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合流したら面倒なことになりました。

 敵を鈴木が雑に転移させた後、涙と鼻水で顔をグシャグシャにしたチーティスさんが現れた。


「ミチル様ごめんなさいミチル様ごめんなさいミチル様ごめんなさいごめんなさいもうしませんごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃ!!うわああああああん!!死ぬ!殺されるだけならまだいいけど、真生様からありとあらゆる苦痛を与えられてから殺されるううう!!」


 鈴木にしこたま叱られたのか、完全にパニックを起こしてるぅ!


「え?そんなこと、鈴木はしないよ!ね、鈴木!」


「え?…………うん?」


 その間が気になるが、言質は取った。チーティスさんは絶望したような表情になっている。なんでだ。


「この私が……遅かった……だと?」


 なんかこう、速さにこだわりがある某アニメキャラみたいなセリフですなぁ。


「ああああああ、もうだめだ!せめて挽回しようと思ったけど、何もかもが遅かったんだああああああ!!うわああああああん!!ミチル様、殺して!殺してください!!ミチル様なら見せしめに嫐ったりせず、一撃で殺してくれますよね!?」


「いや、だから大丈夫だって」


 さっきまでの会話を聞いてなかったのか、チーティスさんは必死だ。やめて。ナイフを握らせないで。そもそも私の力じゃ、チーティスさんに傷もつけられない。そう言ったら、事態をややこしくする人がいた。


「斬ればいいのか?」

「斬るなああああああああ!!」


 陽菜ちんが本気だしたら確かに死ぬわ!でも、今死なせる意味がわからんわああああああ!!


「陽菜、話がややこしくなるからこっちに来い」


「いいのか?私としては、晃樹を危険な目に合わせたので仕置きをしたかったのだが」

「やめて、陽菜ちゃん!僕そんなのは望んでない!!」


 晃樹君が泣いた。ガチ泣きだ。


「陽菜……晃樹を泣かすな。そして、メシ抜きぐらいで許してやれ。晃樹もいいな?兄ちゃんも今回についてけっこうガチで怒ってるから。チーティスさんはお前が拐われた報告をしなかった件についてなあ!!」


「みにゃあああああああああああ!!アバババババハ!!」


 ああ、うん。そらアカンわ。しかし、チーティスさんを視たら状態異常『恐慌』になってるし。恐怖より上の異常だよねぇ。まさかの四天王が……これ、どうやって落ち着かせたらいいの?


「おみゃーが助かる方法が一個だけあるにゃ」


「にゃんですか!?にゃんでもします!!」


 チーティスさん、もはや猫?あ、猫科だからいいのかにゃ?そしてチーティスさん、四天王のプライドは??うちの猫妖精(にゃんこ)に土下座してまで??というか、そもそもチーティスさんが死ぬ必要はないよ??




「ミチル様に忠誠を誓うにゃ!!ミチル様にゃら、困った弱きモノを見捨てられにゃいのにゃ!!」




 いや、桔梗たんや。君は私をそーゆー目で?いやいや、意味わからん。チーティスさん、四天王。私より強いからな?私の眼鏡が特殊なんであって、ガチでやったら死亡フラグだからな??





「その手があったあああああ!!ミチル様、なんでもします!!従います!!配下にしてください!真生様の怒りをどーにかしてくださああああああい!!」




 見事なスライディング土下座をかましながら足にすがられる。


「ミチルちゃんの足に触らない」

「はいすいません反省してます!!」


 いきなり背後に鈴木がいてビビった。さっきのほっぺちゅーもチーティスさんのインパクトで薄くなったので……まあ、許してあげようかな?


「鈴木、チーティスさんには穂積が罰を与えるみたいだから拷問や罰は無しで!あと、忠誠を誓う必要はないです!チーティスさんは私の友人ですから!!」


「ミチル様、ユージンてなんですか?」


「鈴木いいい!?」


「魔族はこう……上か下かだから、対等な友人関係はほぼないかな。友人自体が一般的じゃないね」


 鈴木や蓮ちゃんは人とも関わるので知っているが、魔族は知らないものもいるだろうって言われたので、友人について説明した。


「ありがたき幸せえええ」


 絶対に理解してないな。でも晃樹君へのお詫びは考えといてもらおう。


「ねえ、ミチルちゃん。あんまり馬鹿(チーティス)にばかりかまってたら……拗ねちゃうよ」


 鈴木かわゆす!可愛さの中にも色気があって……鈴木……流石は我が推し!


「わかったよ!鈴木にかまうね!!」


「ミチルお姉さん、鼻血鼻血!」


 おう、鈴木が可愛すぎて鼻血が……。陽菜ちんがすぐに止血してくれました。流石は勇者様です。


「ミチルちゃん、鼻血止まったしかまって!」


「ぐあ!?」


 す、鈴木に背後から抱きしめられている……だと!?しかし、かまえと言われても……どうしろと??


「よ、よしよ~し?」


 とりあえず桔梗にするみたいに撫でてみた。


「えへへ」


 鈴木ははにかんでいる。コマンド?

・さらに撫でる

・ほっぺをプニプニする

・スリスリしてみる⬅


 いやいやいやいや!!やべえええ!!鈴木の可愛さで犯罪者になるところだった!!


「真生様がすっかりご機嫌に……ミチル様は命の恩人です……」


 なんか、チーティスさんで冷静になった。背後で鈴木が舌打ちしてた気がするけど、気のせいだよね?鈴木は舌打ちなんかしないよね??

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