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キャピキャピしている男子会

穂積視点になります。時間軸も戻ります。

 北條が出した最終案は、複数の人間から助力を乞うものでかなり手の込んだ嫌がらせだった。


「もっちろん、穂積にも活躍してもらうからね。まだ情報が足りないから、鈴木んちの諜報部隊借りていい?ママンにもお願いしとくわ」


「いいよー」


 待て、お前ら。

『鉛筆かして』

『うんいいよ~』

みたいなノリで諜報部隊を借りるんじゃない!


「い、いいのか?鈴木…」


「大丈夫。彼らも美味しいご飯のためなら死力を尽くして働くよ」


「そっちの心配はしてねぇから!」


「あ、ママン?さっすが話が早~い。うん、うん。よろしくね~。穂積、ママンの部隊と鈴木んちの部隊が確実な情報を持ってくるまで数日待ってね。でも、その間穂積家をずっと鈴木んちに居させるわけにはいかないよね?小学校とかもあるし」


「うちから護衛を出すよ」


「桔梗と猫族も居ればどうにかなるかな?」


「じゃあ、桔梗と猫族で手に負えない場合はうちの四天王に連絡させるとか」


 スゲー。うちの家族、四天王に護衛されちゃうわけ?


「四天王?豪華だね」


「チーティスとかエレファスは居ると備品壊すから、たまには役に立ってもらわないと」


 四天王のうち二人は、普段役立たず扱いらしい。大丈夫か、四天王。


「お二人にもヒーロー教育が必要ですかねぇ?」


 そんな北條は、俺にとんでもない仕事を持ってきた。


「むっちゃんに女にしてもらいなさい」


「………は?」


 無意識にケツを隠す俺。睦があからさまに嫌な顔をした。


「ちょっと、ミチル……誤解を招く発言はやめてよ。アタシは晃太の尻に興味ないから」


「………尻?…………!?ち、ちが、違う!違うから!!」


 とりあえず、俺の尻ピンチではないらしい。しかし、やはり俺の尻ピンチになるかもしれないミッションだったのだ。


 俺への指令は女装して奴を誘惑すること…だった。意味わからん。


「女装の必要は無いだろ!他に適任がいるだろ!!」


「…穂積がやらないと陽菜ちんに依頼します。演技に不安があるけどしかたな「喜んでやらせていただきます!!」


 陽菜に腹芸は無理だし、何より陽菜が俺以外にベタベタするなんて許せん!


「じゃ、むっちゃん先生、よろしく~」


「はぁい。ま・か・せ・て!」


 そして、睦による(オネエ)講座が始まった。何故か俺だけではなく、もう一人いる。


「なんで僕がこんな目に…あの地味三つ編み眼鏡女のせいだ。あいつのせいで僕の人生めちゃくちゃだ…」


 なんかブツブツ言っている。地味三つ編み眼鏡女…ピンポイントで一人思い浮かぶ。北條、お前はこいつにナニをした。


「ハ~イ、私語厳禁よ。(オネエ)の道は一日にして成らず!ビシバシいくわよ!」


「へーい」

「…うっせぇよ、カマ野郎」


「んん?…聞こえたぞ、ゴルァ。クソガキが。先輩に対する口のきき方がなってねぇなぁ」


 やべ、ブツブツ言ってた馬鹿が不用意な発言したから睦が通常運転(オネエ)から狂戦士(ヤンキー)モードにチェンジしてしまった。たまぁにヤンキー化するんだよな。中学では荒れてたし。

 あ、思い出した。こいつ、確か一年の藤堂玲音だ!女癖が悪いって有名なんだよな。

 ちょっと睦にシメてもらっといた方がいいかも。うん、頑張れ睦。ちなみに今、睦は藤堂の頭を掴んで持ち上げている。あれ、痛いんだよな。藤堂もそれなりに、頑張れ~。


「いだだだだだ!ギブ!ギブギブギブ!!すんませんっしたああああああ!!」


「ミチルにあんたの調きょ………性格矯正も頼まれているからね。あんたの行動はミチルに筒抜けよアタシの事は、先生とお呼び!」


「はい!先生!!」





 そして、女装させられる俺達。先ずは形からってことかな。


「…ブラはいらなくね?つか、女の下着をつける意味がわからん。見えない部分だろ」


「え~?いるよ!重要だよ!見て見て、先生!僕可愛い!」


「…………………」


 開き直った藤堂は女装を楽しんでいた。すげぇな、色々と。


「………そうね、コーディネートは悪くないけど、胸盛りすぎ。アンバランスだわ」


 こいつ、巨乳が好きなんだな。めっちゃ盛ってる。どんだけパット入れてんだよ。は?今流行りのスライムパッド?本物みたいな質感??いや、知らんがな。

 パッドはさておき、胸に詰めすぎて服がピチピチだ。睦が正しい。


「先生!(コレ)には男の浪漫が詰まっているんです!!」

「…浪漫じゃなく薄汚い欲望だろ」


 美化するなよ。絶対に違うだろ。つうか、弾け飛びそうなぐらいまで詰めるなよ。ボタンがミチミチいって………やっぱり弾けた。


「いやぁん」


 ヤバい。後輩がマジで女になったようだ。いやぁんってなんだ。


「ほら、百歩譲って巨乳は許してあげるけど、強調するのは下品よ。こっちを着なさい」


「は~い」


 さっきより清楚可憐で可愛い。中身は巨乳好きの女たらしだがな。


「さて、晃太もさっさと着替えなさいよ」


「いや、絶対下着はいらねぇだろ!」


 百歩譲って女装はいい。胸に詰める必要があるからブラもいいが、パンツは嫌だ!くいこむ!!ナニかがゴリゴリ減る!!


「必要よ!スースーして心もとないから大股で歩いたり、足開いて座ったりできなくなるわ!そしてうっかり見えた時に男パンツは萎える!」


「うっかり見える想定はすんな!萎えた方がいいわ!俺が尻ピンチなったらどうすんだ!!」


「爆笑する」


「睦なんか嫌いだぁぁぁぁ!!」


 結局協議の結果、ボクサーパンツ(女性用)で妥協した。ちくせう。

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