605.ゆる~い小学校生活…その75
と言うことで、学生食堂に来ました。
正確には、学生食堂のエントランスの手前ですね。
学生食堂のエントランスは、200人くらい入れるほどのスペースがあり、壁には学生食堂で食べることの出来る料理の写真が貼ってあります。
食品サンプルの代わりですね。
この世界では食品サンプルの認知度というか概念というか…………そもそも食品サンプルがない…………いや、あるにはあったというか、作ったけど無くなったというか、とにかく職人サンプルを間違えて食べてしまう可能性が体感的に100%なので、作らないようにしました。
ガラスの需要と供給のバランスが取れて生産が落ち着けば、ショーケースとか作れる余裕が出来るようになるので、食品サンプルをショーケースに飾れば出しが出来なくなるのでは無いかと、淡い期待をしています。
現状、ガラスの生産量は、ドラえ・モンモランシーたち龍人たち次第なので、【フェイト一発受胎ちゃん】の活躍を期待せずにはいられないですね。
って、話が逸れましたね。
当初の予定では、学生食堂は、学生の学生による学生のための食堂だったのですが、調理ギルドを設立することが決まったので、予定が変わっています。
まだオフレコですが、1年間学生食堂の仕事を頑張って、調理ギルドのお墨付きである営業許可を貰って、本人が希望すれば、トルネドさんやマッコォイさんから、出資して貰えるという特典付きなんですよ。
仕入れルートさえ確保出来れば、完全に独立も出来ます。
って、そこまで仕入れルートの確保は難易度は高くはありません。
現在の予定では仕入れるだけであれば調理ギルド経由で出来るようになるかと思います。
もっと安く仕入れようと思えば、『トルネド商会』『マッコォイ商会』『ピピン商会』との直接取引をすれば可能になるかも知れないですね。
あとは、『EX』…………『真空チューブ列車』の商標である『ホバーエクスプレス』の略ですが、その『EX』と冒険者を使えば、安くなるかどうかは不明ですが、独自の仕入れルートを作ることは可能です。
「みんな、食堂に入る前に一度止まって~」
目の前に学生食堂が見えているのに止められた。
学生食堂のエントランスの手前です。
混雑と言うか、他のクラスが学生食堂内にいるっぽいですが、200人は入れる学生食堂のエントランスには誰もいないので、クラフトマンクラスの生徒全員がそのまま入っても大丈夫なくらいのスペースが空いています。
あれれ?
何でここで止めたのでしょうか?
「確認して欲しいことがあるから、冒険者カードを出して~」
ああ、そう言うことですか…………なんとなく学生食堂に入る前に止めた理由が分かりました。
学生食堂用の魔導具で苦労した部分の動作確認をするようです。
動作テストではなく動作確認ですよ。
とっくに動作テストは済んでますからね。
「こんな風に冒険者カードを左から右にスワイプにすると、サイコー小学校用のメニューが表示されるから、みんなやってみて」
みんな、仲の良いクラスメート同士でワイワイガヤガヤと雑談しながら冒険者カードを操作しています。
もちろん、腹ペコ姉妹たちもです。
「こうで………………こうっと、出来たのですよ」
「…………ん~~~…………らくしょー………………」
「どう言う仕組みになっているか分かんないけど、不思議だ。でも、操作するだけなら、簡単だな」
「そうですね。冒険者カードに限らず。魔導具は不思議ですね」
「こうして…………あれ? 右から左に…………不思議じゃ。本当にこの冒険者カードは不思議じゃな。ダァ、変な画面になったのじゃ」
冒険者カードは元いた世界のスマートフォンをベースに作成されているので、操作は簡単です。
だから、子供から1000歳を超えるエルダーエルフでも、普通に使え………………って、何やっているんですか!?
「ちょっと、グィネヴィアさま」
「ダァ、ハニーでいいのじゃ」
「そ、その件はついては、検討に検討を重ねて、検討が加速させてもらいますね。で、ちょっと操作がややこしいのとセキュリティの関係で本人の指でないと操作できないので、グィネヴィアさま、手を上から重ねて操作しても大丈夫ですか?」
よく分からないけど、グィネヴィア嬢は新しい冒険者カードの管理者画面を表示させちゃったみたいです。
セクハラレベルの発言ですが、許可を取らずに黙って行動すると、子供とは言え相手が伯爵令嬢なので、安全策をとりました。
あ……………………貴族向けの新しい冒険者カードの有償オプションであるオーナーズデスクのオペレーター…………くも子ですね。
対応だけなら、件のくも子経由で出来ますけど、今さらですね。
「べ、べ、べ、べ、べ、べ、別に、そ、そ、そ、それくらい問題な、な、な、な無いのじゃ」
噛みましたって感じです。
でも、許可は貰えましたね。
『夢ドリーム再び!!桃色防衛戦を突破せよ』
ランスロット、君はまだまだ女の子の事を知らな過ぎます。見ていて下さい、いよいよ本気を出しますよ
よし、行って来い腹ペコ姉妹たちよ。汝たちの○力も最近地味に上がっているようだし、ランスロットを踊らせてこい、リズミカルにな
時は来た
ブリタニアン卿にもちゃんと話す時が来たようですね




