足だよ」


「鈴木いいいいいい!?」


「ええ。今回の件で、真生様に相応しいのはミチル様であると示せました。あの元老院を相手に、真生様との素晴らしき連携……誰もが認めざるを得ないでしょうな!」


「秘書眼鏡えええええ!?」


 そして、ようやく気がついた。パーティー参加者達が、バイト先のコボルト君達並みにキラキラした瞳をこちらへ向けていたことに。


「す、鈴木いいいいいい!??」


「ミチルちゃん、責任をとって幸せにするからね!」


「鈴木いいいいいい!??」


 こうして、私はよくわからんうちに鈴木の婚約者として魔族の上層部に認められてしまったのだった。

すいません、遅刻しました。

原因は、リアルの忙しさと寝ちゃったからです。気がついたら朝でした( ̄▽ ̄;)

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