615.ゆる~い小学校生活…その85
クラスメートはワイワイガヤガヤと雑談しながら昼食を食べている。
そんなほのぼのとした様子を横目に見つつ、腹ペコ姉妹たちと一緒に席に着いた。
なぜか腹ペコ姉妹たちの席順はローテーションで決まっているらしく、特に揉めることなく、みんな席に着いている。
じゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ
一番融点の低いリブロースのサシの部分が液状になり、ステーキ用のプレートの魔導具の高温部分に触れて、美味しそうな音と匂いを発し、食欲を誘う。
これは食べる前から期待出来そうですね。
注文した料理を載せた『ドローンボー』がボクたちの頭上付近にやってきた。
ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん
もう少しすれば着地するのに、待ちきれないのか、腹ペコ姉妹たちが立ち上がって、『ドローンボー』をお迎えしている。
ちょっとお行儀が悪いですね。
一応じゃないですが、全員、お嬢さまと呼んでも…………いえ、過半数はお姫さまとも呼んでも問題無い身分でしたよ。
「「「「「いただきます」」」」」
着地と同時に食事を始める腹ペコ姉妹たち…………若干、いつもより食事を開始するタイミングが早いですね。
この暴力的な肉が焼ける匂いは反則ですよ。
「いただきます」
スタートダッシュを失敗したボクもちょっと遅れて食べ始めます。
好みもあるでしょうが、普通にステーキとして食べるのであれば、やはり赤身と脂身のバランスが良いサーロインがベストだと思います。
しゃぶしゃぶに向いていますが、ステーキでもレアで食べるのであれば、低温でもサシの部分が溶けてしまうリブロースもいい感じです。
あっさりとしていて、肉自体が柔らかく、リブロースとは違ったとろけるような食感で美味しいヒレ肉も捨て難いですよね。
どの部位もがっつりと食べたいのですが、子供の身体では、プレートの上に載っている分だけでも精一杯。
湖の水を飲み干せるほどとは言いませんが、。もうちょっと食べることが出来ると嬉しいですね。
早く成長したいです。
実際、美味しい料理を食べることも好きですが、元いた世界でのちょっとしたトラウマのせいで、料理を作ることが好きと言うより、作れることが嬉しいって感じなので、少量しか食べることが出来なくても、毎日、料理を作ることが出来ているので一応満足していますよ。
サーロインの最後の一切れを口に入れて、味わいながら咀嚼する。
美味しかったです。
とっても満足しました。
「少ないかなって思ったけど、思った以上に美味しかったし、ボリュームがあったね。もうお腹いっぱいだし………………」
『みんな、帰ろうか』とセリフが続くはずだったんですけど、みんなが話し出したので口を噤んだ。
「美味しかったのですよ。だから、ランスロットくん、美味しいからおかわりを頼んでくるのです」
「…………ししょー…………おかわり………………」
「お、同じモノを注文しておこう。量が少なくて、味がよく分からなかったからな」
「ランスロット様………………シィルも注文してきますね」
「みなも頼むのか? わらわも、少し物足りないと思っておったところじゃ。うーん。みなが頼むのなら、わらわも注文してくるのじゃ」
なぜ?
おかわり?
今、ボクと同じくらいの量を食べたよね?
とりあえず、驚いてみましたよ。
だてに脳内で『腹ペコ姉妹』と呼んでいません。
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「美味しいモノは別腹なのですよ。注文してくるのです」
「…………ししょー…………べつばら………………」
「別のを頼まないと美味しさの比較ができないな」
「ランスロット様………………ごめんなさい。シィルも注文してきますね」
「わらわも付き合うのじゃ」
似たようなセリフを8回ほど聞いた記憶がある。
と言う感じで、ランチタイムがエンドレスとなる予感がほんの100%くらいした。
【第616問】
海水に含まれる主な成分は水となんでしょう。
【うな子の配下たちの血と涙】
……何があったんですか?
次回、『ボクとキャンプとお祭り騒ぎっ!』
ここ、テストに出ます




