622.ゆる~い小学校生活…その92
次回から1ヶ月ほど夏休みで休載です。
1ヶ月ではなく1ヶ月ほどです。
元いた世界で前人未踏の地をってテレビ番組を見たことがあるけど、カメラマンはカウントしないんだろうかと、小一時間くらい問いただしたいです。
そもそも、本当に前人未踏の地なのかと聞いてみたかったですね。
そんなことはともかく、獣道に沿って、『帰らずの森』の奥へと向っています。
おかしい。
おかしいです。
何か違和感を感じます。
元いた世界を含め、何度も獣道を歩いたことがあるけど、今まで感じたことがない雰囲気がするんですよ。
大丈夫だとは思いますが、念のため警戒レベルを少し上げておきます。
しかし、慣れは怖いですね。
くも子の気配へのスルースキルが上がったのか分からないですけど、くも子の気配と言うノイズが少なく感じます。
!?
元いた世界での実戦で鍛えられた危機感知センサーが反応する。
しかし、視線も気配も感じられない。
でも、見られている?
視られているのか?
カサカサ
草木がこすれる音がした。
その音の中に僅かな息づかいの呼吸音があることに気づいた。
「会敵」
そう言って、音がした方向に視線を向けた。
間違っていなかった。
ここ最近、まともな実戦を経験していなかったけど、普通に危険を察知できたことは喜ばしいです。
「スタンなのじゃ」
一番最初に攻撃をしたのは、グィネヴィア嬢でした。
行動ではなくて、攻撃です。
シャ………………
役割分担通りの行動っぽいですね。
他のみんなは、待機状態って感じです。
「聖域」
味方には有利なバフ、相手には不利になるデバフの盛り合わせみたいな魔法ですね。
これさえ掛けておけば問題無いだろうって感じのヤツです。
ハッキリ言えばチート魔法ですね。
ただそれなりに魔力を使うので、シィルフィのように魔力量の多いエルフ系にしか無理かもしれないです。
シャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
【スタン】魔法から回復した巨大なヘビは攻撃する前に威嚇をして来た。
不意打ちが出来なくなったので、ボクたちを脅して、優位な立場を得ようとしたのでしょう。
シャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
巨大なヘビは、一番近くにいるアルトゥメアを狙ってきた。
アルトゥメアが盾を構えるよなジェスチャーをすると、スパイク付きの大盾が現れた。
常に持ち歩くには不便な大きさですからね。
ジェスチャーや音声をトリガーにして、アイテム収納から取り出せるようになっています。
スパイクの部分が大地にささり、足を置くところがあるので、その部分を踏み付けることで、子供でもある程度の防御力を発揮することが出来ます。
「ショックボルト」
カウンター技ですね。
盾がスタンガン代わりになってビリビリするヤツです。
中にはレジストするような例外的な生物もいるでしょうが、ほとんどの生物には効果があります。
もちろん、この巨大なヘビも例外ではありません。
【スタン】魔法に続き【ショックボルト】魔法でも巨大なヘビは動きが止められました。
「…………ん………………」
パラスは巨大なヘビを踏み台にしながら、死角から伸長式の十文字槍をショートランスの状態で右眼を狙った。
狙いは悪くないです。
でも、浅い。
瞬きによって、パラスの攻撃が防がれた感じですね。。
思ったより、鱗が硬かったようです。
シャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
反撃です。
ダメージの少なかった巨大なヘビはパラスに反撃を試みてきました。
ホバーブーツを履いているので、慌てなければ、回避することは出来るでしょう。
バフも掛かっていますからね。
「危ないのです」
アテナがパラスを助けるために動きました。
この行動が正しいかどうかは別として、一番柔らかそうな部分へパラスの攻撃が通らなかったので、それを一瞬で判断して、安全マージンを多く取ったことは良いことです。
異世界転生でロスタイムを過ごすなんて、この世界からではありえないと思いますし、とにかく、死んだら、そこで人生終了ですからね。
「ランスロットくん、後はお願いなのですよ」
「…………ししょー…………ごめんなさい………………」
「ま、ここで主君に任すのは正解か…………」
「ランスロットさま、頑張ってください」
「ダァの格好いいところを見たいのじゃ」
指名されたら仕方がありません。
ヴェルンド・スミス作のマグロ包丁の6尺の長い方をアイテム収納から取り出しました。
「相手をしてあげました」
過去形です。
【御鏡流:縮地】で巨大なヘビの前に移動して、マグロ包丁を向けてそう言った。
移動ベクトルを攻撃に使うことなんて、初歩中の初歩です。
巨大なヘビは、威嚇をするために、身体を起こした。
シャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ
落ちた首から、消え入りそうな威嚇の音が聞こえてくる。
虚しいです。
プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
身体を起こすために力を入れていたせいか、切り口から大量の血が噴き出した。
もちろん、ボクは避けましたよ。
あて名2号なのですよ
知ってる!
仲良しのパラスちゃんとアルトゥメアちゃんとシィルフィちゃんとグィネヴィアちゃんが大好きなのですよ。みんなで早く一緒に住みたいのです。
住みた~い
次回、『サマー!水着が似合うすごい良い湖、見つけました!』
わーい!
楽しみなのですよ




