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ホットケーキと猫メイド

 自宅に帰ると、たくさんホットケーキを焼くことにした。鈴木もチーティスさんもいっぱい食べるだろうからね。

 そんな中、桔梗は率先してお手伝いをしてくれた。お茶を淹れたり、お皿を準備したり、焼けたホットケーキを運んでくれたり。

 そんな桔梗を眺めていたら、モフモフにゃんこメイドが運んでくれるにゃんこメイドカフェを妄想してしまった。なんと素敵なのだろうか。ケモ耳ではなく獣頭だが、うちの桔梗は可愛いから大人気になるに違いない。

 小文吾はスティックシュガーを運んだり、できることを頑張っている。こちらも可愛い。つまり、うちの子はどちらも可愛いということだ。


「温かいうちがおいしいから、先に食べててね」


「じゃあいただきます」

「いただきまぁぁす」


 鈴木とチーティスさんが先にホットケーキをほおばる。


「おいしい…ミチルちゃんのホットケーキ…」


 幸せそうにホットケーキを噛みしめる鈴木。


「おいしゅうございます!ミチル様は天才ですね!神様ですか!?」

「人間です」


 チーティスさんは私をどうしたいのだろうか。天使の次は神様か…。聞かない方がいい気がするから黙っとくことにした。


「桔梗、小文吾、お手伝いありがとう。桔梗達も食べていいよ」


「かたじけない」


 小文吾も食べられるので小さく切ったホットケーキを出してあげた。私の魔力がご飯だから別に食べなくてもいいらしいが、こういうのは気持ちだよね。チマチマついばむ姿がまたぷりちー。


「あ、アチシの分もあるんですかにゃ?」


「え?三食おやつ付きにするって言わなかった?」


 そもそも皆が食べてるのに桔梗だけ仲間はずれにするわけがない。


「…アチシ、本当に食べていいのですかにゃ?」


「うん。あ、熱いの苦手なら鈴木に冷ましてもらうんだよ」


 鈴木が無言でにっこりした。


「真生様に冷ましてもらうとか…あだだだだ!すいません!扇風機扱いとか思ってませあだだだだ!!」


 チーティスさんはよく鈴木に叱られるんだなぁ。うかつな発言で毎度地雷を踏み抜くチーティスさんが容易に想像できた。悪気はないのだろうが、正直すぎる。


「ほら、鈴木も冷めないうちに食べて。まだ生地があるから、おかわりも受け付けますよ~」


「「おかわり!!」」


「注文承りました!私の分、鈴木が食べていいよ~。私は最後のやつ食べるから」


 そう言って、またホットケーキを焼く。二人はよく食べた。ようやく自分のホットケーキが食べられる…と席についたら、桔梗が泣いているのに気がついた。


「桔梗、どうしたの?ホットケーキは嫌いだった?」


 桔梗はブンブンと首を振る。


「おいしいのにゃ……あ、アチシ…幸せにゃあ………ご主人様が優しすぎて……嬉しいのにゃあ……ほっとけぇき、おいしいのにゃ。こんなおいしいもの、初めて食べたのにゃあ」


 えぐえぐと泣きながらホットケーキを食べる桔梗の頭を撫でた。スリスリと甘えて、ゴロゴロと喉を鳴らす桔梗。


「桔梗、これからもよろしくね」


「はいですにゃ!アチシ、頑張ってご主人様にお仕えしますにゃ!」


 別に、仕えなくてもいいんだけどな…うちのにゃんことして可愛がるのも楽しそうだと思ったが、黙っておいた。


「…なんといい話なんだ…それにしても、ミチル様のほっとけぇき…この世のものとは思えぬほどに美味でした」


 チーティスさんもよくわかんないけど泣いてた。涙もろいらしい。


「大袈裟ですよ。市販のホットケーキミックスを使ったやつですから、チーティスさんでも作れますよ。簡単なんですよ」


「ほ、本当ですか!??」


「なんなら、まだ材料ありますし作ります?うまく出来たらお土産にしてもいいですし」


 ホットケーキの作り方を教え…といっても作り方を見ながら作るだけだ。火加減に注意しながら一枚だけチーティスさんが焼いた。なかなかの出来にチーティスさんは大興奮して跳びはねた。


「真生様真生様真生様!わたくし、できました!上手に焼けました!ほらほら、見てください!黒焦げで炭化してない、ちゃんとしたほっとけぇきですよ!おいしそうなほっとけぇきですよ!!」


 鈴木の周囲をホットケーキを持ちながらグルグル高速回転するチーティスさん。これだけ暴れてるのにホットケーキが落ちないのがすごい。


「うるさい」


 鈴木に拳骨をくらっていた。落ち着け。たんこぶになっちゃうとかわいそうだから殴られた頭を冷やしてあげた。


「……ミチル様は本当にお優しい。ミチル様も四天王ならいいのに。そうすれば、一緒に………はっ!ミチル様!城の料理人になりませんか!?」


「…………………はい?」


「真生様、真生様、いいでしょう?そうすれば、ミチル様のご飯が毎日食べられますよ!」


 チーティスさんは必死だ。必死で鈴木にお願いしていた。


「…名案だね!ミチルちゃん、うちでバイトしない?大量に作るのが嫌なら僕の分だけでもいいから、料理人のバイトしない?」


「えええ…」


 鈴木まで乗り気になってしまった。別にバイトも部活もしていないから、正直時間はある。だが、鈴木んち…さっきチーティスさんが『城』って言ってた。まさかの魔王城??


「先ずは職場体験ですね。ミチル様が気に入らない同僚は首か処刑にしますから、遠慮なくおっしゃってくださいね!」


「処刑はやめて!重すぎる!遠慮するに決まってますから!」


「善は急げですわ!行きましょう!!」


 北條ミチル16歳、魔王城デビューする羽目になりました。

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