051.はがねの錬金術師(?)伝説…その12
閑話っぽい話ですが………
とりあえず、撒き餌が終わったのと一段落ついたので、立食パーティーとお茶会の中間っぽいのが始まりました。
本格的な食事やお茶会ではなく、軽い打ち上げのような感じで、軽食と飲み物が出されただけです。
と言うか、挨拶攻めに疲れた………。
お父さまとケイ叔父さん………エクトル卿も挨拶攻めにダウンしている。
さっきの謁見で陞爵と授爵合わせてブリタニアン領だけ3人も出たんです。
あやかろうと、我も続けと言う感じで、色々聞かれた感じです。
でも、ニッテイの籠が無ければ、狂気半島で独立国家が作られなかったように、ボクがいなければ、有り得ないと思いますよ。
「もう仕事もないし、軽くワインとか、アルコールが欲しいところだな」
隣で挨拶につき合ってくれていたひいおじいさんが、そう言ったので、アイテム収納から何かを出しましょう。
ブリタニアン領の名産にしようとしている、ラム酒やラガービール、蜂蜜酒………いいえ、宣伝じゃなくて、お祝いも兼ねて、取って置きのを出しましょう。
「えへへ、じゃあ、売ってお小遣いにしようと思っていたワインを出しますね」
うな子が持ってきた、カレーの隠し味に使った海底熟成された600年ものの完璧な状態の奇跡のワインです。
鑑定価格、1本、金貨4,800枚もするワインですけど、量もあるから少しくらいは、出しても問題ないです。
「そうか、そうか。みんな、俺のひ孫が、ワインを売ってお小遣いにしたいらしいから買ってやってはくれぬか?」
ひいおじいさまが、周りのお偉いさんに声を掛けました。
「いいんですか?」
さすが、貴族です。
お金を持っていますね。
それに比べて、うちみたいななんちゃって貴族は………とお父さまの方を見る。
「構わぬ。構わぬ。で、何本くらいあるんだ?」
うちの貧乏さを考えていたら、質問されました。
「1,000本以上はありますけど、出せるのは200本くらいですね」
元々樽に入ってたのを、販売しやすいようにアンティークっぽいガラス瓶に入れ替えています。
1,000本以上と答えましたが、1万本以上あると思います。
あまり多めに言うと、希少価値性が薄れて、価格が下がるような気がするから、少な目に言っているんですよ!
「毒味官。確認するまでもないが、この俺のひ孫のワインは安全だよな?」
宝物官と一緒に部屋のすみに立っていた男にひいおじいさまは声を掛けました。
まぁ、毒味役は当然いますよね。
でも、ひいおじいさまの聞き方だと、毒が入っていても、『安全です』って答えないと、首を斬られそう………物理的に………。
「………仰られるとおり、安全は安全ですけど………そのワインは………」
引きつった顔で、そう答える毒味官。
………鑑定魔法持ちっぽいですね。
と言うか、鑑定魔法があるんですから、検査や飲食して判断するよりは、鑑定魔法持ちの毒味官が鑑定魔法を使ったほうが安全で確実に調べれますよね。
「なんじゃ、念のためとか言って、いつものように味見はせんのか?」
プルプルしている毒味官。
1口で約金貨100枚、100万円ほどするんですよ。
庶民じゃ気後れもしますよ。
「め、めっそうもございません。わたしには分不相応すぎるワインです」
ボクだって、思考停止させないと、こんなワイン使えませんよ。
「俺のひ孫のワインだからって、そんなにビクつかなくてもいいんだぞ。ああ、ランスロットに大公の爵位をやったから仕方が無いか」
ひとり納得するひいおじいさま。
「………そういうわけじゃないんですが」
小さくなりながら答える毒味官。
マジ小市民。
「これで、安全性も確保された。みな、ひ孫のワインを買ってくれるんだよな?」
質問形式の命令………。
「「「「「「よろこんで」」」」」」
どこの居酒屋だ!
この時間の投稿は家に帰ってきてから
ちゃちゃっと書いてます。
次回、予想通りの展開です。




