080.はがねの錬金術師(?)伝説…その41
10万PVありがとうございます。
どうも一昨日オーバーしてたようですが…………
さて、本日は、ちょっと、短めです。
予告のところまで、進みませんでした。
「で、そっちは?」
有無を言わせず、名乗れと言う、鋭い視線です。
強ち頭脳派と言うのは間違っていないようです。
鋭い視線だけで、武力では格上のお父さまたちを黙らせたうえに、お父さまを始め、皆が順番に名乗っていった。
そして、ボクの番。
「らんひゅろっと、3ひゃいれす」
3歳児らしく、舌っ足らずな挨拶をした。
プークスクス
周りが笑い出したので、せっかくの演技が台無しになった。
ほんと、何をしてくれるんだか……………。
「バン・ベンウィック・ブリタニアン伯爵の一人息子の、ランスロット・ベンウィック・ブリタニアンです。よろしくお願いします」
ゼウスは、横に首を振った。
ボクの名乗りに納得がいかなかったようだ。
「ローリーペッタン王国王位継承権第1位、ランスロット・アロンダイト大公だ」
今度は、ニヤリと言う擬音がピッタリなくらいに口元が吊り上がった。
「マジで大公さまだったのか」
かなりのオーバーアクションで、トリートーンさんの背中をバンバン叩いていた。
「ゼウスさま。わたくしが言ったとおりですよね」
少し誇らしげなトリートーンさん。
「いや、最初の自己紹介も間違いじゃ無いから、当たったのは半分だろう」
そう返す、ゼウスさん。
間違いじゃ無いですけど、それは可哀想じゃ無いですか?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
お父さまとゼウスさんが交渉中です。
「正義か悪かなんて、それぞれの主観の問題だろ? 塩を安く売るから正義? 例えば、この3ヶ月掛けて作ったアイテム収納の魔道具を100分の1で売ったとしよう、買ったヤツは売ったヤツが正義だと思うさ。でもな、アイテム収納の魔道具を作っている他のヤツから見れば、100分の1で売ったヤツは悪だ。相場を壊すヤツだからな。それに、100分の1で売ってくれたヤツがいるからお前も100分の1で売ってくれって言われることもあり得るだろう。塩は違うって言いたいのかもしれんが、価格が違うだけで、取り仕切っているのがドラゴンから、アンタらに代わるだけだ。そして、価格が安すぎたから、価格を上げると言われても、オレらは対処できない。その時、ドラゴンから塩を買おうとして、ドラゴンは、売ってくれるのか? で、塩を安く売るから、関税の免除? 関税は産業を守るためにも使えるんだぞ、それを無しにしろとか、アンタらはバカか?」
言いくるめられて、悔しそうなお父さま。
相手が悪かったです。
これは交渉にはなりません。
最初から、断る気だったんです。
いや、自分たちの目的を通すための交渉の場として使われているようです。
「アンタらとオレたちの間には信頼関係がまだ無い。長い時間を掛けてそれを築いていくか? そんな余裕は無いんだろう? なら、手早く、信頼を得ようとするときはどうする? 家と家、国と国の結び付きを強固にしようとするときはどうする? 婚姻が手っ取り早いだろう。オレの娘、アテナを坊主の嫁としてやる。さすがに身分が身分だから、正室とは言わねー。2号さんでもいい。その条件を飲んでくれたら、アンタらの提案…………身内からのお願いとして受けよう。どうだ?」
直球で来ましたよ。
お父さまの表情が、親犬がいなくなった時の子犬のようです。
「アテナ、2号しゃん?」
もう一人の女の子、パラスの後ろに隠れながら、アテナは首を傾げながら、あどけない表情で呟いた。
何?
そのギリギリ感しかないセリフは?
と言うか、ヴィヴィアンさん、痛いです。
そんなにギュッとしたら、痛いですってば。
あ○な2号れす。
「らりるれろ」
ちゃんと言えたれす。
次話、てきとー次回予告
何でこんなに○○○の事が気になるの?
騙されてる
もしかして、これが恋?
騙されてるんだよ
あ~、ボクってば、ボクってば~!
異世界魔法士ランスロットの大冒険『はぐれる恋心?の巻』
はぐれちゃえランスロットさま




