色々ありすぎたのですっかり忘れてました。
学校で転移魔法を見られると騒ぎになるかもしれないので、陽菜ちん達と校門に向かった。そして、校門を出た瞬間空気が変わる。昨日と同じだ。異質な空間にびっくりした。鈴木と私のみを閉じ込めたらしく、陽菜ちんと穂積はいない。
「何か用?二度と関わるなって書いたはずだけど?」
どうやら校門で待ち伏せていたらしい猫獣人軍団。私がにらみつけた瞬間、猫獣人達は土下座した。
はい??
猫獣人達の奇行に思考が追いつかない私。とりあえず敵意はないらしい。
「姐さん、昨日は申し訳ありませんでしたのにゃ!」
「襲いかかった我々を優しく癒したそにょ優しさ…」
「初対面だったはずの我々の弱みをも調べ尽くす情報収集力…」
「そして何よりあの強さ!」
『我々は姐さんの配下になりますにゃ!どうか子分にしてくださいにゃ!!』
「え、ちょ、鈴木ぃぃぃぃぃぃ!?どういうこと!??」
「ミチルちゃんは主として魅力的過ぎるから、仕方ないよね。俺より魔王に相応しいかもしれないよね。俺もミチルちゃんになら仕えてもいいなぁ…」
どこか遠くを見ながらうっとりする鈴木。私も鈴木を侍らせて魔王やっちゃう自分を想像してしまって『アリかも』と、一瞬おかしくなりかけたが………ないわ!!私が魔王になっちゃえば鈴木の魔王化は阻止できるとか思っちゃったが、それで私が魔王になるとか本末転倒すぎるわ!!私は必死で鈴木の肩をつかむと揺さぶった。
「す、鈴木ぃぃぃぃぃぃ!?いやいやいや!現実を見ようか!こんなショボい平凡サポート眼鏡に魔のつく自由業のトップが仕えたらダメだから!!」
「え~、いい案だと思ったのになぁ」
鈴木は魔王になりたいわけではないらしい。きっとまだ間に合う…はず!それにしても『今日のミチルは思いつきで行動しちゃうと大変なことが起きちゃう予感。大丈夫だった?さらに波乱万丈な暗示が出たわ。頑張って☆』というママンの昨日のメール…さらに波乱万丈の正体は多分これだな。
「私はあなた達の親分にはなりません。どうしても私に仕えたいというなら、桔梗の下につきなさい。桔梗が許し、お前達を子分にしてやってもいいと言うならいいでしょう」
「き、桔梗様とは…」
桔梗を喚ぶ。掃除も終わって私に喚ばれるのを待っていたらしく、すぐに来てくれた。
「にゃん?」
「わ、我々に猫妖精…奴隷の下につけと!?」
「そうです。無理なら諦めなさい」
そこを譲るつもりはない。桔梗をいじめた罪は償わせる。そもそも子分なんかいらない。桔梗と小文吾でお腹一杯だ。
「…お話が見えにゃいのにゃ。アチシはどうして呼ばれたにゃん?」
首をかしげる桔梗。家事をしていたからか、リアルシルバ□アなお姿です。小文吾が桔梗に説明した。頷く桔梗。
「つまり、ご主人様の偉大さをわかったバカ達が手下になりたいのにゃん?で、なんでアチシの子分になるにゃん?遠回しなお断りにゃ?」
「先ず、桔梗への贖罪をしろ。話はそれからだ…かな」
「にゃるほど…。アチシはかまわにゃいですにゃ。と言ってもアンタ達は納得できにゃいはずにゃ。アンタ達、かかってこいにゃ~。アチシの実力でコテンパンにのしてやるにゃ~」
猫獣人達は一斉に桔梗へ襲いかかる。桔梗は余裕で全員倒してしまった。猫らしいしなやかさで攻撃を回避し、重たい猫パンチでブッ飛ばす。桔梗、カッコいい!!
「口ほどにもにゃいにゃ!アンタ達じゃアチシにも勝てにゃいのにゃ」
「何故にゃ…貴様、あんにゃに弱かったにゃ……」
辛うじてまだ動ける猫獣人は呆然としている。
「そりゃ、アンタ達の魔力が弱かったからにゃ。いくらアチシが強くても、魔力がなきゃ実力が出せにゃいのにゃ」
「ぐっ…」
「ミチル様は最高のご主人様にゃ。ミチル様のおかげでアチシの毛並みはツヤツヤにゃ!力もモリモリなのにゃ!で、どーするにゃ?弱い猫さん」
「………桔梗様に従います」
猫獣人は桔梗に礼をとった。満足げに頷く桔梗。
「よろしいにゃ。ミチル様のために身を粉にして働くのにゃ」
『了解ですにゃ!!』
んん?私の、ために??鈴木と小文吾が満足げに頷いていた。え?まさか、私…猫獣人を子分にした??いや、正確には桔梗の子分…??
「じゃ、結界解除して」
「はいですにゃ!」
「いやあ、反抗的な猫獣人がウザいから反乱分子は根絶やしにしてやろうかと思ったけど助かったよ」
「す、鈴木ぃぃぃぃぃぃ!?話し合いは!?」
「魔族は基本、拳で語らうよ。話し合いなんかしても、簡単に覆る。強さこそすべて…とはいえ、何事にも例外はある。俺は強さが飛び抜けていたからこそ………になったけど、純血の魔族が魔王をすべきって考えもあるからね。俺もなんでハーフなのにこんなに力があるのか意味不明だし」
それは、鈴木の魔力が関係している。教えるべきだろうか。彼が長く『魔王でいられる』理由でもある。私はそれを知っている。
「ミチルちゃん?」
「あ、いや、うん。猫獣人さん達の一部が配下ってことになるのかな?根絶やしは可哀想だし!」
「いえ、部族の総意ですにゃ。我らはミチル様が喚んでくだされば、いつどこへなりと馳せ参じますにゃ」
なんか、大ごとになっとる。桔梗ほどじゃないけど、彼らも毛並みがよろしくないな。よく見たら、桔梗がつけた以外の傷もある。
「で、君らが望む代価は?」
「流石はミチル様。慧眼でいらっしゃいますにゃ。我らの村を襲う鬼人族から守ってほしいのですにゃ」
最近鬼人の里から追放された流れ者が村を襲いに来るらしい。彼らは魔王にそれをどうにかしてくれと頼んだが返事がなく、勝てるはずがないのは承知の上で鈴木に挑んだらしい。
鈴木にしてみれば、弱肉強食がルールの世界において例外は許されない。対策のアドバイスぐらいはしてもいいが、手助けは基本しないとのこと。
「適任がいます。任せなさい」
丁度暇な正義の味方志望がいた。この機会に力加減を学んでいただこう。蓮ちゃんも喜ぶに違いない。
「あ、先輩?北條です。ちょっとお願いがあります」
暇なヒーロー志望者は喜んで救援に行ってくれた。
「鈴木、そういう系は先輩に任せるといいよ」
天堂先輩がゲーセンで作った玩具の名刺を渡す。
「そうだね。城の修理費用ぶん働いてもらおうかな」
鈴木の笑顔が黒かった。天堂先輩、頑張ってください。ママン、ヒーローの道は険しいのですね。ミチルはヒーローになんかなりたくありません。
でも、にゃんこのボスにはなってしまいました。にゃんこは可愛いから、仕方ないよね。
作者がこの話を上げるのを忘れそうになりました。間が長かったからです(言い訳)




