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異世界転生 海の見える領地でやりたい放題(仮)  作者: 辛味亭
第2章 嫁候補の少女たち
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618.ゆる~い小学校生活…その88

 ボクたちを乗せて発車した『EX(イーエックス)』は、しばらくすると『湖の乙女』キャンプ場に到着した。

 正確には、『湖の乙女』キャンプ場駅ですね。


 普段使いしていない無人駅にしては綺麗です。

 【浄化(クリーン)】魔法を付与しているので当然と言えば当然ですね。



「みんな、駅に着いたから、降りるわよ」



 ユノ先生の指示通りに降車した。

 我先にと降りようとする生徒はいなかったので、トラブルは起こりませんでした。

 一応、並ぶと言うマナーは常識として定着している感じです。



 ん?



 ボクたちの進行を遮るかのように、目の前に全身『ユニクモ』ブランドで揃えている冒険者っぽい容貌をした男女が立っていた。

 そして、ボクたちを一瞥すると………………。



「俺たちは、冒険者ギルドから依頼を受けて、『湖の乙女』キャンプ場とこの駅を警備しているドラゴンバスターズだ」



 それっぽいポーズを決めながら、そう名乗りを上げた。


 冒険者ギルドから依頼ってことはアウトソーシング?


 いや、ここの警備や管理をアウトソーシングすることは、確かに理に適っているんですよ。

 『湖の乙女』キャンプ場の管理はマッコォイさんに任せているので、ボクが警備や管理のために『Secret Spider Service』、通称『SSS(スリーエス)』を使うのは理に適っていないんです。

 マッコォイさんも自前で警備関連のために人材を確保することは無駄ではないでしょうけど、現段階ではこの大陸で唯一の人材派遣業である冒険者ギルドに頼むんだほうがコストや何かあったときの責任の所在を考えるとベストチョイスだと思うんですよ。

 実際、警備する人がいなくて、『湖の乙女』キャンプ場駅が解放されていたとしても、『EX(イーエックス)』の真空チューブ経由で領都カムロドゥムナムに侵入することは、ほぼ不可能なので、戸締まりがきちんとされていれば、さらに難易度が上がるので、安全面は問題無いないです。

 と言うのが、名乗りを聞いてのボクが感じたことですね。



「「「「「「おおー」」」」」」



 でも、これが普通の小学生の反応っぽいです。

 いくらこの世界の子供たちの精神年齢が元いた世界より高く感じていても、子供は子供です。



「まじで」

「すごい、すごい、」

「格好いい」



 子供は素直でいいですね。



「ドラゴンバスターズと言うことは、ドラゴンを倒したことがあるのか?」



 マルス先生も素直です。

 でも、それについてはボクも聞いてみたかったんですよ。


 そもそも、この世界にはドラゴンはいませんでした。

 正確には、ドラゴンと呼ばれていた『でっかい蜥蜴野郎』たちはいましたけどね。


 なんだかんだ言って、今、ドラゴンバスターズと名乗っても恥ずかしくないのは、レッドドラゴンであるドラえ・モンモランシーを倒さないとダメでしょうけど………………ドラえが倒されたって話は聞いたことがありません。

 今朝の朝食時にも普通に挨拶して来てましたし………………。



「あ、いや、将来的に倒してみたいと言う夢と勇気と希望を込めて名付けただけだ。まぁ、なんだ、ドラゴンを倒せる人間なんて、お伽話の中だけだとは分かっていても、ちょっと前まではドラゴンのせいで生活が苦しかったからな…………。小さい頃から、ドラゴンを倒せたら生活が楽になる…………そう思って、ドラゴンを倒すために身体を鍛えて、冒険者になったんだ。そして、クランを作るときのに、ドラゴンを倒したとか真しやかに吟遊詩人が歌っていた英雄譚を聞いて、子供の頃の夢を思い出して、付けた名前なんだよ」



 なんか生暖かい微妙な空気になりましたよ。


 ドラゴンの強さだって、ピンからキリまであります。

 龍王種や龍種や竜種まで含めたら、範囲がとんでもないことになるんですよ。

 でも、ドラゴンバスターズと名乗るには、龍種以上を倒さないと恥ずかしいかもです。

 そもそも、ドラゴンを倒さないで、ドラゴンバスターズの名乗るのはもっと恥ずかしいかもですね。



「ははは、ごめんな。夢を壊すような話で…………。いきなりドラゴンを倒すのは無理だから、まずはブリタニアン領の領下一武闘会で優勝が目標かな?」



 乾いた笑い声が駅構内に響いた。



     パンッ



「って、それより、仕事をさせてくれ」


 手を打った音で、また空気が分かった。

 張り詰めた空気に…………だ。



「安全のため、この駅の戸締まりをして出入りをできなくするから、ここを出る前に人員点呼をして、全員いるかを確認してくれ」



 納得出来るセリフです。

 ここは城郭の外………………それなりに安全は確保されているが、絶対ではないんですからね。

 打てる手を打っておくのは正解です。


 それに、万が一、この駅構内に取り残されたら、丸一日以上この中にいることになるんですからね。



「じゃあ、みんな、ここに並んで~」



 各クラスの先生たちが、それぞれの担当生徒たちの点呼を始めた。



 人員点呼が完了して駅から出た。

 さっきまで、感じなかった違和感が襲ってきた。


 一応、人員点呼をして、過不足なく教員、生徒共に全員いるんだけど…………少ない。

 いや、本当に多くも少なくもないんだけど、直感的に少なく感じるのは、気のせい?

 最近、命を削るような実戦を経験していないので、感覚がバグっているのかな?




平民だろうと犬だろうと、私のライバルになったからにはビシビシ勝負するから覚悟なさい!

えっ!ちょっと何してんのよ?

き、貴族と決闘ですってー!?

次回 平民のライバル

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