泣いてもいいですか
「あー!小那都ちゃん!!みたよ?!」
「あ、へ…は、遥ちゃん。お、おはよー??」
朝からキラキラの笑顔全開の遥ちゃんに会えたのはすごく嬉しいんだけど…なんだか怖いよ?遥ちゃん??
…というか、その笑顔でおはよーって言って欲しかったなあぁ!!!
「は…遥ちゃん?どしたの?」
とりあえず、その笑顔は何なんだ??
「だから!今日、上条先輩と登校してたでしょ?!」
ぶーーーーーーっ!!!
…って、飲み物かなんかを含んでいたらなっていたかもしれない。
…じゃなくて!
「…え、み、みてた…の??」
「みたよー!!いーなぁ!仲良しだね!!羨ましいっ!」
わー、テンション高ぁい!変わってあげたあい!
あー、でもこんな時でも可愛いなぁ!!ぴょんぴょん跳ねてさ。可愛い子は本当に得だよね!!
…って、そうじゃないんだよ!!
「遥ちゃん!あのね?!あれはね、仲良しとかじゃなくてーっ」
「あー、うんうん!安心して!そんなに公表したりしないからっ!」
わかってるから!と遥ちゃん。
…ち、ちっがーーーう!!!
違う違う!!!え?!違うって!そんな恥ずかしがってるとか、そんなんじゃないんだよぉぉお!!完全に誤解なんだよーーっ!!ってかそんなにってなんだ!そんなにって!!
「は…遥…ちゃ…」
「あー!でも何か進展あったら私にも報告してね?まってるからー!」
あー、ダメだ。この子全く人の話聞いてない。遥ちゃんてこんなにテンション高い子だったんだ?
「あちゃー、遥がこの状態になったら話すのは無理だよ?小那都??」
誰かが隣でため息をついた
「あ、未来ちゃん。」
「ん、何か久しぶりだね?おはよ」
あぁ、相変わらず格好良い!爽やか!!
「遥はもうダメだねー」
「はは…何でこんなにテンションが上がったんだろうね」
本当、何でだろう。
すると、少し遠い目をした未来ちゃんが話してくれた
「あー、うん。遥はね、こう…恋愛系とかが大好きで、もう乙女展開万歳…みたいな」
あー…確かにそんな感じするもんなぁ。少女漫画とか大好きそうだもんなぁーー。
「あー…あはは、乙女だねぇ。」
私は気のない声で答えた。
すると、後ろから
「へー、あんたなんだかんだ言って仲良くやってるんじゃない」
「柚花!!!!!」
いつの間にか柚花が私の後ろに立っていた
…ていうか、ん?
「あのー、柚花サン?仲良しって、誰と誰の事デスカ???」
「え?何言ってんの。あんたと上条優人の事よ」
未来ちゃんと遥ちゃんの事とか淡い期待したけど、柚花はその予想を見事に打ち砕いた。
「仲良くないっっ!!!」
「一緒に登校でしょ?仲良いじゃない」
少し呆れ顔の柚花
あれ?何かこれ私がただ恥ずかしがって否定してるみたいになってる?!え?ちょ、ちょっ!!おかしいでしょ!!
「いやっ、あの!?私別に先輩と仲良くないっていうか!!脅しというか強制というかっっ」
きーんこーん
と、ここでタイミング悪くチャイムが鳴る。
「…まぁ、頑張ってね」
「小那都ちゃん!あとでまたお話聞かせてね!!」
「意外だけど良いと思うよ、頑張って」
…と、柚花、遥ちゃん…そしてとうとう未来ちゃんにも誤解をされ、三人からエールをもらった。
…そろそろ本気であの人呪っていいかなぁ。
私はワラ人形を用意する日は近いかなと思った。