036.Hな下着を求めて……Hななのは(略)…その9
車のゲームに時間を取られないのは
いいことのような、虚しいような…………
「囲まれた」
思ったこと……いや、今の現状をそのまま口にした。
強襲だった。
小さい蜘蛛が前に、大きい蜘蛛が後ろにいるので、すり鉢上になって囲っている。
「ん………」
お稲荷さんも、ボクのセリフと現状を把握して短く返事をした。
周辺の木が、まるで発泡スチロールように切られていっている。
そして、切られた木は倒れることなく消滅している。
いや、アイテム収納持ちか……。
どんどんドーナツ状……徐々にドーナツ状の切り開かれた場所が真円状になった。
森の深淵をまで来たら、森の深淵に住まうモノにスッカリと真円状に囲まれたと……。
小さい蜘蛛にまで命令が行き届いているのか威嚇すらない。
ただただ、ボクたちを囲っているだけだ。
ボクたちの見た目でない部分はすでに把握済みってことだろう。
そうなると、多少、心に余裕が出てくる。
ぐるりと周りを見回すと、唐揚げで食べたい個体や茹でて食べたい個体………上半身が裸の女性の個体などが見受けられる。
そして、一際大きい個体がやってきた。
お稲荷さんが震えている。
上半身だけの裸の女性の部分を含めると高さが5mもある蜘蛛…………迫力があるなぁ。
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【アラクネ特異種】
アラクネのユニーク個体になる寸前の個体。
正面から正々堂々まともに戦えば周りに被害が甚大。
その被害に耐えられないだろう白毛九尾の狐と死に別れる覚悟を決めるを必要がある。
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鑑定魔法では、かなりヤバそうな個体らしい。
確かに何かピリッと来るような感じはあるが微々たるモノだ。
それを感じ取ったのかお稲荷さんが尻尾を丸めて震えているんだろう。
ただ、そこまで恐れるようなモノか?
なにか違和感がある。
向かい合った感じでは、充分、お稲荷さんでも……いや、余裕だろ?
力量差を間違えるなんて、いくら何でもそこまで感覚が麻痺しているとは思えない。
「あんたが親玉かい?」
お稲荷さんとアラクネ特異種の間に庇うように立って聞いてみる。
舐められないように、口調を少し変えておいた。
【いや、我ら個にして全、全にして個、複数ある意識の一つでしかない】
まともにとれば、身体は分かれているが1つの生命であり、多重人格の一つの性格を持った存在ってことか?
まぁ、よく分からんが魔物だし異世界だから何でもありだろう。
ボクだって、何でもありだからな。
【小さきモノは、何しに来た】
少し威嚇気味の雰囲気で、質問をしてきた。
ここは交渉に場だ。
素直に目的を言うべきでない。
虚実織り交ぜて、最終的に目的を果たせばいい。
「交渉に来た。友好的かどうかはあんたら次第だけどな」
半分挑発だ。
たぶん、こちらの方が強者のはず。
ボクの後ろでボクの服を握っているお稲荷さんがいるので多少動きにくいが、魔法を使えば済むことだ。
【よくもまぁ、強気に出れるものだ。この状況を分かっておるのか? 所詮見た目通りってことか】
呆れた風に言ってきた。
ボクとお稲荷さんは、見た目が3歳児だからな。
「あんたこそ、『個にして全、全にして個』って言ってた通りに、見た目以下、強さ的には、そこら辺のちっこいのと変わらないのじゃないのか?」
小さい蜘蛛が攻撃しようとしてたのを、後ろにいる蜘蛛が止めている。
目的は分からないが、アラクネたちは交渉する気はあるんだろう。
じゃあ、もう少し付き合いますか!
はしょった
数話分、はしょった
ボス戦前に、王都観光(?)しそう




