はじめての…です!!
きーんこーん
「あれ?こなっちゃんなにやってんの?」
もはや恒例になってきた昼休み、いつもの屋上で私をみた優人先輩は不思議そうに首を傾げる
「…なにって、テスト勉強ですよ。みてわかりません?」
「はー、そっかぁもうそんな時期かぁ。」
少し皮肉を混ぜながら言ったにも関わらず、通用しないのか先輩はなるほどぉなどと言いながら私を上から眺める
「あ、俺これ超得意。教えてあげよっかこなっちゃん」
「結構です。…というか、この間授業に侵入してきた時も得意とか言ってましたよね…そんなに得意なもの多いんですか??」
「あっはは!うん!俺頭いいから☆」
ばちこーんとウィンクまで決めて見せた先輩を冷ややかな顔でちらりとみて、私はまた教科書へ顔をもどした
「えぇーちょっと無視しないでよぉこなっちゃーん!」
「うるさいです邪魔です気が散ります!!もう、私最近委員の仕事溜まってて放課後はやく帰れないんです!!少しは責任を感じて仕事をするか放っておいてください!!」
「…委員の仕事??」
はて、と先輩は首をかしげる。
……あぁもう本気でしばきたいこの先輩。いや、出来ないけどさ!でもさー?!?!
「あ、な、た、は」
出来る限りの怒りを含ませて私はキッと先輩を見上げる
「図書委員長ですよねえぇ?!」
「あー…そんなのもあったねぇ」
うっわ!この人忘れてた、絶対忘れてた!!!
「あなたが私を副委員長にしたせいで!今こうなってるんですよ?!なのになんで元凶がなにもし無いんですか?!」
いけいけーもっと言え私ー!言うときゃ言うのよ!!!!
「えー…だって……」
え、なに可愛子ぶってるのこの人。
「めんどくさいじゃん?」
きらきらっ☆
ぴこーん
きらきら☆は先輩の効果音。そしてぴこーん、は…
「…ふふ。わかりました。よぉーっくわかりましたよ」
「ん?」
私のレベルアップ音ですね♡
その日の放課後、私は授業をサボって先生から逃げているであろう先輩の行くさきを先生に伝えて、そしてついでに委員の事もチクって仕事をやらせるようにお願いしたのでした。
ふふん、どーだ!私だってやるときゃやるのよ!ふふふふ!
今はとりあえずあとの事は考えずに、初めてまともな仕返しが出来た私は、上機嫌で帰り道をスキップしました。




