プロローグ
初めましてよろしくお願いします。
気ままに頑張るので皆様も気ままによんで下さい。
人生の転機というのはいつも突然である。
僕こと、不知火蓮は出会ってしまった。何に出会ったかって?答えは決まってるじゃないか、そうライトノベルだよ!!
現実での煩わしいことを全て忘れて、小説の中の非日常的な世界を頭で感じる。現実的ではないからこそ憧れる憧憬の的。特に、剣と魔法、そして魔物。小説の中では、主人公が仲間達とあるいは一人で、剣と魔法を駆使して魔物達を一刀のもとに地に沈めたり、魔法を使って大群をなぎ払い、時にはピンチをチャンスに変えたりして戦う。現実の僕には出来ない芸当、といか現実の大半の人達にとってはあり得ない日常。だからこそ、そこに憧れてしまう。ほら、想像してごらん。きっと素晴らしい世界が君にも見えるはず。だから君もこの本を‥‥。
「いや、読まないよ。」
「絶対ハマるよ!特に、魔法とかの理論や魔物の構造とか作者によって違うから勉強になるよ!!」
「そんな勉強してるのラノベオタの蓮だけだよ。それより、TOEICとか資格試験の勉強、後大学院進学を目指すなら専門の勉強しなきゃ。プログラミングとかネットワーク系とかほかにも‥‥。」
「やめちぇくれ~。今休憩中あんだすたんど?小難しい話はSee you goodbye forever 。それよか、なんか良いアニメとかない?」
「境界はみたの?」
「あー、そんなのもあったな。うん、解決。」
「んじゃあ、期末の勉強再開しますか~」
「おぅ~」
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試験勉強と称して大学の暖くて広々した食道で友人と二人でまったり暖をとる。冬場にはよくみられる光景。一人暮らしの学生は講義が終わったら、自宅に直行しコタツにこもるのもまた然り。
そう、どこにでも溢れる日常。
変わり映えしない日々。
明日が訪れるのが当たり前である日常。
そこに何の違和感も覚えずに生活する日々。
しかし、例外は常に存在する。
だって、『人生の転機というのはいつも突然である』から。
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17:00
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電車の時間が来たため早めに友人と分かれて駅に向かったのはいいが、
「はぁ-、寒っ。」
まじ、寒すぎなんだよ!なんでこんな天気が良くて、おまけに雪も積もってないのにさみぃーんだよ!!こんちくしょー!!!
‥‥‥。
‥‥。
‥。
ふぅ、スカッとした。
まぁ、ここ二年くらいは暖冬だったから、これが普通って言えば普通なのか。雪国ならもっと寒くても良いだろ。なんだよ、ここ1週間くらい最低温度0℃きらなかっただろ!?お天気様よ、本気出してくれよ。それとも分かっててやってんのか。
「はぁ。」
愚痴ってても仕方ないな。よし、気分切り替えて明日の期末テストに備えるか、などと考え事をしながら歩いていたためいつの間にか既に駅改札前に着いていた。
元々、大学から駅まで10分ちょいで着くため軽い考え事でも充分に暇つぶしになる。すぐに切符を買って、電光掲示板を見上げて、路線を確認し乗車する。この日は運が良いことに電車が空いていた、というかガラ空きで運転手ぐらいしか人がいない。普段なら高校生で溢れかえるほどの混み具合なのに珍しいこともあるものだ。
さて、家に帰ったら何をするかな、明日の期末テストは余裕でSとれるだろうし、ふむ、ゲームかラノベか、いや愛用の小説投稿サイトから色々漁るか、書籍版との読み比べもいいな、間をとって全部という手も‥‥。
僕(=オタク)にとって、とても悩ましい問題を考えながら帰宅するのは、もはやいつものこと。そして、考え事に夢中になっていれば駅に着き、また考え事に更けると気付けば家に着くのもまた然り。と、呑気に自分の思考や考え事を反芻するのもこれまた日課。
何気ない1日のいつも通りの帰り道。
いや、いつもとほんの少しだけ違う帰り道。
いつもと比べると人が明らかにいないという違いはあるものの、それは些細なもので、この日は利用する人がいないという言葉で片付く。
しかし、明らかにいつもと違うことに、本来なら違和感を持つはずだが、僕の頭の中はというと、もし魔法が使えるならという思考のもと魔法理論について熱い脳内議論を交わし、楽しんでいた。
だから、僕はこの違和感を感じとれなかった。
なぜ、人がいないのか。
なぜ運転手すらいなくなっていたのか。
なぜ乗客が僕一人なのか。
思えば、何かとおかしな事が続いていることに何かしらの疑問を持つはずなのに僕は見逃してしまった。
決定的なのは脳内議論に夢中で気付けなかった甲高いブレーキ音。
脳内議論で頭がお花畑だった僕が感じることが出来たのは、突然の激しい衝撃と浮遊感、それに続き視界を埋め尽くす深紅の景色。遅れて全身に感じる熱と猛烈な睡魔。
「次のニュースです。本日、午後5時15分、電車の脱線事故が発生しました。この事故で電車の運転手1名と乗客1名の合わせて2名が死亡しました。この事故の影響により‥‥‥‥。」
終わり方に見覚えが‥‥ゲフン。
かの作品のファンで凄く惹かれたのでやってみました。