詐欺にはご注意ください
いやーあれですね!
昨日のは幻だったんですかね?!
「おー!こなっちゃん!おはよー」
…昨日、許さなきゃ良かった
昨日、あれから
やっぱり先輩が小さい子どもの様でなんだか可哀想になってしまった。
「…先輩、その…あんまり気を落とさないでください!!調子が狂いますし。私も大丈夫ですし」
「…。」
先輩…落ち込んでるのかなぁ。さっきから顔あげない…。
「あ、あとで柚花に話しに行きましょう!きっとむこうもちゃんと話したいはずですよ!!」
「……。」
うー…黙ってるー。どうしよう。
「…いつも通りにしてください、優人先輩。あの野太い神経はどうしたんですか…」
「……それだと、こなっちゃんに迷惑がかかるでしょ?」
「…なっ!なにヘタれてるんですか!!大丈夫ですよ!あんなの!!それに、もうこないんでしょう?!もう本当に調子狂うので戻ってください!」
「……うん。わかった…いつも通りがいいんだよね?」
「……へ?」
…ん?
「…え、せ…せんぱ」
今、何か変な声が聞こえた気がする…。
「それなら遠慮なく、いつも通りにするね?こなっちゃん☆」
いつもの満面の笑みの優人先輩
「…っ…っ…!」
こ…この人っっっ!!
「…さっ、詐欺っ!!!」
落ち込んでると思って!!真面目な話してたし!え?は?はぁぁぁあ?!
と、私が一人混乱していると
「詐欺?俺は自分が落ち込んでるとも泣いてるともいってないよ?君が勝手に勘違いしたんじゃないかなー??」
先輩がしらっと笑顔でいってきました。
「…っっっっ!」
…こ、こいつ!!
「…っ…先輩。なんか」
本当に
「大っ嫌いです!!!」
「あはは!ひどいなぁ!俺は大好きだよ?」
なんなんだこの人は!!
「どーせオモチャみたいで、とかいでしょう?!」
「え?どんな風に大好きがいいの?」
優人先輩がにやっと笑う
「…なっ、」
あげ足というか、なんと言うかを取られた私は完全に頭が真っ白になった。
「…しっ、知らないです!先輩のあほーーー!!」
そしてそのままそこから逃亡。
慰め?そんなのしらないですよ、もう
走り去っていく私の後ろで優人先輩が何かを呟いたみたいだけども、私の耳には届いていなかった。
「…あなたは、本当になんなんですか?」
小那都が走り去った後の静かな屋上に、一つの声が響く。
その声は呆れと恐怖を滲ませていた。
「何って?…俺は普通の男子高生だよ。」
ははっ…と上条優人が笑う。
「…2つ。」
その声が呟く
「あの人達の他にまだ2つ程あったんですよね…?」
その声は確信をつきたいがつけないでいる、
「…小那都に危害を加える…グループが。」
「……。」
「…貴方をみて思いました、こんな人が気づかないはずがないって…それで調べてみたら………正解ですか…?」
上条優人は少し微笑む
「…さあね。」
上条優人は何事も無かったの様に続ける
「…でさ、これで何だか分かって貰えたみたいだし、こなっちゃんと一緒に居るの許して貰えるかな?お友達さん?」
「……はぁ…白木ですよ。白木柚花。」
「ん?それは肯定として受け取っていいのかな?あはは!俺は上条優人!どうぞよろしく、白木さん」
上条優人はにっこりと手をだす
「…あんまり認めて無いですけどね、貴方が一番危険」
それにため息を尽きながら柚花が手を握りかえした。
「あっははは!ひどいなぁ!…大丈夫。ちゃんとみてるよ」
それはとても頼もしく恐ろしい笑みでした。




