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異世界転生 海の見える領地でやりたい放題(仮)  作者: 辛味亭
第1章 光物を求めて
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094.はがねの錬金術師(?)伝説…その55

終わった。

綺麗に、終わった。



 顛末。


(ランス)やり過ぎ」


 耳元で、聞いたことがある声だが、ちょっとお怒り気味な感じの声音でそう囁かれた。



    ズゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッン



 その直後、心地よい音と共に、後頭部に激しすぎる痛みが走った。

 大地に根差している龍化中のボクがよろめくほどの衝撃だった。

 3歳児でなくて、身長50m相応の重さのある白龍がよろめいたんです。


 と言うか、衝撃で龍化が解けちゃったし……半龍人状態になった。

 まるで、牛乳パックで作って貰ったちゃっちぃコスプレのような格好だ。


 いや、そんなことはどうでもいい。

 目の前に現れた『キュッキュッキュッ』と完璧ボディの見た目がお母さまより若干下の年齢の女性に目が行った。


 もちろん、今は地上約50mのところを飛行魔法で浮いている。

 そう、その目の前に飛んでいるんだ。


「カルキ婆…婆…婆…叔母…叔母…叔母………おね……おね……おね……お姉さま」


 カルキ……お姉さまの視線が怖かった。

 喰われるかと思った。


 カルキお姉さまこと、約600年前の御鏡家3代目の嫁のお母さん、その人(?)だ。

 基本幼女スタイルでいるが、公の場は今回のように『キュッキュッキュッ』と完璧ボディの大人の女性の姿だ。

 10万歳を超える寿命は有って無いようなモノで、世界の境界線も有って無いようなモノだ。

 元いた世界で出会ったカルキ……お姉さま、本人(?)その人(?)である。


「わらわの(ランス)も、オイタが過ぎたようだけど……そっちが原因なんだろう?」


 ギロりと言う擬音がぴったりな漢字で睨み付けた。

 さすがに、『最強のレッドドラゴン(偽)』とその周囲もひれ伏した。


「『わらわの(ランス)』は、止めて下さい。せめて………………『わらわの加護を持つモノ』でお願いします。カルキお姉さま」


 地上では、ヴィヴィアンとアテナ2号さんがお怒り気味だ。

 なので、ハニカム笑顔で、少し首を傾げながらお願いする。

 ここ最近、これでお願いを聞いてくれなかったことはない。


(ランス)、気持ち悪い…………分かったから、そんな、顔をするなえっと、『わらわの加護を持つモノ』よ」


 過去のボクを知っている人……いや、龍種最強の白龍王が表れるなんて、やりにくいよ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 シーターさまに頼まれたと言っていた天界からの調停者代理として来たカルキお姉さまの前で色々と決まっていった。

 魔族たちの処分はドラゴンたちに任せた。

 あ、うん、面倒くさいし……もう、関わりたくない。


 そして、魔族たちに騙されたモノたちは、死刑となる。

 後で、死体を素材として、持って来るそうだ。


 もちろん、『最強のレッドドラゴン(笑)』もその中に含まれる。


 そのため、新しいリーダーが必要になり、書類上っぽいが、ボクがやることになった。


「では、『最強のレッドドラゴン(笑)』の姪っ娘をリーダー……………リーダー代理として、この地と岩塩の採掘場を管理することを任せる。それに、今、決まった魔族たちや魔族たちに騙されたモノたちの処分もな」


 だけど、実務は現場に任せるよ。

 だって、面倒だし。


「はっ、ランスロットさま」


 返事や態度から察するに、リーダー代理の忠誠度はかなり高めだ。

 あ、うん、ヴィヴィアンの足元には及ばないよ。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「海を支配してたモノは、過去からの戦利品を全て差し出したがどうする?」


 正確には差し出している最中である。

 うな子とその仲間たちが、現在、誠意探索中である。


「分かりました。岩塩と引き換えにしていた光り物を全て差し出します。思い出したときに、見ていただけの代物です。白龍…………ランスロットさまに、献上できると言うのなら喜んで差し出すでしょう」


 ドラゴン(偽)の社会は縦社会らしい。

 上のモノに対しては眷属のように絶対的な忠誠を誓う。


 今回のように『光り物』を差し出せと言われれば、素直に差し出してくれる。 

 そう、この眷属のように絶対的に忠誠があんな結果を産むことになるとは…………。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 真面目に、今度こそ、ユニーク固体………。

 いや、上位の存在に、クラスチェンジしたほうが、いいのか?


 ほんのちょっと、ほんのちょっとだけ、背中を押してあげるのがいいのかも知れません。


 こういうのは、奇を衒って下手に考えるより最初に頭に浮かんだのベストなんです。

 ウェールズと赤いドラゴン、これから導かれるのは『ドライグ』。

 でも、『ドライグ』だけじゃ味気ないので、衛門を付けて、漢字は読みやすくひらがなにして略す。

 これぞ、改心の出来の名前だ。

 世界中に知らない人がいないくらいの名前になるだろう。


「ドラえ………………・モンモランシー。そう、ドラえ・モンモランシー」


 背筋に冷たいモノが走ったので、急遽、名前を変更した。

 同姓同名がいたっていいじゃないかと思ったけど、ボクの身の安全の方が重要だ。


「じゃあ、ドラえ・モンモランシー。あんたの愛称は今からドラえね」


 いつも通りじゃないけど、シンプルイズベスト。

 ネーミングセンスには自身があるんですよ。



     シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ



 『最強のレッドドラゴン(笑)の姪っ子』改め『ドラえ・モンモランシー』が煙に包まれた。

 いや、そこら中が煙に包まれている。

 唯一包まれていないのが、お父さまやお母さまたち人族のいるところだけだ。



 煙が腫れると、マジもんの『レッドドラゴン』の眷属が出来た。

 ユニーク個体どころじゃなかった。


 そして、それだけで終わらずに、ドラゴン(偽)全部が本物のドラゴンになった。

 果樹園っぽいとこに隠れていたドラゴン(偽)にもなれていなかったリザードマンもドラゴンへ成長する途中の龍人ドラゴニュートにクラスチェンジしていた。


 絶対的な忠誠のせいで、芋づる式に眷属化されていった。


「ああ、さすがはランスロットさま、ドラゴンをも眷属にしてしまうなんて、ヴィヴィアンは、ヴィヴィアンは、一生付いていきます」


 ヴィヴィアンはいつでも平常運転だった。


「あてな2号さんも、一生付いていくの」


 あ、うん、少しは変化が出てきてるのか?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「はい、お父…………領主さま。本日の戦利品です。お母さまへのプレゼントとしてお納め下さい」


 金塊だけでも、山が出来てるね。

 宝石が、百数十台のダンプカーが降ろした砂利のように山になってるね。

 宝剣とかで、アンリミテッド○レイドワークスごっこが出来るね。


 それらを見て引きつった真っ青な顔のお父さま。

 格好いいお父さまはどこに行ったのでしょう?


「なぁ、ランスロット。これは、さすがに無理。千年分の岩塩の代金分の光り物だぞ。一国ならまだしも……周辺国全てのだぞ……無理。周辺国に返した方が良さそうな宝具だけピックアップして、俺に渡してくれ。じーさんに渡して、外交の武器として使ってもらうからな。頼んだぞ、ランスロット」


 丸投げ来た。

 3歳児に丸投げですか?


 アイテム収納にしまって、条件を付けて、取り出せば終わるんだけどね。


 ドラゴンの光り物を求めて、色々とやって来たけど、これほど大量だったとは……。


 でも、これ以上に……人との繋がり……今回、縁があって繋がった人たちは、ドラゴンたちから献上して貰った光り物以上の価値があるだろう。





 そして、そんな、人たちと、ずっと、やりたい放題やっていくんだ。


 そう、ボクたちの物語はまだ始まったばかりなんだから……………………。



このままひっそり終わるのか、第2章に続くのか………


どちらにしても、少しお休みです。

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