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死んだ俺は友達と新しい街に暮らすことになりました

前回からあまり時間がたっていませんが続きです。書いていたら少し長くなってしまいました。今回はちょっとバトルがありますねー。

「食らえええええ!」 

朱音が、穢に向かって3本の矢を続けざまに射る。

さすがは、元弓道部なだけあるのかすべての矢が穢に命中している。

「あれ?倒れない?」

背中に3本の矢を受けた穢がゆらりとこっちを向いた。

「さあさあ、航さーん!あなたの武器はこの距離ではあれに届きませんよ!もっと近づかなきゃ!」

最初に会った時の神々しさはどこへやら、テンション高めなガイドさんが俺を煽ってくる。

「わ、わかってる!」

正直なところあほみたいに怖い、できれば近づきたくない。

「はやくいけよー。うしろから援護してやるから―」

近づく必要のない武器を使う、広林浩輔が気の抜けた激励を背にじりじりと穢との距離を詰める。

 「早くやっちゃってよー!航―」

 「……」

 「お前なら大丈夫だってー」

 「う……」

 「ささ、もっと距離を詰めて―」

 「うるせえんだよ!てめえらああああああああ!!!」

 「ちょっとは黙ってろよおおおおお!」

 「「ご、ごめんなさい」」

 「航さん!来てます来てます!」

 「え?」

 穢の拳が顔めがけて飛んでくる。

 「伏せて!」

 ガイドさんの指示と同時に身をかがめる。

 穢の拳はむなしく空を突いた。

 「この距離です!」

 「おっしゃあああああ!」

 わざわざ近づいてきてくれた穢を、右斜め下から切り上げた。

 「ヴォオオオオ!!!」

 穢が叫び声をあげる。

 「やったぜガイドさん!……ガイドさん?」

 さっきまで隣にいたガイドさんを探す、すると、

 「この矢はですね、穢の動きを止めることができる矢で――」

 朱音の説明に行っていた。

 よそ見しているところに、

 「ヴォアアアア!」

 また、パンチが繰り出された。

 刀を横にして受ける。ガキンと刀が鳴り衝撃が腕を伝わり全身を駆けた。

 「オラアアアアア!」

 穢に横から切りかかる。

 さっきより距離を詰めたおかげか、かなり深く入ったようだ。

 「ヴォッ」

 穢が距離をとり体勢を立て直す。

 こっちも刀を構えなおしたその時、

 「航!伏せろ!」

 浩輔の声が響く。言われるがまま伏せると、「ダンッ」と銃声が鳴り俺の頭の上を銃弾が通り抜け、穢の頭を貫いた。

 「ヴァアアアアアアアア」

 穢が悲鳴を上げながらよろめく。

 すると穢の体が光りだした。

 「朱音さん!穢の動きを止めてください!」

 「うん!」

 朱音が穢の足に矢を射った。

 「これでいい!?」

 「はい!」

 ガイドさんが穢に向かう。

 「お、おい!」

 「大丈夫です!今、穢は朱音さんの矢の効果で動くことができません!今のうちに浄化します!」

 ここにきて初めて、ガイドさんをかっこいいって思った。

 ガイドさんが穢に手をかざし何やらつぶやいている。

 だんだん穢の輪郭が不安定になっていく。

 「ハッ!」

 ガイドさんが手を叩くと、穢の体がはじけ光の粒となり空へ昇って行った。

 「これで穢の浄化が終了しました!おつかれさまでした!」

 ガイドさんが、俺たちに向かってほほ笑む

 「終わったのか……」

 「やったああああああ」

 「ふう……」

 疲れはとっくに限界に達していたらしく、俺たちはその場に座り込んで動けなくなってしまった。

 「じゃあ帰りましょうか?」

 「「「お願いします」」」

 来た時と同じようにガイドさんが指を鳴らすと、視界が白く包まれた。


 「うーーーん」

 起き上がり大きく伸びをする。あの後どうやら、すぐ寝てしまったらしい。ほかのベッドでは、まだ浩輔と朱音が寝ている。

 「ここはどこだ?」

 カーテンを少し開け外をのぞく。

 そこには、何とも表現しづらい街並みが広がっていた。

 現代風といえばそうだが、ところどころにある昔っぽい日本の建物が妙な存在感を放っている。

 一言で言うなら、

 「異様だ」

 後ろで何かが動く音がした。

 「もう朝?」

 朱音だった。

 「ああ」

 「ここはなんだ?」

 浩輔も起きたようだ、窓に近づきカーテンを開けた。

 「なんか町みたいだな」

 「ふーん」

 寝起きで頭が回っていなそうな朱音が返事をした。

 「着替えて出かけてみるか?朝飯とか売ってそうだしな」

 「幽霊っておなか減るのか?」

 「確かに減ってないかも」

 そういわれてみてみればそうかもしれない。

 だがこのままこの部屋にいるわけにもいかない。

 「でもとりあえず、出かけようぜ」

 「えーまだ疲れてるー」

 「今日はゆっくりしてもいいんじゃないか?」

 「いや俺のほうが昨日動いてたんですがそれは……」

 ぐずる2人を連れ出すためにしばらくもめていたところに、

 「おっはようございまーす!」

あのガイドさんが来た。

「今日は、穢の発生はしていないようなのでこの町の案内をしようと思いまーす!」

「朝からハイテンションですねー」

 俺が言わんとしていたことを浩輔が代弁してくれた。

「そうですかねー?まぁそれは置いておいてー」

ガイドさんが右手に持っていたバッグを開ける、そしてそこから布の塊を出してきた。

「じゃーん!ここでの皆さんの服で―す!」

ガイドさんの手には3着の服が握られていた。

「それでは、さっそく着替えてください!」

ガイドさんに押し切られる形で、朱音は別室、俺と浩輔は寝室で着替えをはじめた。

どうやらベースは和服のようだが、動きにくさはなくやはり戦いやすさを重視した服なのだろうか。

「なぁ、航?」

「どうした?」

「お前、このままずっとあんなのと戦うのか?」

ガイドさんに説明されたとき真っ先に納得したのはだれでしたっけ?

「まぁ、やるしかないんじゃないか?どうせ死んでるんだし」

「そうだよなー」

そんな会話をしていると、ドアがノックされ、

「終わりましたか―?」

どうやらガイドさんが来たようだ。

「おう、終わったぞ」

答えるやいなや、ドアが開け放たれた。

「似合ってるじゃないですかー!」

二人を見比べているガイドさんの傍らには、薄い赤色が主な色の和服のような服に身を包んだ朱音がいた。

「朱音も似合ってんじゃんか」

「そうかな?」

「じゃあ皆さんの支度もできたようなので、さっそく町へ繰り出しましょうか!」

「ああ、案内頼むぞ」

「お任せくださーい!」

「いろいろ、行きたいところもあるんですよねー。私もこの町に来るの久しぶりなんですよー」

「お前の買い物に付き合う気はないからな」

「えええええええ?ちょっとでいいんですよ?」

「無理ですよ、ただでさえ疲れてるんですから。」

「むーじゃあいいですよ!」

むくれながら1階へ降りるガイドさんに続く。

そしてドアの前に立つとガイドさんがこっちを振り返り笑顔で

「ようこそ!冥間界、穢闘街へ!」

と言い、ドアを開け放った。

そして俺たちは街への1歩を踏み出した。


最後までお読みいただきありがとうございました!次回は多分来週か再来週になります。またお会いすることを楽しみにしています!

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