611.ゆる~い小学校生活…その81
ゆっくり休みすぎて
書き溜めが無いまま再開です。
学生食堂の『マンガ肉』は作り置きですけど、出来上がりの状態のまま、時間停止タイプのフードショーケース型アイテム収納に入れてあるので、常にベストな状態で提供することができます。
オーダーが入れば、自動的に『ドローンボー』の上に取り出されて、注文者に届くんですよ。
まるで魔法でも使っているかのようなシステムになっています。
もちろん、当然のごとく魔法で制御してますけどね。
ホントに魔法って便利です。
ブゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン
『ドローンボー』は、【飛行】魔法で浮かんでいるのでモーター音や風切り音などは発生しません。
でも、周囲に警告や接近を気付かせる意味で、不快にならない程度の音を出す仕様になっているんですよ。
ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん、ぴこーん
警告音を発生させながら、パルテノ先生の頭上付近に着いた『ドローンボー』は高度を下げていく。
ホコリなどを寄せ付けないように風魔法で内から外へと空気が流れているせいで『ドローンボー』の上に乗せられたいい感じに焼けている『マンガ肉』の食欲をそそる匂いが鼻腔をくすぐってくる。
思いがけなかった効果がでているのは計算外ですね。
まるで待てが出来ない肉食動物のようなパルテノ先生の視線が『マンガ肉』を捕らえた。
高度が下がった『ドローンボー』の上の『マンガ肉』にもうそろそろ…………。
「いただきま~す」
は………………速いです。
『マンガ肉』を手にするタイミングが想定より早すぎました。
そして、『マンガ肉』に食い付くのも速かったです。
「うっ、うっ、うまぁ~い。………………涙出てきそう…………」
想定以上の美味しさの料理を口にすると涙が出てきたり、笑いが止まらなくなったりしますよね。
パルテノ先生は、ボクと一緒で、涙が出るタイプのようです。
まぁ、元いた世界の家庭料理のように口にしたくない不味い料理は、視界に入っただけで泣きたくなるんですけどね。
って、そんな胃から口の中へと酸っぱいモノがせり上がってくるような話題は置いておきます。
それにしても食欲をそそる良い匂いです。
分量は企業秘密ですが『マンガ肉』には金貨豚のラードを使っているので当然の結果ですけどね。
涙をぽろぽろと流しながら、まるでマンガのワンシーンかのように無言で『マンガ肉』にかぶりついているパルテノ先生。
そして、食べきって、パルテノ先生は素に戻ったようです。
「あっ、ごめんね。先生だけ美味しく食べてちゃダメだね。じゃあ、次はみんなが…………」
「ちょ、ちょ待つのじゃ」
いきなり進行を妨げたのは、ダキニ先生。
いや、そうでもないのか?
「次は我じゃ。我が注文するのじゃ」
あ、そうですね。
一応、予定では、パルテノ先生とダキニ先生が、お手本として注文するはずだったので問題無いかもですね。
子供でも分かるように、学生食堂のオーダー用のシステムのユーザーインターフェースにはこだわったので、パルテノ先生がお手本を見せただけでも充分だと思うけど………………口出しは辞めておきましょう。
「おにぎり、おにぎりはない………………のか?」
やはり、一択ですか………………。
学生食堂のおにぎりもかなり拘っているので、口にしたらここ以外では食べることが出来なくなるかもしれないですね。
おにぎりに使用しているお米はテスト出荷中の『ドラゴンズ・アイズ』と言う品種をチョイスしています。
一粒の重さが『ドリームピーリカピリララ米』の約3倍です。
めっちゃ大きいんですよ。
『ドラゴンズ・アイズ』は、水分量が多いので、米を研いだあと、水に浸さなくても、すぐに炊いても美味しく炊けるんです。
ただ『ドラゴンズ・アイズ』だけでは、粘り気が少なく、弾力があるので、おにぎりにすると、しっかり握っても崩れやすいので、『ドリームピーリカピリララ米』とのブレンドにしてあります。
計画では、『ドラゴンズ・アイズ』の生産量は控え目にしておいて、物理的に流通量を少なくすることで、ブランド価値を上げていく予定です。
推定卸売価格は、『ドリームピーリカピリララ米』の4~5倍くらいですか?
元いた世界だと、おにぎり1個で千円とかになりそうです。
で、この世界だと、おにぎり1個で金貨1枚とかですか?
自由気ままなはずの食事時間
そこへ大声と共に、元神さまダキニが来たっちゃ
学生食堂はにわかに大パニック
大食いダキニに対抗すべき物量作戦も一時しのぎ
食材不足に刻々と近づくし…
次回は、『神さま復活!学生食堂大騒動!!』で、会うっちゃ




