先輩は有名人でした
翌日
昨日私はあの後なんとか一言発して(なんて言ったかは覚えてないけど…)
その声によって我に返った先輩方が、ひとまずその場をお開きにしてくれた。
この事はまた暫くしてからどうにかするらしい…、
もう本当に何なんだろうあの人、
やっぱりあの時怒ってたのかなぁ…
とか
くそー!でもおいてくとか!!
何なんだよー!上条先輩のばかー!!
とか
まぁもんもんと考え込んでいましたよ
そのせいで…
「あんたひっどい顔ねー」
…寝不足なんです。
「柚花ー…もう私はダメかもしれない。」
「…大丈夫?」
と頭を撫でてくれる柚花
あー、柚花は普段あんまり優しくしてくれないけど、本当はすっごく優しいんだよなぁ
「柚花ー」
「何?」
「ふふ、ツンデレ」
びしっ
「!!いったあぁあ!!」
「状況悪化してしまえ」
「うー…酷い」
これ以上頭悪くなったらどうするんだー…
と、こんな風にしてると
「え、でも小那都ちゃん羨ましいなー」
あ、えーとこの子は確か
「…平山さん?」
「あはは!うん!遥でいいよぉ」
この、もう全体から可愛いふんわりオーラが出てるのは
平山遥ちゃん、黒のボブヘアーで少し天然パーマな所がまた可愛い
席が近いから少しだけ話した事があるんだよなぁ
あれ?でも今…
「えーと、遥ちゃん?今羨ましいって言った???」
「うん!言ったよー♪上条先輩と同じなんでしょー?」
「は、…はい、まぁ」
その人が事の原因ですし…
「あー!でもそれわかる!!」
と、元気な声で後ろからやってきたのは
確か萩原未来ちゃん
さっぱりとした性格とショートの茶髪が印象的な子だ
確か遥ちゃんと仲良しなんだよねー、
「は、萩原さんも…??」
「あ、あたしの事も名前で呼んで!あたしも名前で呼ぶから!」
「う、うん!」
ハキハキしてるなぁ
「でもさぁ、上条先輩ってそんなに有名なの??」
柚花もフレンドリーなので普通に話す
「もっっちろん!!ね!遥!」
「うん!だってまずすごく格好良いでしょ!」
あー…確かに整った顔はしてましたね…
「しかもさ!あんなに格好良いのに頭も良いんだよ!!テストなんか毎回上位らしいし!」
あれ?まだテスト1回しかやってないよね??
どこで知ったのかな、その情報
「それにいつもにこにこしていて愛想もいいの♪」
遥ちゃんも負けじと上条先輩を褒める
「それでさっ!ちょっとサボり癖なんかもあってさー!!」
「もう王子っ!て感じよね!」
うっさんくさーー!!!!
え?!王子サボり癖とかダメでしょ‼おかしいでしょ!!
しかもちょっと所じゃないしね?!
二人とも盛り上がってる所悪いんだけど、私は凄く口が引きつる…
あ、柚花も苦笑いだ、よかったぁ
お?ていうかそんなに好きなら
「じゃあさ!図書委員代わろうか!!」
これだ!これこそ名案!!
すると二人はさっきまでの勢いを急に無くして
「え⁈あ、でもあたしらはさ!ほら!みてるだけでいいっていうか…ね⁈」
「うん!そうだね‼それは小那都ちゃんが良いと思うよぉ」
「…。」
断られました。
きーんこーん
「あ!鳴っちゃった‼それじゃあまたね!頑張ってね!」
「じゃあ小那都頑張って!!」
「あはは、ありがとぉー」
ぽんっ
柚花は無言で飴を置いて行ってくれました。