103.2年後の世界…その9
進んでいるようで進んでいない
進んでいないようで進んでいる
そんなお話です。
さて、この人数をどうするんだ?
ブリタニアン領の人口約5,000人のところ、約7,000人の人が集まっている。
主催者発表の数値だが、ボクの検索魔法で計算した人数なので、信頼できる数値だ。
人口61人……ブリタニアン領の人口が61人の頃の食事会の名残り。
その食事会の延長のイベントのようなモノだ。
ボクが料理の試作を作ってると、なぜかアテナが嗅ぎつけて試作品の食事会になった。
その試作品にありつけるのは、その傍にいた人だけだ。
開催の告知なんかない。
ボクが美味しいモノを食べたいから作ってるんだ。
ただただ、それを嗅ぎつけた人だけが食べることの出来るイベントだ。
もれなく駆けつけているのは、アテナとパラスしかいない。
試作品の食事会はボクが開催費用を出している。
試作品のレシピが欲しい人がスポンサーになりたいと希望しているが断っている。
スポンサーが付いたら自由に出来ないし、そう言う感じのイベントではない。
暗黙の了解で、この試作品の食事会のレシピで商売をする人はいない。
参加者全員……いや、それ以上のを敵に回すことになるからだ。
食事会のレシピを使って食堂を開いた人がいたが、『料理に生きた蜘蛛が入っていたとか』『料理に生きたスパイダーが入っていたとか』『料理の器に入りきらないくらいの生きたタランチュラが入っていたとか』そういったのが原因で、1ケ月立たないうちに店を畳むことになったらしい。
そんな食事会も回を重ねるごとに、噂を聞いた人が1人、2人と増えていき、今日は約7,000人もの人数が集まったんだ。
領民、観光客、商人、うな子の配下たちやドラゴンたちで人化魔法の使えるヤツらが集まってこんな人数になっている。
もちろん、くも子は人数にいれていない。
自国や周辺諸国の情報収集してくれている体長1ミリのくも子を1人と数えればその倍の人数じゃ足りない。
星の数とは言わないが、くも子は10億人以上存在している。
この2年で、うな子たちやドラゴンたちに怯える人たちはいなくなった。
とは言っても、不必要に怯える人たちだけどね。
それは、ひいおじいさま……ローリーペッタン王国国王の外交の賜物でもある。
各国の宝剣など、ほとんど対価無し、ドラゴンたちの説明とお願いだけで、返却したからだ。
それで、ルールを守り友好的に付き合えば友好的にしてくれると言うのが広まっただ。
今はそんなことは、説明している余裕はない。
最優先は、これらの人たちをどうするかのかだ。
そして、その答えを出すまでの時間は掛けられない。
頑張れ、見た目は子供、中身は大人げないボクの灰色の脳細胞。
そして、でた、結論は…………。
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「会場を2つに分けます。領都の中央広場と『王家の剣エクスカリバー』が作り、沈んでいた湖畔に新たに砦を作ってその砦で………今、作り終わりました。えっと名前がないとやっかいそうなので『湖の乙女』とでもしておきましょう。今回の試食会は、『領都の中央広場』と『湖の乙女』の2つの会場で行います。『湖の乙女』はここから約20Kmの位置で、簡易宿泊施設と温泉が設置されています。試作品の提供開始は2時間後、提供時間は2時間です。円卓の騎士団と私兵部隊は『湖の乙女』のみ参加可能で、ホバーボードを使えば余裕で参加出来ると思いますが、ホバーボードの使用禁止です。仕事代わりに訓練をしましょう。もちろん、馬やワイバーンも使用不可です。自分の足で走ってください。それでも、参加したい円卓の騎士団と私兵部隊のメンバーは手を上げてください。くも子の分体が仕事を代わってくれます。ちなみに『湖の乙女』では『金貨豚のベーコン』、『領都の中央広場』では『桃森豚のベーコン』を提供予定です。一般参加の方は、自前で会場を往復できる人のみです――――――――――――」
こんな感じで説明をしました。
「「「「「「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」」」」」」
大いに盛り上がっています。
ただ飯のために盛り上がっています。
仕事もそれくらい頑張ってください。
円卓の騎士団と私兵部隊のメンバーは、我先と走り出しています。
領主である格好いいお父さまの許可を得て、湖畔に『湖の乙女』と言う、砦をキャンプ場のつもりで魔道具創造を使って作りました。
案内板も設置してありますよ。
至れり尽くせりです。
一般人くらい、会場まで、送り迎えしてやれよって、言う突っ込みはなしで♪
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「ドラえ、耐火レンガ、溶岩の塊と……あと、広葉樹の薪と…………念のため、炭も持てるだけ、持ってきてくれ」
働かざるモノ食うべからず。
立っているモノは、レッドドラゴンでも使えです。
ドラゴンたちには、火を使う………ドラゴンブレス魔法を活用できる仕事を与えてあります。
そのひとつが耐火レンガ製作。
それと炭作り、他にもあるんですけど、次の機会にでも……。
岩塩を使って楽に稼ぐのではなく、きちんと身体を使って稼ぐように指導しています。
「はっ、白龍さま。すぐにお持ちいたします」
忠臣であるドラゴンたちには、白龍さまと呼ばれるようになった。
DNA的にどうなっているか分からないが、2年前の出来事から、ボクはハイエルフであり白龍でもあるようだ。
ドラえに頼んだのは、作りたいモノの材料と燃料だ。
正直なくても目的のモノは魔道具創造で作れるが、働かざるモノ食うべからずだ。
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「至高のアラクネ料理隊のくも子です」
ビシッとポーズを決める30人のくも子たち。
「究極のアラクネ料理隊のくも子です」
バシッとポーズを決める30人のくも子たち。
「「美味しさの秘訣は旨味調味料です」」
ドォォォォォォォォォォォォォォォッン
ビシッバシッとポーズを決める『うら○学園のラスカ………』…こほん、60人のくも子たち。
マジで派手な煙と閃光だ。
「帰れ」
そう言いたくなりますよね。
有名な漫画の原作者をも唸らせた旨味調味料。
食文化がつまらないものになるじゃないですか!
美味しいモノは正義で目的ですけど、手段と目的、料理は、手段も楽しまないと面白くないですよね。
「「オーナー冗談ですから~、手伝います。きちんと手伝いますから~」」
息がぴったりな2人………まぁ、同一人物……同一の存在ですからね。
次話、てきとー次回予告
育ち盛りの領民たちは、食事だけじゃとっても足りないっちゃ
いつも試食会へタダ飯を喰いに行く
しかしタダ飯を阻止するために動き出す魔物たち
恐怖の魔物たちの集団暴走の一日が始まるっちゃ
次回は、『タダ飯食いするものよっといで!』で、会うっちゃ




