053.はがねの錬金術師(?)伝説…その14
阿鼻叫喚前に、さらなる燃料投下
「マッコォイさん。私にも1枚噛ませて下さいよ」
トルネドさんが、マッコォイさんに声を掛けた。
さすが、商売人。
声を掛けるだけならタダですからね。
「噛ませてやってもいいが、代金の回収できんのか?」
マッコォイさんのセリフに言葉を詰まらせるトルネドさん。
と言うか、何故言葉を詰まらせる?
金持ちから、ワインの代金を回収するだけなのに………。
いや、そんなことより、奇跡のワインは、味見用だけで、すでに50本は売れている。
しめて、金貨24万枚、約24億円………ノンストップニヤニーヤ♪
「……まあいいや、記帳くらいやってくれれば、それなりの分け前はやろう」
間が少しあったので、少し考えてから、マッコォイさんは、そう答えたようだ。
「ありがとうございます。マッコォイさん。だいぶ、丸くなられましたね」
もちろん、性格のことだろう。
これが体格のことだったら、うちの女性陣は……………………ごめん、なんでもないです。
「何を言っている。全盛期より、血が騒いでいるぞ。これほど面白いのは久々だからな。ちょっと、代金の回収が必要になるように売り込んでくる。トルネド、ここを任せたぞ」
代金の回収が必要って、一応、全部、回収して貰わないといけないんですけど?
「もちろんです。私の分け前が多くなるように頑張って下さいね」
まぁ、普通に考えれば、手数料が必要になるような代金回収のことですね。
「おうよ」
ニヤニヤと、マッコォイさんは、そう返事をすると、真っ直ぐ目的の人物に向けて歩いていった。
「まだ開けてないのか、さっさと、こいつを飲んでイヤなことなんか忘れちゃいなよ」
マッコォイさんが、声を掛けたのは、ワインの瓶をずっと見つめていた海割大臣。
「せっかく買ったワインだ。飲まないと勿体ないですよ。ワインに罪はないですから……」
ワインを飲むように勧めた。
「それも、そうだな…………」
ワインをラッパ飲みする海割大臣。
口から溢れたワインはいくらくらいするんだろう?
貴族がお金を使って経済を回してるって聞いてるけど、これだけ豪快にならないとだめなのか。
「こ、これ、マジで、美味いな。もう1本。いや、5本くれ」
くっ、マジで、これだけお金を豪快に使わないといけないのか……。
金貨24,000枚 約2億4千万円を、ポンッとワイン代として払うんだぜ、信じられるか?
「かしこまりました。そうそう、せっかく、大臣になられたんですから、自分へのご褒美にもう少しご購入されたら、どうでしょうか? こんなワイン、いつ売りに出されるか分かりませんよ」
さすが商売人。
さらに、勧めるか。
「じゃあ、30……いや、50本くれ」
『自分へのご褒美』と言う、決まり文句に落ちた。
「かしこまりました。ありがとうございます」
1人で約24億円分のワインを買うなんて、どれだけ、自分にご褒美を出すんだよ。
でも、これで約100本売れた。
マジぼろ儲け。
と言うか、お父さまとケイ叔父さん………エクトル卿………陞爵や授爵したとは言え、そんなに買い込んで大丈夫ですか?
貴族の報酬って、奇跡のワインを大量に買っても問題ないくらい貰えるの?
バイクがお店に入ったそうで
週末に家に届く予定
と言うことで、週末の投稿はどうなることやら?




