061.はがねの錬金術師(?)伝説…その22
『疾きこと山の如く、徐かなること風の如く、侵略すること林の如く、動かざること火の如し』
話が動きます。
さらに横道にそれるルートはそのうち、『閑話放題』で
なんだかんだあんなこんだでねこがねこんだあなこんだで囮作戦開始……いえ、すでに中盤です。
ひいおじいさまから貰ったウェールズのお屋敷を出てからすぐに魔族の尾行がついたので、強襲されやすい場所を通ったんですが、見事にスルーされました。
スルーの原因であろうメイド服を着たお父さま。
お父さまのせいで、注目を浴びすぎました。
男性女性とも振り返って見るんです。
たぶんその注目を嫌って襲ってこなかったのでしょう。
魔族がお父さまに見とれていて行動出来なかったって事実はありません。
本当ですよ?
と言うことで、ヒンヌー教会の司教さまのおじいさまに面会をして、おじいさまに『妻の若い頃にそっくりだ! 俺の妾にならんか』と口説かれたお父さまを擦り付けました。
メイド服を着こなしていたお父さまの正体をバラしたら直ぐでした。
「バン、お前はなんて格好を………」
「いや、コレは、息子に頼まれて」
「ランスロット、ホントか?」
「はい、お父さまは、ボクに借金があるので、嫌々ですけど引き受けてくれました」
「ちょ、ランスロット、おま………」
「………バン、息子に借金だと……それも3歳児に、俺の躾が悪かったのか……今からでも遅くない。ちょっと、バン、こっちに来い」
「いや、俺、じーさんに頼まれた用事が……」
「おい、ダレか! 奥の拷問部屋を使うから、ダレも通すなよ」
「えっ、いや、オヤジ、マジで?」
「あ・た・り・ま・え・だ・ろ!」
ああ、あの時のお父さまの悲鳴はトラウマになりそうでした。
そんなお父さまの犠牲が無駄になりませんでした。
闇討ち………超計画通りです。
いや、やっと大勢でついてきていたヤツらが襲ってこようと動き出しただけです。
表で手出し出来なくして、その上、幼児3人で、暗くなり始めた夕方に出歩く無防備さを見せたんです。
当然、襲ってくると思ってました。
透明度の高い釣り堀で釣りをしている気分でしたけどね。
謁見の間では、魔族1匹しか、叩きのめすことが出来ない状況でしたが、予定通り、選り取り見取りの状況です。
くっくっくっくっくっくっくっくっ。
これで、不完全燃焼なく、暴れられますよ。
叩きのめして、捕縛魔法で確保、そして、まとめて、強制送還です。
殺す?
生温いです。
生かして、永遠に苦しんでもらいましょう。
もちろん、冗談ですよ。
2%くらいね。
人数は1小隊……30人ですか。
検索魔法を使わなくても、これだけ殺気を向けられれば、簡単に分かります。
「くも子、魔族を逃がさないつもりだけど、逃げたヤツは捕まえて。殺しちゃダメだよ。楽にさせるつもりはないからね。お稲荷さんは、悪いけど、見ててね。今回は倒すだけじゃなくて、生きるのがイヤになるくらいの制裁をするから、お稲荷さんの手加減攻撃だと優しすぎるんだ」
くも子にくも子の分体たちに命令をして貰うための命令です。
「はい♪ オーナー。待ち構えるのは、得意中の得意です。でも、ここに来てる魔族全員の首の後ろにマイクロくも子が待機してるんで、実質やることないですよ」
くも子の説明だと、細い綱糸を首に巻き付けて『キュッ』で首が落ちるそうです。
「うん………おいちゃん………見てる」
『優しい………優しい………』と呟きながら頬を赤く染めるお稲荷さん。
あ、うん、そういう意味じゃ無いからね。
時間がないので、次回てきとー予告
謎が謎を呼んでいない今回の事件、その根っこは結構浅そうです
でも、ボクと○○○はやっと再会だねぇ
ついでにもっとたくさん悪い事があるんだけどね~
次回、魔法幼児ラジカルランスロット、第二話『再会、そしてさよならなの?』
ラジカルマジカル、頑張ります




