042.はがねの錬金術師(?)伝説…その3
茶軸のキーボードが調子がいい
その代わり、目の調子が悪く、目を開けてるのも辛い
「わしもここに来るまでに聞いた話なんだがね。どうも、この周辺の岩塩を守るドラゴンが交代したらしくてね。他の国同様にかなり厳しい条件をつけられたらしい。王国として王国民に塩の値段上昇の負担をさせないように、値段を変えずに岩塩を仕入れてくると言った(不安を煽ってゴミ同然の)壷や版画を高値で売りつけている口の上手いブタイル商会に城郭の庶民用の入口の検問の権利を貸し出したんだ。で、そのブタイル商会は元を取るために、いろいろと好き放題してるんだよ。城郭の門を通ろうとする庶民相手にな。さすがの国王も貴族相手の門までは許可を出さなかったらしいが……。城郭から出ない庶民は恩恵を受けるんだけど、私みたいな商人だと、本当に迷惑だよ。その2人の嬢ちゃんたちが、あいつらを本当に倒せるなら倒して欲しいくらいさ。ははははは」
マッコォイさんの目は笑っていない。
本気だな。
「3歳児相手に何言っているんですか? そんなに難しい話を3歳児が理解できると思っているんですか? それに、国から正式に許可されているんだし、やりたい放題していても、ルールは守っているんでしょ?」
見た目3歳児に話す内容じゃないです。
マッコォイさんは、エルフティア王国での噂だけでボクの正体を特定したのか?
いままでの態度を見ればそうとしか考えられない。
「理解出来る出来ないは関係ないぞ。退屈しのぎに、わしが坊ちゃんに話したいだけだよ。………坊ちゃん。あそこに、検分してるヤツに横から声を掛けて、城郭内に入ったヤツがいるだろ? あれは、変装しているが狂気半島の魔族だな。本来なら城郭内に入れないヤツらだ。あんなの城郭内に素通りさせてブタイル商会のヤツらは何をたくらんでいるんだろうな?」
【検索:魔族】
これだけ情報を貰ったら、調べないわけいかないでしょ。
と言うことで、検索魔法で魔族を検索する。
赤いマーカーが網膜走査ディスプレイに表示された地図を埋めていく………。
「約600人………匹か?」
あまりの多さに呟いてしまった。
1個大隊の魔族が城郭内に入り込んでいる。
こいつらがテロ行為するというのなら、まるで、トロイの木馬のようじゃないか!
殲滅するのは簡単だ。
約600匹をタゲったまま、攻撃魔法を撃てばよい。
本当に悪と言うのならそれでもいい。
そうじゃなかった場合……。
ひいおじいさま……国王さまに会って確認しなくては!
でも、どうすればいい?
まだ、面識が無いんだよ。
それに、こんなとこで無駄に時間を使っている余裕もない。
この状況を理解するためのヒントとか手がかりがあれば…………。
がりっ
思わず、親指の爪を噛んでしまった。
手が、がりっ………………………………………。
ごめんよぉぉぉぉ、非常に拙い状況だってヒシヒシ感じてるんだよ。
でも、でも、どうしたら、いいか分かんないんだよ。
「お急ぎなら、坊ちゃんは、あちらの貴族用の門を使われたどうですか?」
って、やっぱり、正体を知っていたようだ。
そうか、身ばれを恐れて、庶民用に並んでいただけだ。
今の状況なら、逆にバレた方がいい。
でも、身ばれをしてまで城郭内に入ったとして、どうやって、ひいおじいさまに?
ひいおじいさまに会ったことのない3歳児が国王さまにあえる確率は皆無です。
だけど、この状況、絶対にひいおじいさまに会わないと拙いです。
謁見のルールなんて知らないぞ。
異世界通信網でぐぐっても意味ないし、それなら力任せに……。
「驚かれませんね。では、ランスロットさま、『金さえ出すなら、ドリームランド以外からならなんだって仕入れてきてやるさ』が心情のマッコォイ商会のマッコォイ・ジードライを今度ともよろしくお願いいたします。では、手始めに、貴族用の門を一緒に通過させて貰えたら、サービスで国王との謁見の機会をご用意いたしますけど、いかがですか?」
ボクの望むことを、さり気なく提案してくるマッコォイさん。
本当に敵にしてはいけない。
このマッコォイさん、マジ怖いよ。
トルネドさんが可愛く見えるよ。
ストック無し
次話、マジヤバくね?




