048.はがねの錬金術師(?)伝説…その9
さらに話がそれた…………
そして、くも子の出番が伸びた。
まぁ、くも子の活躍の場はいくらでもあるんだけどね
いや、くも子がいないと話が進まなく………
ひいおじいさまは、腰を曲げて2本の剣を色々な角度から観察しながら何か考えているようだ。
そして、不意に直立し、壁際で待機しているお偉いさんたちに、命令をした。
「宝物官………宝物官を呼べ! 早く呼ぶのだ!」
お偉いさんたちが、ドタバタとした後に一人の男が現れた。
「お、やっと来たか。お前は、宝物官として、これにいくらをつける?」
そうして、呼ばれてかったるそうにしている宝物官にひいおじいさまは徐に質問をした。
「えっ、どういうことでしょうか? これ剣ですよね」
急に話を振られて、興味無さそうに聞き返してしまった宝物官。
「国王さまは、その剣の価値を知りたいそうだ。早く鑑定魔法を使って調べるんだ」
ひいおじいさまのこめかみがピクピクと動いているのを察して、お偉いさんの一人が宝物官と言われた男に鑑定魔法を使うように促した。
「やれやれ、面倒ですね。えっと、装飾は多少派手ですが、2本ともただそれだけの剣ですね。鑑定魔法を使うまでも無い。装飾が本物なら金貨300枚、偽物でも出来がいいので金貨40枚ってとこじゃないですか? 宝物官として言わせて貰いますけど、新たに宝物庫に入れれるような武器なんて存在しませんよ。そんな武器は、攻略不可能なダンジョンの宝箱を開けるか、海の底を浚わない限り見つかりませんよ。だから、こんなつまんないモノじゃなくて、もっと、ちゃんと、お宝を鑑定させてくださいよ」
チラ見しただけで、へらへらと適当な回答をした男。
それとは対照的に壁際のお偉いさんたちが血の気の引いた顔をしている。
「何のための鑑定魔法持ちだ! お前を雇うのにも多くの税金を使っておるのだぞ。もったいぶらずにさっさと鑑定魔法を使って調べろ」
ひいおじいさまがキレる前にさっきのお偉いさんの一人が怒鳴った。
「へいへい、調べればいいんでしょ。調べれば…………鑑定魔法は疲れるんですよ」
鑑定魔法を使えるモノは多い。
超かっこいいお父さまですら使えるんだ。
でも、鑑定魔法の結果は個人個人で異なってくる。
宝物官ともなれば、それに特化した結果が出るんだろう。
そして、『鑑定魔法は疲れるんですよ』と言うそんな呟きに反応するボク。
チラッと、宝物官の魔法回路基板の魔法回路を調べてみる。
魔力効率の悪い魔法回路で、魔法起動時の魔力不足を体力をごっそりと削って魔力に変換して対応する仕様になっている。
ああ、これは、魔法を使いたくないと思う魔法回路だな。
まぁ、その魔法回路を改良出来るが、そうしてあげる義理も無い。
名前すら知らない人だしね。
「ほ、本物……本物の『王家の剣エクスカリバー』と『選定の剣カリバーン』が存在するなんて………」
ふらふらと、後ろに下がって尻餅をついた宝物官。
「で、その剣にいくらをつけるんだ? 金貨300枚か? それとも金貨40枚か?」
今度は、こめかみをピクピクさせたひいおじいさまが宝物官に問いただした。
「分かりません……本物の『王家の剣エクスカリバー』と『選定の剣カリバーン』の価格なんて分かりません……鑑定魔法でも価格が分からないんです……だから、答えようがありません」
首を横に振りながら、そう言う宝物官。
でも、それに追い討ちを掛けるように、ひいおじいさまが怒鳴った。
「だから、この2本の剣にいくらをつけるか聞いておるのだ。現国王として『王家の剣エクスカリバー』と『選定の剣カリバーン』を王国の至宝として、宝物庫に保管しておきたいのだ。そのために、正当な対価を支払いたいんだ。だから、早く、その対価になる価格を言うのだ。いくら態度が悪くても宝物官として役に立っていたから雇っていたんだぞ。モノの価格が分からないなんて、それでも、宝物官か!! それとも御伽噺にしか出てこない2本の剣の所有権を主張して取り上げろと言うのか? いくら身内とはいえと王国の至宝になる剣を取り上げるという愚王の真似をしろと言うのか?」
そのひいおじいさまの迫力に宝物官は腰を抜かしているようだ。
宝物官は『無理です』『ダメです』『できません』『仕様です』とか呟きながら、後ろに逃げようとしても、上手く逃げれていない。
ごめん、『仕様です』とは言っていないね。
と言うか、逃げんなよ!!
TH3の「……電話どこで取ってる?」「右手……」みたいな会話………大好物です。




