NOW
荒廃した街。
回りに目をやれば人の影など、動くものは一切存在しない。
閉まりきったシャッターに、若者の無邪気さが見てとれる落書き。
スプレーで描かれ、またいっそう回りを寂れさせるだけ···
中には目を引くような力作もあるが、色褪せ、当時の輝きはなくなっている。
存在する意味のなくなった車道は唯、広く、酷く寂しさを感じさせるだけだ。
風がない、よどんだ空気の中、僕の足はただひたすら動いていた。
それは、水を探す魚のように、食糧を求める餓鬼のように、生にすがる屍のように···
いつしか僕は、大きな交差点に出ていた。
以前は大音量で道行く人に情報を示していたモニター。
人が溢れんばかり通っていた道を規則正しく整備していた信号機。
いくつもの発達した技術は喧騒を、輝きを、必要を、全てを失い
錆び付いてしまっている。
東京の100年後の世界···
その方がまだ、希望を持てたかもしれない。
―――そんなことであれば、本の一冊や二冊簡単にできてしまうだろう。
しかしそんな夢物語、現実にあるはずがない。
《今日》は、《昨日》の《明日》。
《明日》という未来が簡単に訪れると思っていた。
また友達とだるく部活にいく《日常》が来ると思っていた。
繰り返しの《未来》があると思っていた。
楽しく気楽で楽観的な《毎日》を迎えると思っていた。
今になって気づく。まいにち、退屈しているように見えて、僕らが
《明日》に希望を持っていたことに。しかしその希望は、《毎日》が
絶たれることによって絶望へと反転してしまった···
僕は空に浮かぶ二つの太陽を見上げながら、交差点の中央に座り込む。
そして、《昨日》の喧騒を思い描き深く、永い眠りについた―――
【あとがき的なもの】
調子乗ってスイマセン。
人それぞれ想像できるような作品にしたかったんです。(サボり)
ちなみに僕的には、朝起きたら第三次世界大戦がおこり、ラストは、
モノホンと原爆みたいな。
何が言いたいかっていうと、明日すぐにでも戦争が起こるかもしれない。
なら、僕たちは今ある《日常》を大切にしよう!!ということです。
調子乗ってスイマセンm(_ _)m