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日常に戻りまし………た?

 穂積家問題が片付いて、日常に戻りまし………た?


「ミチル様、ミチル様!」

「ミチル様、何かご命令はありませんか?」

「がっはっは!」


 何故か、学校に人魚(きんぎょ)以外の四天王が入り浸るようになってしまった。解せぬ。

 つか、ずっと笑ってるけどエレフォードさんはナニがしたいわけ?


「全員、下がれ」


 おお、流石は鈴木!我が推しメン!!


「ミチルちゃんから命令してもらうのは、俺なんだから!」

「鈴木ぃぃぃぃぃぃぃ!??」


「ナニを言っちゃってるワケ!??命令なんかしないっつの!お願いぐらいはするけど!!」


「え~」


 不満そうにするでない!可愛いな!


「もう北條が魔王でいんじゃね?」


「確かに」


 いちゃつきながらも爆弾を投下してきたある意味新婚みたいなラブラブカップルに異議を申し立てた。


「よくないから!このラブラブカップルが!」


「……それは罵倒なの?」


 多分違う気がする。苦笑するむっちゃんによしよしされた。あ、仕事を思い出したわ。


「秘書眼鏡~」


「はっ!」


「猫族と鼠族と妖精族の畑はどんな感じ?」


「ミチル様の狙い通り、とても順調にございますよ。(ピンイン)族も入れたおかげで、特に熊族と妖精のやる気が凄まじいですね」


 正直、穂積家の事件が終わってからやってもらうことがなかったので、熊や獅子、虎族は弱い種族の警護や力仕事。鼠や猫は器用な種でもあったので、牧畜や農耕をさせてみた。

 魔法があるこの世界、牧畜はまだこれからだが、農耕は大成功だ。


「あはは……貨幣については?」


「連日こんびには売り切れです。需要に供給が追いついておりませんが、徐々に貨幣での買い物が定着しているようです」


 作った野菜を加工して、コンビニもどきを作ってみた。貨幣のみで売る店。あらかじめ値段がわかりやすく記載され、変動も少ない。大繁盛しているらしいので、二号店もオープンすべきかな?

 わりと店主の気分や種族的好き嫌いで苦労しているらしく、こういう店が増えるといいな。


「しかし、ミチル様は天才ですね」


「いや?凡人ですよ」


「今、ミチル様効果でうちの領地全体が潤っているんですよ。さらに、我が領に冒険者ギルドが建つかもしれません」


 私は首をかしげた。


「冒険者ギルドには何も働きかけてませんよ?」


「いえ、ミチル様の計画により、治安が大幅に改善しました。のみならず、魔族が貨幣を得るために冒険者ギルドへ行くようになりました。我らが領に冒険者ギルド建設の話が来たのはそのためです」


「ふーん」


 とりあえず、悪い方に転んでないならいい。あれ?ちょい待ち。


「じゃあ、虎とか獅子族は自分で猫缶が買えるんじゃない?」


 なぜ彼らはいまだに私に従っているんだろう。魔石を換金すれば、猫缶買い放題だ。


「……………………」


 秘書眼鏡が視線をそらした。魔力マネー(電子マネー的なもの)や、貨幣価値がいまいちわからず、コンビニでもそこで手間取るらしい。


「学校でも作るかなぁ……大人のためのお金講座的なやつをやるとか」


 すでに子供の学校は作った。いろんな種族の風習なんかも学べるので、私もたまに参加している。講師もやる。


「資料を作るから、講師を選抜しといて」


「はっ!」


 秘書眼鏡が消えた。与えた仕事を遂行しに行ったようだ。


「ミチル様、私は?」


「チーティスさんは………」


 思いつかない。なんかあったっけ?


「チーティスさん、お買い物できましたよね?」


「ミチル様の荷物持ちしてましたから、できますよ。簡単なものなら。魔力マネーはまだ自信がないです」


「同僚または部下を誘って、お買い物の仕方を実践で教えてください」


「は~い!」


 チーティスさんも消えた。二人とも、四天王の仕事は大丈夫なんだろうか。

 ちなみにエレフォードさんは護衛だからと帰ってくれなかった。せめて廊下にいてくださいとお願いした。


「ミチルちゃん、俺には?俺には??俺もミチルちゃんから命令されたい!」


「え、だから命令はしないというか………ちゃんと授業を受けようか?」

「そーだぞー、北條。今授業中だからな?お前普通にゴッツい魔族さん達と会話してたけど、授業中だからな??つうか、お前いつの間に魔族のボスみたくなっちゃったの?お前、本気で進路をどうする気なの??最近、学校に北條ミチルはどんな人間かって問い合わせが殺到してるんだけど、ナニをやらかしちゃったの??」


「あっはっはっは…………すいません、先生!!」


「放課後、生徒指導室に来なさい」


「へい、喜んで!」


 ちなみにさっきまで一緒にしゃべっていた鈴木はスルーされた。なんでか後で聞いたら、魔王候補を生徒指導室で叱る勇気はないらしい。ヘタレだ。






 放課後、生徒指導室で事の顛末を話したら、担任から深い深いため息が出た。


「お前………本当に何になる予定なの?魔王??」


「いや、魔王はちょっと。とりあえず、弁護士ですかね?」


 超☆眼鏡のおかげで、全教科満点です。司法試験も余裕だろうなぁ。


「予想外にまともな進路だった!!」


「それで、人と魔族のかけ橋になれたらと思います。魔族の相談役としても、弁護士資格はあって損はないかと」


「予想以上にまともな進路だった!!」


「……先生は私をなんだと思ってるんですか?」


 担任にイラッとしつつ、ついでに進路希望調査書を出した。そういえば、鈴木はなんと書いたのだろうか。


「ちなみに、鈴木はもう出してます?」


「リア充爆発しろ」


 担任から、進路希望調査書を渡された。リア充?なんの話?


進路希望調査書 鈴木真生


1・ミチルちゃんの婿

2・ミチルちゃんの片腕

3・ミチルちゃんの部下


「鈴木ぃぃぃぃぃぃぃ!!」


 私が鈴木を探しだし、書き直しを命じたのは仕方ないと思う。命じられた鈴木は、とても嬉しそうだった。解せぬ。

ちなみに、書き直した進路希望調査書


1・公務員

2・魔王補佐

3・冒険者


コンセプトは、ミチルを養える男です。

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