083.はがねの錬金術師(?)伝説…その44
今日はちゃんと予約出来たはず…………
「戦争をしましょう」
ボクはオーバーアクションを加えながら、その重要なセリフを噛まずに言い切った。
魔道具創造で文房具をたくさん作ろうとする両手を押さえるのが大変でした。
そうです。
これが第1手目のセリフです。
個人的には一生に1度は言ってみたかったセリフ第28位です。
言うのは簡単なんですけど、やっぱり合った場面で言いたいですよね?
とある世界では敵対している隣国に言わせたいセリフ、第1位らしいです。
その世界では、先に手を出した方が負けと言う風潮らしいので、言うんじゃなくて、ミサイル攻撃など、どんなに嫌がらせを受けても、言わせなくてはいけないらしいですよ。
ボクが元いた世界では、隣の国は半分に近い世界の経済を握っている国なので、言わせたら国が…………世界が終わります。
でも、隣の国は超友好国であったので、本当に良かったです。
と言うか、隣の国が友好国じゃないって、どんな罰ゲームの世界ですか!?
それはともかく、このセリフを口にした途端、ボクの運命の歯車が噛み合い動き出しました。
いえ、そんな気がしただけです。
「…………交渉の余地は無いのか?」
予想外のセリフだったんでしょう。
困惑と絶望したような表情で、ボクを睨めつけるように、そんなことを言ってきた。
「くっくっくっくっくっくっ、面白いことを言いますね。交渉をする気が無かったのは、ゼウスさんの方じゃないですか? ですから、戦争をしましょう。大なり小なり、問題は戦争で解決してきたんです。ボクたちも同じように、お互いの正義を賭けて戦うだけです。もちろん、勝った方が正義ですよ。負けた方が正義なんて、今まで、そんな歴史は存在しなかった無かったはずです」
どんなに高尚な大義名分があったとしても、負けたらお終いです。
逆に、どんなに私利私欲に満ちた目的でも、勝てば正義なんですよ。
それに、交渉が出来なかった場合は、元からその予定だったんです。
そう、戦争をする予定だったんですよ。
「坊主、何を言っている? 戦争なんかしたら、何人死ぬと思っているんだ? 敵も味方も関係なく、たくさんの人間がいなくなるんだぞ?」
それは、両者の力が近い時の場合です。
圧倒的な力の前では、一方的に蹂躙出来るんですよ。
「軍は動かしませんよ。軍を動かさなくても、簡単です。特に『魔道具技師都市連盟』はね。弱点が丸分かりなんですよ。そこを攻めれば良いだけです」
それに戦争は武力だけじゃないんです。
受験戦争、経済戦争、○○戦争って、付くモノなんていくらでもあります。
「魔道具を安く売るだけです。魔道具なんて、この世の理を理解していれば、魔法でゼロから簡単に作ることが出来るんですよ。魔道具の器を作ってから、付与魔法で効果を付与するなんて、そんなめんどうなことしませんよ。ほら、3ヶ月掛けて作ったというアイテム収納も…………」
魔道具創造魔法で作った大量のアイテム収納が出来る魔道具を床に落とす。
「ほうら、こんなにたくさん。さっきも言ったように、この世の理を理解していれば、魔道具なんて、魔法で簡単に作れるんですよ。いくらで売って欲しいですか? ボクはいくらで売っても利益が出ますよ? 鉄貨1枚で売ったとしてもね」
顔を青くするゼウスさんとトリートーンさん。
それが、焼身焼畑売り逃げ二番手商法と言うヤツです。
ボクが元いた世界で、テロリスト民族のアルカニダが良くやっていた手法です。
利益が出ている他社の市場に、他社の商品の特許や意匠権を無視して真似し、利益を無視した低価格攻勢で商圏の商機を一網打尽に奪った挙句、採算が取れなくなると撤退する事業展開です。
「くも子、『魔道具技師都市連盟』の取引先一覧と取引商品一覧を……」
適当なはったりを加えつつ、くも子に命令をする。
そして、くも子から内緒の報告であった情報をここで使う。
「ちょ……」
そして、くも子がゼウスさんのセリフを遮った。
「はーい、オーナー。少し誘惑したら、マウンテンライスフィールドとか言う野郎が差し出してきましたわ」
くも子はボクに抱きつきながら、リストを渡してこようとしたが、ヴィヴィアンの威嚇&ブロックに負けて、普通に渡してきた。
「………………マウンテンライスフィールドのヤツ、腐ってると思っていたが、そこまで腐っていたとは……。膿どころじゃねぇじゃねぇか」
拳を強く握ったまま、俯いて、そう呟いた。
「マッコォイさんとトルネドさん、このリストのヤツらと、渡りを取れるか?」
2人に、リストを渡した。
「命令いただければ、すぐにでも」
「わしの手に掛かれば『魔道具技師都市連盟』の代表でも跪かせますよ」
マッコォイさんのセリフを聞いて、ゼウスさんとトリートーンさんは膝を折った。
書きためが全くないけど………………
次話、てきとー次回予告
くも子、君と会えてよかった。短い間だったけど楽しかったよ
オーナー、嫌ですそんなもうお別れみたいな
ごめんね、ボクも嫌だけど、抗えないんだ、○○○っていうお約束には!
でもうちには、もっと読者の皆さんにこの作品を楽しんでいただきたいです!
そうだね、ボクも同じだ。だから○○○も精一杯やろう。そして、もっと見たいと思ってもらおう。それが唯一、また会える方法だよ!
精一杯やればいいんですね。わかりました。うち信じて頑張ります!




