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眼鏡☆新たなるステージへ

今回、前半はミチル、後半は穂積視点となっています。

 皆様、こんにちはあるいはこんばんは。北條ミチルです。現在、久しぶりに誘拐されたなう。いやあ……油断した。

 最近はチーティスさんとかエレフォードさんがいたから、良からぬ輩も居なかったのよ。そして、今日は皆お疲れ!穂積家が無事でよかったパーティをする予定だったのです。相手はある程度こっちを調べていたのか、人質を盾に全眼鏡を没収されてしまった。つまり、今の私は眼鏡なし……役立たずミチルです。


「ごめ、ごめんなさい……ミチルお姉さん……ぼくがつかまったから………」


「いや、悪いのは誘拐犯だからね」


 泣きじゃくる晃樹君(穂積の弟)には悪いが、どうも奴らの狙いは私らしいから、むしろ晃樹君が巻き込まれたのだと思う。

 ちなみに今日の護衛はチーティスさんでした。ねずみのオモチャに引っかかりやがりました。絶対鈴木にチクってやるんだからああああ!!


 とりあえず、チーティスさんが一日一回タンスの角に小指をぶつける呪いをかけながらも頭をフル回転させる。奴らは、一つだけ失敗をした。まさか、その失敗が計画全体をひっくり返すとは思っていないだろうな。私もやりたくはないが、仕方ない。


「晃樹君、そこの袋を取ってくれる?」


「あ、うん」


「そして、それを私に装着させて」


「……………………………え?」


 晃樹君がキョトンとしていた。かわゆす。








 一方その頃、穂積家。絶対運の値が低い穂積は、怒る鈴木真生氏に戸惑っていた。そんな穂積視点になります。

 チーティスさんから、北條が誘拐されたと聞いた。お疲れパーティの買い出し途中で拐われたらしい。


「で?」


「でででですからぁ………ミチル様が誘拐されました……」


「で?」


 多分、チーティスさんには真生の意図が伝わっていない。真生の怒りが爆発する前に、俺が伝えてあげることにした。


「チーティスさん。真生は、拐われたなら草の根分けてでも探せと言いたいみたいだよ」

「そうだね。流石は晃太君。それから、探すだけでなく拐った馬鹿を血祭りにあげろって意味だよ、この無能!!ねずみのオモチャにひっかかるとか、猫にも劣るんじゃない!?俺に殺されたくなきゃ、死ぬ気でミチルちゃんを探してこいやあああああ!!」


「にゃああああああああああ!!」


 そして、走り去ったチーティスさん。


「あにょ~、アチシ……にゃんとにゃくミチル様の居場所、わかるにゃ」


「ナイス、桔梗!晃太君、俺ミチルちゃんを迎えに行ってくる!」


 たまたま手伝いで残っていた桔梗は北條の使い魔なので、北條の位置がなんとなくわかるらしい。ちなみに小文吾はおつかい中で不在だ。

 ガチでチーティスさんは猫(正確には猫妖精)に劣っている気がしてきた。いいのか?四天王。

 とりあえずチーティスさんが桔梗に劣るかは置いといて、鈴木単体で行くと血を見る気がしたので陽菜に声をかけた。


「ひ、陽菜!!お前もついてけ!つうか、俺も連れてけ!!」


 鈴木が大暴れしそうな予感がする。陽菜は場合によって頼りにならないので、俺が全力でフォローしようと思った。




 北條が捕まったのは、町外れの廃病院らしい。広いし、悪事を働くにはうってつけだな。


「ミチル様の気配は、あっちにゃ」


 さっきから、やたらとかすれた笑い声が聞こえてきて怖いんだが。そして、真生が真顔で黙っていてさらに怖いんだが。いっそ叫んでしまいたい。真生はここだと叫べば、北條は出てくるんじゃなかろうか。


「兄ちゃん!!」


「晃樹!?」


 そんな事を考えていたら、弟の晃樹が俺に抱きついてきた。晃樹も一緒に……いや、晃樹を人質にされたから、北條は捕まったんだろうな。チーティスさん、うちの弟はアウトオブ眼中か?一ヶ月食事削減の刑に処してやると決めた。


「に、兄ちゃん!ミチルお姉さんが、ミチルお姉さんが…………」




「メガ☆ビーム(笑)」




 敵と戦う北條ミチルは、何故か鼻眼鏡をしていた。あのパーティネタ装備なアレだ。よく百均のダイゾーで売っているアレだ。えっと、アレ!鼻眼鏡!!


「ミチルお姉さんが女子力と引き換えに戦ってくれたんだ!!」


「ああ…………うん」


 確かに、女子力がもんっっっのすごく低下しそうな装備だな。でもあいつ、めっちゃ楽しんでないか??ノリノリでモンキーポーズしながらビームを撃ってるぞ。そして、当たると爆笑するらしい。動けなくなるレベルの大爆笑だ。

 しかも、地味にキッツイらしく、痙攣しながらも笑いが止まらない奴もいる。地味だが恐ろしい。


「鈴木、ミチルが後で後悔するから、ここは私達に任せてくれ」


「ミチルちゃん…………素敵…………」


 陽菜が北條を気遣った。確かに、あの姿は女子として終了している。鼻眼鏡姿で変なポーズを取りながら敵を強制的に笑わせ、戦闘不能にしている北條。そんな北條(アホ)を恍惚とした表情で見つめている鈴木(バカ)。お前は北條ならなんでもいいんだな!正直、お前の愛を甘く見ていたよ!!


「………流石だな。流石は私が見込んだ男だ。鈴木、ミチルを頼んだぞ」


「うん!ミチルちゃんの敵を皆殺しにすればいい?」

「「すんな」」


 つい俺まで素でつっこんでしまったわ。笑顔でなんちゅーことを言いやがる。そして、敵をひたすら笑わせていた北條(アホ)がフリーズした。どうやら俺達の声が聞こえたらしい。


「そこに……鈴木真生君というナイスガイが……いらしたり、しませんよね?」


 嘘だと言ってくれ、と北條の声が告げている。どう誤魔化そうかと思案していたら、真生が動いた。


「声だけでわかってくれたの?ミチルちゃんを助けに来たんだけど、流石はミチルちゃんだね!一人で晃樹君を守りながら戦うなんて!後は俺に任せてね。犯人は魔族みたいだから、二度と逆らう気なんて起こせないようにしておくから!」


「え、うん」


「その眼鏡、変わってるね。俺、やっぱり普段のミチルちゃんが好きかな。うん、よく似合うよ」


 真生はどこからか取り出した眼鏡を、鼻眼鏡と交換してやった。後で聞いたら、北條へのプレゼント眼鏡だったらしい。度も調べたそうな。

 北條は、真っ赤になってフリーズしていた。真生の距離感はおかしい。多分あまりの至近距離に驚いたのだろう。真生は北條の頬を撫でると、倒れている男達を次々とどこかへ転送した。


「じゃ、ちょっとシメてくるね」


 そう言って、真生も消えた。


「ミチル、大丈夫か?」


「へ?陽菜ちん……………大丈夫じゃない!鈴木の睫毛が長かったってか、いい匂いしたってか…………なんかほっぺたにちゅーされたあああああ!!」


 距離が近いどころか、触れていたらしい。北條は鈍いから、このぐらいしないと気がつかないと思っていたら、奴は斜め上だった。


「はっ!魔族的挨拶なのかな!?」

「お前、他の魔族にされたことないだろ」


 即否定してやった。俺はこの件に関しては、真生の味方だ。


「鈴木いいいいい!!ドキがムネムネなんじゃああああああ!!」


 転げ回る北條(アホ)を眺めつつ、真生よ、効果は抜群だぞと心のなかで言っていた。お前ら、絶対両想いなんだから早くくっつけよと思った。

ようやくやりたかった鼻眼鏡が書けました。超☆眼鏡は眼鏡を選ばないのです。

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