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推しメンはやはり尊いのです

 担任のイケメン(病んでれ予備軍)に押しつけられたため、仕方なく推しメンこと鈴木を案内する私。鈴木に関わるつもりなど微塵もなかったのだが仕方ない。

 しかし、よく考えてみたら推しメンに案内できるとか私超ラッキーじゃね?

 そう考えたら、めっちゃやる気が出てきた!!


「とりあえず、特別教室と部活を案内するね。教室と職員室は問題ないよね?」


「うん…あの、嫌なら地図とかがあれば大丈夫だよ?」


 申し訳なさそうにする鈴木。流石は我が推しメンである。担任のイケメン(病んでれ予備軍)とは違い、優しく気遣いができるのである。


「大丈夫。ちゃんと案内するよ」


「………ありがとう」


 鈴木スマイルいただきましたあああああああ!!


「………尊み秀吉…………」


 私は鈴木にひざまずいて拝んだ。鈴木スマイル……生鈴木スマイル…なんて尊い……。


「!??な、なんで拝むの!??」


 鈴木スマイルが尊いからである。流石は我が推しメンなのであ~る!


「気にしないで。発作みたいなものだから。害はないから」


「い、いいのかな?た、確かに害はないけど……」


 鈴木は首をかしげつつも、それ以上はつっこまなかった。流石は我が推しメンなのである!






「ここが美術室。美術部が部活やってるね。すいませ~ん、転校生の案内してるんだけどお邪魔していいですか?」


 美術部部長はアホ部である。アホ部はテニス部ではないのである。しかし、テニスが上手くて勧誘されていた。心底どうでもいい。


「かまわん。えっと……須藤だったか」

「「鈴木です」」


「……鈴木か」

「アホ部、人の名前を間違えるとか失礼だよ。謝って」


 私の言葉が気に入らなかったのか、イラついた様子でアホ部は反論してきた。


「お前、俺の名前を間違いまくるくせに「私はわざとだも~ん。間違ってないも~ん。アホ部はアダ名。いいから鈴木君に誠心誠意謝罪しろ」


「さっきより要求が上がってないか!?……まあいい…………すまなかったな、鈴木」


「いや、気にしてないよ。よろしくね…アホ部君?」

「兼田だ!兼田祐太郎だ!!」


 寛大にも許してくれた鈴木に対して心が狭いアホ部である。


「え!?ごめん!北條さん、なんでアホ部君て呼んでるの!?」


「アダ名に深い意味などありません。フィーリングです」


 本当は前世のATB様から来ているけど、この世界にテニスのプリンス様は存在しないんで、通じないのである。だから雑に誤魔化した。


「あ、そうだ。アホ部より大事な人が居たよ。紹介するね。瀬羽巣さーん!」


 私が手を叩くと、掃除ロッカーから美形のおじいさまが出てきた。執事の装いが今日もきまっています。


「…はじめまして。瀬羽巣=チャンと申します。気軽にセバスチャンとお呼びくださいませ」


 瀬羽巣さんは優雅にお辞儀をした。相変わらず綺麗なお辞儀である。見習いたい。


「え…えええええ……」


 なんか鈴木はびっくりしている。可愛い。アホ部が勝手に他人の執事を呼ぶなとか言っているが無視である。私と瀬羽巣さんは仲良しなのである。


「遠慮なくセバスチャンとお呼びくださいませ」


「セバスチャン……さん?」


「いやいや!さんは不要にございます!どうぞ遠慮なくセバスチャンもしくはセバスと!セバスとお呼びくださいませ!」


 結局鈴木はセバスチャンと呼ばされていた。押しに弱いとこも素敵。流石は我が推しメンである。だが、最後の砦なのかセバス呼びはお断りしていた。






「次はオタクの巣窟ことパソコン部……あだだだだ!」


「悪意ある説明してんじゃねーよ!」


 油断していた私に、容赦ないハンドクローが炸裂した。


「あだだだだだ!」


「北條さん!?や、やめて!」


 鈴木がハンドクローにより苦しむ私を心配したらしく、オカンホストこと穂積晃太をブッ飛ばした。




 んん??

 ブッ飛ばした??






「ほ、穂積!?」


「いてて……」


 あわててブッ飛ばされた穂積に駆け寄る私。穂積の怪我をチェックする。幸い打撲のみで骨は問題ないようだ。胸に綺麗な手形がついていた。どうやら鈴木が突き飛ばしたらしい。


「あ……の………ごめん、なさい」


 怪我をした穂積より、突き飛ばしたらしい鈴木の方が真っ青で今にも泣き出しそうだった。


「あー、俺も悪かったし気にすんな。元はといえば、北條が悪いけどな」


「いやいや、いきなり暴力に訴えた野蛮人が悪いから」


「「……………」」


 お互い、やんのかゴルァ!と睨み合う。基本チャラいはずの穂積だが、何故か私ともう一人にはオカンというか、ヤンキーっぽい。これが素なのだろう。逆にホスト的対応してる時がウケる。笑うともれなくしばかれるけどね。


「あ、あの…喧嘩は……」


 鈴木がオロオロしているので仕方なく喧嘩をやめた。


「とにかく、ここがパソコン室。パソコン部の部室でもある。パソコン私物化してる馬鹿もいるよ」


「……黙っとけよ」


「今度煮物食べたい。ニンジンと大根」


「しょーがねーな……」


 穂積は料理がうまいので、たまに弁当のおかずを交換したりリクエストしたりする。

 ちなみに穂積がパソコンを私物化しているのも自作弁当持参しているのも、家計が苦しいからである。少しでも安いスーパーを探すためにネットを駆使し、食材の底値を予測したり、先生に頼まれて翻訳やプリント作成のアルバイトもしている。

 余談だが、穂積は翻訳以外にも執事喫茶で働いている。彼のホスト的対応はそのためでもある。客へのサービスの延長らしい。

 家では優しいお兄ちゃんだ。弟妹が5人もいるが、皆可愛い。穂積でなくともメロメロになるぐらい可愛い。私ともう一人には微塵も優しくないのだが。いや、優しくないというか…身内扱いなのかなぁ?別にどうでもいいか。


 基本いいやつである穂積が鈴木にパソコンを触らせてあげていた。実は電気ではなく魔力で動いているらしいのだが、そこは原理もわからんしどうでもいい。コンセントがあるかないかの差というだけである。鈴木家にパソコンはないらしく、鈴木はパソコンに興味津々だ。流石は我が推しメン、可愛い。





 そして、鈴木がスイッチを押した途端にパソコンが爆発した。






「す、鈴木ぃぃぃ!??」


「大丈夫か!?鈴木!!」


「だ、大丈夫だけど……パソコンが大丈夫じゃない……」


 オロオロする鈴木。確かに、パソコンは全く大丈夫じゃない。


「……しかたねぇよ。これ、古いやつだし」


 穂積はパソコンの残骸を片付けた。旧式パソコンは稀に魔力電池が暴発するのだ。いや、パソコンに限らないけどね。


その後も鈴木がパソコンに触るとフリーズするわウィルスに感染するわ大変だった。鈴木はオロオロしていたが、鈴木が悪いわけではない。鈴木が超弩級の不運体質であるのを思い出した。

 穂積も別に鈴木のせいではないからと怒らず、復旧の邪魔になりそうだから私たちはパソコン室を後にした。

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