024.それはボクのおいなりさんだ…その5
本日のBGVは原作が秀逸な『赤ずきんチャチャ』
深夜に原作準拠のアニメをやってくれれば…………
かなり拙かったようです。
独力または教えられて、努力と根性と気合いとガッツと愛と愉快とキンキラキンで自分の魔法回路基板に魔法回路を組み込むようです。
ごめん、余分な要素が多すぎた。
とにかく何でもいいので、自分で魔法回路基板に魔法回路を組み込めば、魔法が使えるようになると………。
他人が魔法回路基板に魔法回路を組み込むなんて聞いたことはなく、覚えられない魔法は相性がよくなかったというようなことになっているようだ。
魔法を覚えさせて貰えることと、どんな魔法でも使えるっていうのは青天の霹靂だったらしい。
魔法の覚え方を根本的に変えるモノだったようです。
ボクにとっては魔道具に魔法回路を組み込むのとなんら代わりはないです。
しかし、人に魔法を覚えさせると言うこの方法はボクにしかできないでしょう。
付与魔法士でも、人体の魔法回路基板に魔法回路を組み込めるでしょう。
正確には、魔法回路を組み込むのと同じ作業はできるでしょう。
でも、少しずつしか組み込めるないので、完成されていない魔法回路に対して人体の魔法回路基板の自己修復機能が働いて組み込んだ部分が変質してしまうので、付与魔法士が思い描いた魔法回路と異なるものが出来るか、完成しないのでしょう。
だから、一気に魔法で魔法回路を完成させることの出来るボクにしか出来ないんです。
「じゃあ、俺ももっと使える魔法が増えるのか?」
希望だけに満ちた目で、お父さまがボクを見つめた。
身内の魔法回路基板や魔法回路の情報はすでに把握済みです。
「無理です」
間髪入れずにきっぱりと否定する。
お父さまの周りだけ重力が増したようだ。
「お父さまの魔法回路基板には空きがなく、使える魔法も2つの魔法回路が絡み合って1つの魔法が使えるようになっているので、いじると数段落ちる全く別物の魔法になってしまいますよ。それとも、今の魔法を全部消して、新しい魔法を覚えますか? お父さまのいいところも消えちゃいますけど?」
さらに、お父さまの周りだけ重力が増したようだ。
ブラックホールが出来そうです。
「………………………そうか」
お父さまは、そうポツリと呟いてボクたちから少し離れて哀愁を漂させながら体操座りをした。
ボクがうな子と戦う前はお母さまとの愛臭が漂っていたのに…………。
「ランスロットさま、ヴィヴィアンも覚えられるのですか?」
空気を察したのか、ヴィヴィアンが声をかけてきた。
「ヴィヴィアンは魔法を覚えるのに苦労したんだよね?」
もちろん推測だが、ヴィヴィアンの壊れた魔法回路を見ればそう判断せざるを得ない。
「……はい」
ヴィヴィアンは過去を思い出したのか暗い表情を見せた。
「う~ん、ヴィヴィアンが今覚えている体幹強化魔法を最適化すれば魔法回路基板に空きが出来て新しい魔法回路を組み込むことが出来るんだけど、ただ、ヴィヴィアンの場合、最適化すると魔法回路を壊す可能性があるんだ。それでも、やってみたい? もし、魔法回路が壊れてもボクが治してあげるから………」
一応、魔法回路が壊れるというデメリットも説明しておきます。
治せちゃうから、あまり意味ないんですけどね。
「はい、ランスロットさま、是非お願いします」
ウルルンウルンファミファミファーというような潤んだ目でボクを見つめてきた。
自分で言っててなんだが、どんな潤んだ目だって突っ込みを入れたい。
「じゃあ、テストで、本当に小さい魔法回路を組み込むから」
【魔法回路クリーン】
壊れた魔法回路の残骸を綺麗にして、少しスペースを空けます。
【付与魔法:ライト:ヴィヴィアン】
そして、そのスペースに付与魔法を使ってライトの魔法回路をヴィヴィアンに組み込んだ。
本当に小さい魔法回路だ。
「ヴィヴィアン、どう? ライトの魔法回路を組み込んだんだけど」
「はい、分かります。魔法回路基板にライトの魔法回路を感じます。ランスロットさま、ありがとうございます。本当にありがとうございます」
「まだ、テストだから、お礼はあとでいいよ。で、ライトの魔法回路は、起動魔力を小さく設定してあるから、ほんのちょっと魔力を通す感じでね」
「はい、【ライト】………出来ました。ランスロットさま。お嬢様………出来ました。ハーフエルフだから、魔法が覚えられないと思っていました。ライトのような、こんな魔法でもです。そ、それでも、それでも頑張って、体幹強化の魔法だけは覚えたんです。うっうっうっ、本当にランスロットさま、ありがとうございます」
「ヴィヴィアン、よかったね。本当によかったね」
お母さまがヴィヴィアンをギュッと抱く。
見た目はいいけど、あれは……………………とっても痛いんだよ。
変身後のチャチャがうまる~んに見える(''Д'')




