休日練習(前)です
本番まで残り3日
今日は土曜日なので学校はお休み…なんですが、学校近くの市民体育館を使わせてもらえるとの事で今日の練習はそこですることになりました。
本番は祝日の月曜日。いつもはだらーっと過ごす三連休だけど今回は忙しくなりそうだ
と、そんな事を考えていると突然手をグッと後ろに引っ張られた
「おっはよーこなっちゃん」
「…え、優人先輩!?」
後ろを振り向くといつもの胡散臭い笑みを貼り付けた優人先輩がいた。
そっか、今日は休日だから私もだけど先輩も私服か…。いつもと違うから最初誰かと思った、
こうしてみると先輩格好良いんだな…
っていやいやいやいや、それはそうかもしれないけども!中身があれだからな、あれ。騙されないぞ、私は
「…こなっちゃーん?おーい?生きてるー?」
「…はっ」
しまった、つい一人の世界に入ってた。危ない危ない
いつの間にか私を覗き込んでいた優人先輩を改めて見る…うん、大丈夫、先輩は先輩だ。
「すいません、ちょっと考え事をしていました」
「なになにー?俺のことでも考えてたの?」
「…あー、そうですねぇ。」
「え」
まぁ確かに先輩の私服についてだし。
「考え込んでましたけど、もう大丈夫で…」
……あれ?
「先輩?どうしたんですか?」
「いや、えーと、うん、なんでもない、なんでもないよ。無自覚って怖いなって思っただけ…」
口元を抑えてそっぽを向く先輩。
…え、何言ってんのこの人
思わず立ち止まってしまってこの状況どうしよう、とわたわたしていると後ろから声が聞こえた
「意外とヘタレなんですね上条センパイは。」
「あ、楓くん」
おー私服オシャレ!
後ろを振り向くとハッとバカにしたように笑う楓くんがいた。
全体的に黒っぽい色で統一されている服はなんだか大人っぽく見える
「おはよう楓くん。私服格好良いねー」
「ん?あぁどうも。そっちは意外と女子っぽい格好すんのな」
「女子ですけど?」
ちなみに私は何を着たら良いのか悩んだので無難にワンピースにした。…上下選ばなくて済むからという理由は黙っておこう
と、楓くんと話しているといつの間にか復活した先輩が私と楓くんの間に割って入ってきた
「やぁおはよう、ちびっ子くん?で?誰がヘタレだって?」
「おはようございます。別に?ただ本音も言えないんだなぁって思っただけですよ、ていうか俺はチビじゃありません」
…えーと
何故か、この2人の間に火花が見える気がするのですが
なんだかよくわからないのでとりあえず退こうとするといつの間にか手ががっちりと掴まれていて…あれ?
「…先輩、取れないです」
何故今ここで手を繋ぐんですか意味わかりませんよ優人先輩。
「だから、そういうところが子供だって言ってんですよ」
「前回、前々回と子供みたいに拗ねてた君に言われたくないなぁ。」
…だめだ、ぜんっぜん人の話きいてない。このままじゃ退くこともこの2人を置いて先に行くこともできない。
あぁ、誰かタスケテー
「あー!こんなところにいたー!もう探したよ3人ともー!!」
「涼先輩!!!」
天使だ!!天使が舞い降りた!!
「おはようございます涼先輩!!」
「おはよー、若宮ちゃん今日可愛いねぇ」
「へ?!あ、ありがとうございます」
へらっと笑う涼先輩、先輩に優しくされるのは嬉しいんですがそういうの慣れてないんで無理です!!
そういえば楓くんが言っていた、前に姫の役をやっていた人、というのは実は涼先輩だったんだよね…いやぁまさか、と思いましたね。当の先輩に役のことを話すと
「え?あぁ確かに女の子になりきれなくて苦労したなぁ。若宮ちゃん来てくれて助かっちゃった」
とケロッとした様子で話されて、楓くんと実はその事でもめていたとわかると、ケラケラと笑われた。…私めっちゃ苦労したんですけどね?!
まぁそういうわけで何も最初から問題がなかったというわけだった。
「ほぉらー早く行かないと、もう咲良待ちくたびれてるよ?」
「行きます。ここで無駄な時間を使う気はないですし」
「あはは、先に突っかかってきてよく言うよねぇ」
…どうやら収まりは微妙なものの体育館へ向かう方向になったようだ。
……相変わらず先輩の手がガッチリと離れないんですけどツッコミんだ方が良いんですかね
「上条くんと若宮ちゃんは今日も仲良いね!」
サラッと爆弾を落とす涼先輩に思わず苦笑い。…なんていうか、触れないでください
「もちろん、仲良しだからね、こなっちゃん」
「ははは…勝手につかんどいてなにいってんですか」
「独占欲強いと嫌われますよセンパイ?」
「スキンシップだから大丈夫だよ。どうも余計な一言ありがとう」
「ほらほらー早く行くよー?」
やっと歩き出して着いた時には約束の時間を10分ほどすぎていた。
これで部長さんに怒られたことは言うまでもないでしょう
…あぁもう、まだ練習してないけどすでに帰りたい




