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異世界転生 海の見える領地でやりたい放題(仮)  作者: 辛味亭
第1章 光物を求めて
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075.はがねの錬金術師(?)伝説…その36

あー、また、届かなかった。

でも、指先くらいは届いた気がします。


「坊ちゃん、でも、いいんですか? こんなに貰っちゃうと、坊ちゃんはそんなに儲けがでないですよね?」


 トルネドさんが心配して聞いてきた。


「わしら、売り上げのいくらかを渡さなくていいのか?」


 死の商人マッコォイさんまでも、心配してきた。


「2人とも、まず、成功させてから、言ってください。たぶん、それくらいの量だったら、在庫としてもって1年ほどですよ。それ以降は、定期的に収入になるんですから全然平気です。ついでに以降の取引の条件を決めておきましょう。今後の2人との海塩の取引は6対4でいいですか?」


 ボクは自ら動かずに、儲けが出るインフラを作って貰っているんです。

 それも、ボクが自ら動くよりも、確実に儲けが出るインフラをね。


 2人の商才と人脈をタダ同然の海塩と魔道具で買ったんです。

 くっくっくっくっ、見えない形ですが、一番得しているのはボクなんですよ。


「いいや、この魔道具『全自動ウミジオくん』や海塩の代金の払いを込みで、2対8、わしらが2で、坊ちゃん閣下が8だ。なんなら、1対9でも構わない」


 ちょっと、ボクの取り分を多めに見て、4だったんですけど?

 原価率30%に、こっそりと少し上乗せして40%………それを有無を言わせず通そうと思ったのに…………。


「そうですね。これだけの量の売り物になるモノをタダで貰うのは商人のポリシーに反する行為ですからね。商人は等価交換がルールです。それが本当の等価交換で無くてもです。ですから、1対9でお願いします。ここまでお膳立てされた状況では、この条件が等価交換に近いですからね」


 こっちは販売ルートを作って貰って、定期的に稼ごうと思っていたので、マッコォイさんとトルネドさんに渡したのは、そのインフラ整備代のつもりだったのに……。


「トルネドがそう言うのなら、それでいい。海塩の取引は、1対9、坊ちゃん閣下の取り分は9。これ以上の譲歩は無しだ」


 こうして、海塩の取引条件が決まった。

 高条件過ぎて、逆に胃が痛い………………。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「でも、これ、坊ちゃんが言うように、この量で1年しか持たないんですか?」


 2年くらいは持つと思っていたようだ。


「個人の消費量は倍以上に増える。絶対に増えます。今は価格が高すぎるので、消費が少ないんです。本当に消費量が少なすぎるんですよ。概算でウェールズの塩の年間消費量は5,000tです。単純に価格が落ちれば、食べる食料の量は増えませんが、味付けのための塩の消費量は倍になります。そして、これで、さらに消費量を増やします」



 アイテム収納から、試作品を出す。



「魚の形をした塩?」


 デフォルメされた可愛らしい魚の形をした塩の塊を見せた。


「魚の塩釜焼きです。『玉子の卵白と混ぜた海塩』と『帰らずの森で採れた香草』で包んだ魚をオーブンで焼いただけです」


 中の人………………魚は鯛です。


「これは上手い。見た目からインパクトがある。塩が安くなっても、塩の高級感はなかなか消えません。そして、帰らずの森で採れたという香草が希少性を感じさせる。極めつけが、エルフティア王国で取引を開始された高値で取引されている魚。一体、いくら出せば、こんな料理を…………これは、金銭感覚がおかしくなりますな」


 まだ、口にしていないので、口から怪しい光線なんか出てきませんよ。


「これのもう少し大きくて高級な魚を使った塩釜焼きを貴族狙いで、高級レストランに並べます。庶民向けには安い魚を使ったヤツを食堂に並べて、レシピを公開します。安く食べたいと思えば、塩を買って自分で作るでしょう。そして、一度使った塩は再利用が出来ないんです」


 ボクのセリフの意味に『ごくり』と2人から、聞こえてきそうでした。

 この料理だけで、今の1人当たりの年間の消費量の3分の1くらい使っています。

 それが、再利用されずに処分されるんです。

 年間、この料理を3回作れば、塩の消費量が倍になるんです。


 高くてなかなか使えなかった塩が、安くなって使いたい放題に近くなる。

 そして、塩をふんだんに使用した魚の塩釜焼きのレシピが紹介されれば、作りたくなるのは自然の道理です。


「どうです? 小腹も減ってきたので試食してみませんか?」



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「お父さま、エクトル男爵、近衛騎士団の方々もどうでしょう?」


 試作品でたくさん作っているので、これくらいの人数なら余裕です。


「ちょっと待ってくれ、某たちを、いつまで、近衛騎士団って、呼ぶんだ?」


 ベディヴィア卿がそんなことを言ってきた。


「でも、他にどう呼べば…………」


 名前を知っているのはベディヴィア卿くらいだし、近衛騎士団としか呼びようがない。


「閣下の仰りたいことは、分かりました。おい、お前ら、閣下はオレらのことを『近衛騎士団』と言う名称以外には呼びたくないそうだ。だから、そう呼ばれても問題ないように、今から城を落としに行くぞ。油断している国王の首を刎ねて、閣下に献上するぞ。この国とともにな。そして、晴れて、閣下の近衛騎士団を名乗り、閣下にそう呼ばれるようにするぞ!!」


 ちょ、なにその『連続幸福魔 青い○』的解釈は?

 ………………魔法創造(マジッククリエイト)で、あの光線作れそうって、そうじゃなくて!?


「「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」」」


 なにこれ、みんな超乗り気じゃん。

 お父さまとエクトル男爵も混ざってるし…………マッコォイさんとトルネドさんもうんうんって頷いていないで、ダレかこの状況をなんとかしてよぉ!!



再々チャレンジ


次話、てきとー次回予告


○○さん、○○卒業おめでと~!

えっ?

いや~、長い間ご苦労だったなぁ、○○

あ、いや、卒業って

これでお別れなのは寂しいけど、○○の事は忘れないのだ

私、○○さんの跡を引き継いで、一生懸命頑張りますね

それじゃあ○○、最後の一仕事頼むぞ

次回、3歳児†無双、第一席『○○○○○○○○○するのこと』…って、ほ、本当にこれで最後なのか?なぁおい、ちょっと

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しゅき録
https://ncode.syosetu.com/n4032jr/
若干こちらのお話しとリンクしてます。
― 新着の感想 ―
[一言] ハッキリ言って主人公はやろうと思えば何でも作れるだろ。つまりこれは茶番でしかない
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