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鈴木脱色事件

 本来は黒かったはずの鈴木の髪。それが綺麗に脱色されて白髪…ではなく銀髪になっていた。


「いや、リアクションうっす!鈴木、普通もっと焦るもんじゃないの!??」


「いや、本来の色がこっちなんだよ。変かなぁ?」


 首をかしげる鈴木。美しい銀髪がさらりと流れ、不思議な色あいの瞳に吸い込まれてしまいそう。。鈴木の瞳は黒と紫を混ぜた色だった。


「…綺麗だと思う。うん、よく似合ってるよ」


「えへへ」


 照れながら頬をかく鈴木かわゆす。いや待て。ちょっと待って。


「鈴木本来のカラーがそれなの!?マジで!?証拠…証拠はあるの!??」


「えええ?証拠…あ、コレは?」


 鈴木は空間をいじって素敵な品を出してきた。ショタ鈴木図鑑…つまり、アルバムである。


「鈴木…」


 お願いだ。一枚ください。私は鈴木に視線で懇願した。今なら土下座します。だから、このきゃわゆい鈴木写真を一枚!いや、二枚…むしろこのアルバムが欲しい!家宝にするから譲ってくれないか!


「み、ミチルちゃん?」


 鈴木はたじろいでいる。よし!イケる!押すのだミチル!お写真欲しい!!


「北條、多分通じてねぇっつうか目的を忘れてるだろ」


 穂積の冷静かつ的確なツッコミで正気に戻った。


「はっ!そうだった!」


 確かに幼少期の鈴木は銀髪に紫の瞳だった。可愛い。このにぱって笑ってる鈴木、天使。しかも耳も尻尾も羽モフモフだし、抱きしめてしまいたい!…じゃなかった!これ、どういうこと?


「じゃあ、なんで今の鈴木は黒いの?本来の色が今なんだよね?」


 嫌な予感がした。鈴木が困った表情をしている。


「んん……換毛期だから?」


 ああ、なるほど。


「そうなのか!」

「「んなわけあるかい!!」」


 素直な陽菜ちんは信じたが、私と穂積はつっこんだ。そもそも毛が抜けてないだろう!!


「そこは機密だから話せないんだ。ごめんね」

「うん、わかった。魔がつく自由業の魔力に汚染されたかのバロメーターなんだね」

「えっ!?ちょ、えええええ!??」


 いや、これだけヒントがあれば正解を導けるから。まあ、鈴木はまだあくまで候補なんじゃないかな。最有力候補なだけで。


「眼鏡の娘、貴様は何者だ!?」


 台詞はカッコいいのだが、陽菜ちんに関節をきめられたあげく鈴木に足蹴にされていてカッコ悪い。ちなみに力のエレファスはチーティスさんと桔梗にひっかかれ、穂積の膝カックンでバランスを崩し捕縛されてます。

 どちらも魔のつく自由業を監視する四天王。私は危険だと攻撃しようとしたのでしょうね。チーティスさんはいいのかしら?まあいい。私は高らかに宣言した。


「私は北條ミチル。全てを見通すサポート眼鏡です!!」


「サポート眼鏡?」


「サポートする眼鏡です。私は鈴木を魔のつく自由業なんかにしませんからね!」


「ミチルちゃん…」


「…もう暴れません。つまり、貴女は…いえ、貴女様は真生様の対になるおつもりなのですね」


「え?」


 対ってナニ?今の台詞のナニが秘書眼鏡に響いたの??


「つまり、今後もミチル様はここに来てくれるんですね?やったああああ!毎日美味しいご飯だぁぁ!!」


「ええ?」


 わけわからん!チーティスさん、説明して!どゆこと??


「ふ…すげぇ出世だな、嬢ちゃん」


「えええ??」


 だからさぁ、説明してくれよ!困惑する私に、鈴木が来てくれた。


「ミチルちゃん…俺、ミチルちゃんを幸せにするからね!」


 鈴木がとても素敵な笑顔でヒロインと好感度マックス時の台詞を!??

※しかしゲームでは、その後魔王としてヒロインと戦うのであった。


「す、鈴木ぃぃぃぃぃ!??」


 待って!私、まだ思考が追いついてない!!え?どゆこと!?対ってナニ!??


「よくわからないが、よかったな。ミチルは鈴木が大好きだもんな」


「いや、大好きだけど!なんかこう…ニュアンスが違う!私は鈴木が幸せになるサポートをしたい!その隣は陽菜ちんみたいな素敵女子!干物女子(わたし)ではない!!私はあくまでもサポートで、ヒロインではない!!」


「…………」


 鈴木が何故か絶望したような顔になり、グッピー以外の四天王に慰められていた。解せぬ。


「お前も相手がにっっぶいと辛いな」


 穂積がなにやらコソコソと鈴木に話しかけている。


「……晃太君、ありがとう。でも晃太君は多分ミチルちゃん並みににっっぶい陽菜さんの婚約者になったよね?どうやったの?」


「…なんもしてねぇ。幼稚園で陽菜にプロポーズされて…胃袋は掴んだ。毎日毎日俺のメシを食わせてるからな。最近じゃ外食は旨くないらしい」


「俺には無理だ…!」


 鈴木がよくわからないが絶望していた。いかん、また髪が黒染めされる!


「鈴木、よくわかんないけど…諦めたら試合終了だよ」


 私は、某バスケマンガの有名な台詞を言ってみた。


「ミチルちゃん…うん、頑張るよ!」


 よくわからないけど、鈴木が浮上したのでよかったです。四天王も拍手していました。

 ママン、ミチルは鈴木のサポート眼鏡として頑張ります!!

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