057.はがねの錬金術師(?)伝説…その18
一応、飯テロ回終わり
分ければ、昨日の18時に投稿できたかも…………
「美味しいです。美味しいです。匂いだけで胃袋をキューッと完全に掴まれました。ヴィヴィアンは、ヴィヴィアンは、もう、ランスロットさまがいないと生きていけない身体になっちゃいました。ですから、ですから、もう、ランスロットさまに一生付いていきます」
いや、まだ、食べてないよね?
一口も食べてないよね?
せめて、フォークくらい持とうよね。
そう、この献立で、フォークなんです。
さすがに箸はまだ浸透させれていません。
「でも、これ、美味しいわ。ママは、ランスロットのママで良かったわ。このランスロットが作ってくれたサーモンの塩焼きは、ご飯が進みやすいように塩加減が少しきつめになっているけど、素材の美味しさを壊していない。そして、力を入れなくてもホロッと崩れる身……まるで今のパパのよう。玉子焼きは、ふわふわとしながらも弾力があり、舌触りはまるで、パパが着ているメイド服………そう、スパイダーシルクのよう。この素材独特の甘さと塩加減のハーモニーが素晴らしい。まさに『この素晴』。そして、最近定番になったご飯。ふっくらもちもちとして美味しい。さらにこのスープ。ううん、ランスロットが作ってくれる料理には、甘味、酸味、塩味、苦味の4つの味覚以外にも何かが隠れているような気がするの。そして、この隠れている味が芯になって、美味しさを強調してるって感じ。パパにもこういった芯があったらねぇ」
料理の評価なのか、お父さまをディスッてるのか、良く分からないコメントありがとうございます。
お母さまが感じ取ってるのは旨味です。
旨味を感じ取れる人種は少ないって聞きますから、これは貴重な情報です。
普通に作れば、美味しく感じてくれるってことです。
「おひひゃん……おはわり………もぐもぐもぐ………おいちゃん………おかわり………」
言い直すお稲荷さん。
ほっぺにご飯粒がいっぱい。
もふもふ枠で充分なのに、これ以上の可愛らしさアピールは不要です。
おかわりをよそいますから、ちょっと待っててくださいね。
その代わり、今晩もまた尻尾をもふもふさせてね。
「ああ、今日、本体担当でよかった。こんな美味しいものを食べることが出来るなんて、もう罠にかかったのをそのまま丸かじりで食べるなんてできないわ。調理、調理担当が必要だわ。でも、とりあえず、今日は食べられるだけ食べちゃおう。うちのおかわりはいくらでも入るもの。オーナー、うちにもおかわり頂戴」
身体の成長具合で、表に出てくる力や性格が変わるけど、中身は全部一緒のくも子。
無限の分体がいるから、『私の代わりはいくらでもいるもの』とかのセリフだったらぴったりなんですけど、『うちのおかわりはいくらでも入るもの』って、若干違うだけで非常に迷惑なんで自重してください。
マジ迷惑です。
ああ、少しくらいは、おかわりを上げますから、拗ねないでくださいよ。
「丸かじりしない魚でも……いいえ、丸かじりしない方が美味しい……これは、朝昼晩、食事時にお邪魔しなくてはいけないわ」
来るなら、食事時じゃなくて、食材を持って食事の前に来てください。
そっちのほうがありがたいです。
食事時に食材を持ってこられても、正直、食材をアイテム収納するだけで終わっちゃいます
アイテム収納がなければマジ迷惑行為です。
「うんめぇ~~~なぁ、魚なんて食ったこと無がったけんど、このサーモンの塩焼き、まじうんめぇ~~、バン、てめぇ、こんなん、毎日食ってんのか!!」
どこのボクのピンホールのようなストライクゾーンから外れている海老なんとかちゃんRですか!!
と言うか、海老食べたい。
くも子の脚…………伊勢海老の味がしたけどあれば海老じゃない。
海老じゃないんだよぉ。
本当の海老を食べたいんだ。
在庫はあるんだよ。
本当に在庫はあるんだよ。
うな子がいっぱい、いっぱい持って来て来るんだよ。
3歳児の胃袋は小さいんだ。
でも、吐きながら食べたくないし………。
「俺だって、食ったことねぇーよ。と言うか、そのサーモンの塩焼きって、本当に美味いのか?」
お父さまは鑑定魔法を使ったようだ。
鑑定魔法を使えば、今の状況が分かるよね
「バン、オレの言うことが、信じられねぇのか? 食ってみろよ。これ以上ないってくらいに、美味いぜ」
エクトル卿はバカ舌じゃないの。
味覚はちゃんとしていると思うの。
「俺とケイのサーモンの塩焼きだけは、この一切れで、金貨1枚のだからな」
そう、味の比較対象がないだけなの。
一切れで金貨1枚モノでも充分美味しいんです。
でも、それ以上のモノがあるんです。
「マジかぁ。こんなのが一切れ金貨1枚か……。さすが、閣下だぜ。こんな格好させられたときは少し恨んだが、こういうご褒美とかあると、ヴィヴィアンじゃないが、一生ついて行きたくなるな。ああ、うめぇ、マジうんめぇ」
そんな可哀相な子を見るような目で見ないであげて………………。
「ランスロット、俺もランスロットやエレインたちと同じく一切れ金貨100枚の方を食べたいんだけど……さすがにこれはお金を取らないだろう?」
用心深くなったかっこいい…………メイド服姿のお父さま。
「気付きましたか…」
ボクも気付いたのを気付いていましたけどね。
「ああ、見た目のテカテカも全く別モンだし、あんな事があったんだ。あんな失敗しないように鑑定魔法を使うようにしたからな」
これが、メイド服姿じゃなかったら…………借金のために見せ場を潰したお父さまとエクトル卿…………エクトル卿は見せ場というより、見せ馬鹿?
そんなことないです。
エクトル卿もかっこいいです。
ただただ、体力方面にパラメーターが振られているだけです。
でも、普通はそう言うのを…………………………なんでもないです。
「もうちょっとしたら、出すつもりでしたんですけどね。はい、お父さま、それと、エクトル卿もどうぞ。後、他の人にも、本当のサーモンの塩焼きを出しますね。一切れ金貨1枚のとが一切れ金貨100枚のを食べ比べてくださいね」
ぶっちゃけ、100倍も味は変わりません。
作る人が同じなので、基本の味付けは一緒ですからね。
でも、素材は良いです。
ただ、金額のように100倍も違いはありません。
と言うか、金額には味が含まれていません。
ただただ、素材の金額だけです。
『希少価値が分かるヤツと知ったかぶりするヤツに売りつければいいだけだ。だから、わしが今ある全部貰って行くぜ。臨時収入もあったしな』
と言って、在庫を買い占めちゃいました。
鶏が鳴くまでに、代金を揃えることの出来なかった人が多かったようです。
ちなみに、エクトル卿には、再度、一切れ金貨1枚のを渡しました。
『さっきのより、100倍うんめぇ~』だそうです。
まぁ、言った後にネタばれしましたけど……。
勿体無いと思いましたが、一切れ金貨100枚のも渡しましたよ。
でも、エクトル卿の感想も的を得ているような気がします。
味に目や耳から入る情報がかなりを占めていると思います。
それが、まやかしだとしてもね。
なんとかガッテン……………………なんでもないです。
噂を聞いただけで、見たこともないですしね。
さて、この先の展開のストック無し
たぶん、マッコォイさんとトルネドさんとの商談+情報交換?
そして、おじいちゃんとワインとお小遣いの交換か?
ああ、ここはプロットを書くとこじゃないね
と言うか、いつものようにプロット無いし




