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いいか悪いか、とても微妙

 誘拐されたりもしたけれど、無事穂積家でお疲れ様パーティーをした。穂積がしこたま作ったごちそうはどれもおいしい。はうう……ぶり大根最高………大根からじゅわっと汁がね!おにぎりはシャケやおかかが多い………いや、全体的に魚料理が多いな。よく見たら猫族専用コーナー(薄味らしい)まである。穂積は猫派だった……いや、犬妖精専用コーナーもあるからマメなだけか。


「ふかもふー」


「遊ぼー」


「何しますにゃ?いやあ、ホズミ様のお子さんはお利口ですにゃー」


「また、とらんぷしますわん?そうですわん!この間なんて、お皿洗いをお手伝いしてくれましたわん!」


「にゃんと!にゃんとえらいのにゃ!」


 穂積家のちみっこ達は、いつの間にか猫族と犬妖精達のアイドルになっていたようだ。べた褒めされて照れている。可愛いに可愛いを足すと可愛い。とりあえず写メしておいた。さりげなくブラコンでシスコンでリア充な穂積が立派なカメラ(お父さんの形見)で連写している。


「ほら、こぼしてるよ。あ、こら。ちゃんとお野菜も食べようね」


 藤堂がいつの間にか……ヤリ(トライアングル音)から保父さんにクラスチェンジしている。


「あいつ、最近ウチに入り浸ってるんだわ」


 いい写真が撮れて満足した穂積が寄ってきた。どうやら恋人で埋めていた寂しさを、穂積家で埋めているらしい。穂積家のちみっこ達もなついているし、問題無さそうだ。


「れおん君のお嫁さんになってあげるね」


「ありが「お兄ちゃんは許さんぞおお!!」


「いや、センパイ……幼稚園児ですよ?」

「いや、俺は陽菜が幼稚園児の頃から好きで、結婚の約束をして、今婚約している。可能性はゼロじゃない!!」


「えええええ………」


 穂積にシスコン見苦しい、陽菜といちゃついてろとあしらう藤堂。仲がいいな。


「まあ、二人で女装しながらイロイロしてたし、晃太は面倒見がいいからねぇ」


「ヒッ!?」


 背後からにゅっとむっちゃんが出てきた。心を読まないでいただきたい。


「ミチルの考えぐらい、わかるわよ~。それよりぃ、面白そうな事になってるじゃない?」


「……………………ちくせう」


 むっちゃんの視線の先では、何故かチーティスさんと鈴木が争っていた。


「ミチルちゃんには俺が持っていく!」


「いやいや、ミチル様にはミチル様の配下になった、このチーティスが持っていきます!」


 そもそもチーティスさんを配下にするなんて言っていません。


「ミチルちゃん、食べたがってた里芋の煮付けだよ!」

「いやいや、ミチル様!こちらの揚げ出し豆腐が食べたいですよね!?」


「両方食べます」


 だから無駄に張り合わないでください。穂積の煮物は今日も絶品だなぁ(現実逃避)

 お次は飲み物?そもそも私、自分で持ってこれるからね??


「ぐふっ……」


「ちくせう」


 むっちゃんが笑ってるのが地味にムカつく。むっちゃんの弱味を握ってやるぜと眼鏡を発動したら、好感度確認なる謎の項目があった。


【そなたとは友情で結ばれておる】

【天堂蓮が気になっておるようじゃ】


 何故某有名手強いシミュレーションの占いじじいなのじゃ………?どうも私への好感度と、好感度が一番高い人間との状況が出るらしい。


「………天堂蓮が気になっておるようじゃ」


「!??ちょっ!み、ミチルのバカ!見たわね!?だ、だって可愛いじゃない!普通よ!あんなに可愛かったら気になるのは普通だわ!!」


 思ったより好感度が高かったようじゃ。むっちゃんはやたらアワアワしながら逃げていった。上手くいくといいね。ちなみに蓮ちゃんも気になっておったぞ。

 穂積は………?


【そなたとは友情で結ばれておる】

【姫宮陽菜と愛し合っておるぞ】


 おお………流石はバカップル!後日見たら『結ばれておる』になっていた。え?大人の階段のぼっちゃった??その日、かなり私が挙動不審になりました。


 鈴木は……?





【そなたのことを愛しておるようじゃ】





「みぎゃあああああああああああああ!!」


「み、ミチルちゃん!?」


「眼鏡が………眼鏡がああああああああ!!」


「………ミチル、あのラピタごっこか?」


 陽菜ちん、それはピカタみたいだよ。そして、それを言うなら眼鏡じゃなくて目。


「鈴木、この眼鏡おかしい!」


「……………壊れてないみたいだよ?」


「いや、今まで鈴木をスキャンすると眼鏡は割れるんだよ!!」


 ドラゴンなボールの戦闘力を計測する機械並みに弾け飛びます。だけど、レベルが上がるから百均眼鏡でよくやってたんだよ。鈴木のくれた眼鏡ならイケるかと魔が差したのが悪かった!


「………何を見たんだ?」


「う………」


 絶対今、顔が赤い。そして、鈴木が青い。



 青い??



「みみみみミチルちゃん、ナニを見たの!?性癖!?ミチルちゃんにナニをしたいかとか!?」


 鈴木は必死だが……超☆眼鏡はそんなピンポイントな情報を見られるスキルでは………いや、鈴木の眼鏡様なら出来るかもしれない。


「おい、あまり揺さぶるとミチルが死ぬぞ」


「ご、ごめん!!」


「とりあえず、性癖なんかは見てない。陽菜ちん!相談に乗って!」





 蓮ちゃんも来てくれました。スキャン結果を話したところ、二人は予想外の反応を返した。


「ああ、気づいてなかったのか?」


「あの……かなりあからさまにアプローチしてましたわよ?」


「鈴木いいいいいいいい!??」


 私以外には大変わかりやすかったそうです。嘘だ!嘘に違いない!!眼鏡が壊れているんだああああああ!!と転がる私に、陽菜ちんは言った。


「ミチル、現実を見ろ。奴はミチルの鼻眼鏡すらも受け入れた男……あれ以上の優良物件は多分ないぞ」


 納得してしまった自分がいた。

さて、ついに鈴木の一方的な想いに気がついたミチル。どうなることやら(笑)

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