105.2年後の世界…その11
20万字オーバーです。
きっと、ぶくまも200越えてるはずです。
[深淵]・`ω・) ちらっ
両会場のほとんとの参加者がピザを手にした頃、トルネドさんとマッコォイさんがやって来ました。
持ち場を『至高のアラクネ料理隊』と『究極のアラクネ料理隊』のくも子たちに任せて、2人と少しお話…………きっと、商談です。
いつもながら、本当に絶妙な時間にやって来ます。
「坊ちゃん、今日もご馳走になりました。このピザって料理は美味いですね。それに、この感じだと、上に載せる具材は何でも良さそうですね。それで、レシピの使用料とピザ窯の使用料は……」
案の定、トルネドさんが商談を持ちかけてきました。
この人、ほとんど雑談も無く、商談に入ってきましたよ。
でも、その商談は、マッコォイさんに止められました。
「おいおいおい、トルネドよ。今回はわしの番じゃないのか?」
暗黙の了解で、ある程度は2人に渡す利権は順番に渡しています。
今まで、試食会で出された料理は、トルネドさんやマッコォイさんが経営してるどちらかの飲食店で出されている。
正直、2人は商人って言うより、大臣に近い働きです。
ボクを頂点にしたピラミッドが出来ています。
あ、うん、お父さまね……移民管理局局長って感じです。
そっちに専念して貰っていますよ。
で、領のことをボクが頑張ると、移民が増えて、移民管理局局長が忙しくなって、もっと領のことをボクに任せると、さらに移民が増えると言う、領主泣かせのいいサイクルが出来ています。
「はあ、分かりましたよ。レシピとピザ窯の使用料……後はここの砦『湖の乙女』の管理の方は、マッコォイさんに譲ります。これで、満足ですか?」
普段なら一悶着あるとこですが、少し考えて、素直にトルネドさんが引きました。
気が付かれないうちに、さっさと決めてしまおうと言うのが見え見えですが…………、何を決めてしまうのかが検討がつきません。
「ん、あ、まあな」
あっさりとしたトルネドさんに、マッコォイさんも拍子抜けしてる感じです。
マッコォイさんも、怪しいと思いつつも、その答えが見つからないようです。
「じゃあ、これ以上は、今回の件とは関係ないですね」
ニヤニヤしているトルネドさん。
まだまだ甘いよって言うのには情報が足りない。
「他に何かあるのかよ?」
その言葉は、敗北と同義です。
トルネドさんが考えているピザ販売以上の儲け話の答えが分からないと言っているのと変わりません。
ぶっちゃけ、ボクも分かりません。
「気付かないのなら、無いのと一緒ですよ」
めちゃくちゃ真理です。
「うぐぅ」
ぐうの音が出ないと言いますけど、『ぐぅ』は出てるようです。
「坊ちゃん、このピザ窯の家庭用のを作れますよね? それの作り方と販売権をお願いします」
トルネドさんは真剣な表情で、まるで勝利宣言のようなセリフを口にしました。
「な」
ボクじゃないです。
マッコォイさんの驚いた声です。
安全面や値段の関係で、ほとんどの調理器具は魔道具になっています。
ボク的には、オール電化で料理をしている感覚で、ちょっと物足りない感じがするんですよ。
だから、逆にこのアンティーク感のある調理法はウケるとトルネドさんは思ったんでしょう。
たぶん、ドラえとのやり取りも聞いていて、材料の見当もついていると思います。
でも、ボクとドラえのやり取りだけでは、ツーピース足りません。
それを含めて教えて欲しいのでしょう。
「作れないと言ったら?」
少しカマを掛けてみます。
「いいえ、それは無いですね」
何もかも見透かされたような視線。
ウソを言っても無駄ですね。
もちろん、時間も無駄になりますしね。
「はあ、分かりましたよ。ちょっと待ってください。…………これでいいですか?」
魔道具創造魔法で、ピザが1枚焼ける程度のピザ釜を作りました。
「さすがですね、坊ちゃん…………見事な魔道具だと思うんですが、思っていたのと違うんですけど?」
火を使わずに調理出来るピザパンとでも言うんでしょうか?
食べる方じゃないですよ。
フライパンのパンの方です。
フライパンとそのフタに温度調節魔法を付与魔法で付与した調理魔道具です。
「お、これいいな。魔道具技師都市連盟で扱いたいが…………ホバーボード売れすぎだろ」
突然、ゼウスさんが乱入して来ました。
「今でさえ、大変なんだから、余計なモン見せんなよ! これは、とりあえず、魔道具技師都市連盟で預かっておく。マッコォイもトルネドも構わねぇだろ?」
何仕切ってんですか?
「はい」
「おう、魔道具はゼウスに任せてるからな」
ああ、勝手に決まっていく。
魔道具製作は、魔道具技師都市連盟で作って貰わないといけないので、旨みが少ないらしい。
なので、魔道具技師都市連盟が手を出すのなら、マッコォイさんとトルネドさんは手を出さない。
「娘婿殿もいいよな?」
高低差1m以上離れていたゼウスさんの顔がいきなり目の前に来た。
「あ、はい」
迫力に負けたのではなく、急に振られたので、思わず返事をしてしまった。
庶民派の売れ筋魔道具は、ことごとく回収されていく……。
「娘婿殿も、これに懲りて、売れそうなモンを作んなよ」
ホバーボード協会か、魔道具技師都市連盟か分からなくなってきている昨今。
他の売れ筋商品を作ったら、魔道具技師が死んでしまうとのことらしい。
「で、坊ちゃん……」
お遊びは終わりにしないといけないらしい。
まだ、5歳児なのに…………。
「これで、どうですか?」
魔道具創造魔法で3つのタイプのピザ釜を作った。
土台は別で、完成している耐火レンガのドームと溶岩を『-』『コ』『コ』と加工したプレートを合わせて『日』になるような二段構造の焼き場を作った4ピース構造のピザドーム型のピザ釜。
耐火レンガと溶岩のプレートで作った2段構造の角張ったピザ釜。
耐火レンガと溶岩のプレートで作った1段構造の角張ったピザ釜。
どれも、耐火モルタルを使用していないので、バラすことが可能なタイプです。
角張ったピザ釜は、2段構造であっても、空気の流れが悪く温度が上がりにくいので、炭ではなく、薪が必要です。
「………もしやと思いましたけど、3種類とは……。どれも、いいですね。きっと売れますよ。わいわいがやがやと家族や仲間が集まって、手間暇をかけて料理する。このライフスタイルを含めて売れますよ!!」
めっちゃいい笑顔のトルネドさん。
この後、ドラえを含めて、商談をした。
ボクが使うために作って貰っていた耐火レンガを増産しないといけないですからね。
「どうして、トルネドさんは家庭用のピザ窯があると思ったんですか?」
気になったことを聞いてみた。
「出来れば秘密にしたかったんですけど……マッコォイさんに刺されそうですから、お話しますね。坊ちゃん、ドラえさんに広葉樹の薪を頼んでましたけど、今回、全く使っていませんでしたよね? だから、広葉樹の薪を使うタイプがあると思ったんですよ。これ以上大きいのは考えられないし、となると……家庭で使えるタイプしかないだろうと」
言葉と行動が合っていないところから商機を見つけるとは…………トルネドさんは、ここ2年で、死の商人と恐れられていたマッコォイさんをやり込めるほど、伸びていますよ。
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思いっ切り疲れて家に帰っても、行列です。
露天岩風呂に入ってゆっくりとしたかったんですけど、入浴待ちの孤児院の娘たちが全員並んでいます。
並んでいるわりには、ダレも露天岩風呂に入っていないんですよ。
お父さまは、家の露天岩風呂に入らなくなっています。
露天岩風呂で順番待ちしていると、いつ入れるか分からないので、近くの円卓の騎士団の寮っぽいところのお風呂を入っています。
「あ、ランスロットさま。おかえりなさいです」
「ランスロットさま。お待ちしておりました」
「ピザって料理、美味しかったです」
「お疲れ様です」
「ランスロットさま、待ってたよ~」
自称『お姉ちゃんズ』が、全員、お風呂に入らずに待っていた。
ボクの1日はまだ終わらない。
マジで?
次話、てきとー次回予告
ブリタニアン領知られざるベスト3を言ってみよう
いつの間にか小学校が出来た
ここ来てから早起きになった
お庭でつくし発見
実はお父さまとお母さまの部屋の音が良く聞こえる
毎朝ご飯がおいしい!
それどこでもいっしょじゃ・・・・
ボクはは窓から見上げる星空、行き詰った時に見上げると元気になるんだ
次は「7月12日 みつぼち×リコピン」
ブリタニアン領で待ってます。きっと見に来てくださいね




